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Trademark Appeal Case

清濁音の称呼外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900447(T2007−900447/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5054647号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5054647号商標(以下「本件商標」という。)は、「ごくまろ」の文字を標準文字で表してなり、平成18年10月4日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同19年5月28日に登録査定され、同年6月15日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

1 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。

(1)登録第4077255号商標(以下「引用商標1」という。)は、「こくまろ」の文字を書してなり、平成8年1月27日に登録出願、第30類「茶,調味料,香辛料,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,グラタン,ラザニア,シェパーズパイ,おでん,雑炊,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」を指定商品として、同9年10月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(2)登録第4072480号商標(以下「引用商標2」という。)は、「こくまろ」の文字を書してなり、平成8年1月27日に登録出願、第29類「加工野菜及び加工果実,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆」を指定商品として、同9年10月24日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 商標法第4条第1項第11号について

本件商標「ごくまろ」は「ゴクマロ」の称呼を生じ、引用商標1「こくまろ」は「コクマロ」の称呼を生じるものである。

そこで、本件商標より生ずる「ゴクマロ」の称呼と引用商標1より生ずる「コクマロ」の称呼とを比較するに、両者は共に4音をもって構成され、語頭音である「ゴ」と「コ」の1音のみに差異を有し、かつその差異音も、清音と濁音の微差にすぎず、共に母音「オ」を共通にする破裂音で近似した音である。

また、本件商標と引用商標1をそれぞれ自然に称呼してみた場合、両商標ともそのアクセントはそれぞれ第3音及び第4音の「マロ」の部分にあり、他の2音と比較して強く明確に発音されるものと考えられる。一方、語頭音である「ゴ」及び「コ」の文字は「マロ」の部分と比較して、さほど強く明確に発音されることはないものと考えられる。このことと、前述の「ゴ」と「コ」の音の近似性も合わせて考慮するに、この2音の差異が称呼全体に与える影響は極めて少ないものといわざるを得ない。

よって、本件商標と引用商標1は、その全体的な語調及び語感が著しく類似したものとなり、両者をそれぞれ一連に称呼した場合は互いに相紛らわしく、聴別し難いものである。

また、両商標は共にひらがな文字を、同じ大きさ、等間隔に同書体で表してなるものであり、語頭文字である「ご」と「こ」以外他の全ての構成配列音を共通にするものであるから、外観上極めて相紛らわしい類似の商標であるといわなければならない。

なお、観念については、共に特定の意味合いを看取されることのない造語よりなるものであるから観念上比較すべくもないところであり、単に「ごくまる」と「こくまる」なる平仮名文字の配列として認識されるに止まり、見誤る恐れも大いにあるといわざるを得ない。

したがって、本件商標と引用商標1とは、称呼及び外観上類似する商標であり、かつ、指定商品においても同一又は類似する商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

3 商標法第4条第1項第15号について

引用商標2は、申立人が製造し、全国に広く販売している「カレーのもと・シチューのもと」に付しており、申立人の商標として需要者及び取引者間において周知となっているものである(甲第19号証ないし甲第46号証)。

そして、本件商標の指定商品である「菓子及びパン」と、申立人商品である「カレー・シチューのもと」は、同じ「食品」であるというばかりでなく、「カレー味の菓子」や「カレーパン」等、カレーに関わる菓子及びパンも市場に多数存在すること及び実際に「カレーパン」に使用していることも考慮すると、本件商標がその指定商品に付された場合、これがあたかも申立人の製造・販売に係る商品であるか、若しくは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務にかかる商品であるかの如く、商品の出所について誤認、混同を生じさせるものと考える。

しだがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号商に違反して登録されたものというべきである。

4 むすび

以上述べたとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「ごくまろ」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して「ゴクマロ」の称呼を生ずるものである。

これに対し、引用商標1は、「こくまろ」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「コクマロ」の称呼を生ずるものである。

そして、本件商標より生ずる「ゴクマロ」の称呼と引用商標1より生ずる「コクマロ」の称呼を比較するに、両者は、共にわずか4音という短い音構成からなり、しかも語頭音おいて「ゴ」と「コ」の差異を有し、該語頭の濁音「ゴ」は清音「コ」と比較して強く発音称呼されるものといえるものであるから、両者を一連に称呼した場合、全体の音感、音調が異なり、称呼上相紛れるおそれはないというのが相当である。

また、本件商標「ごくまろ」と引用商標1「こくまろ」の観念は、共に特定の観念を有しない一種の造語といえるものであるから、両者は比較することができないものでる。

さらに、本件商標「ごくまろ」と引用商標1「こくまろ」とは、上記のとおりの構成よりなるところ、本件商標の語頭の「ご」の濁点(「 ゙」)が視覚上注意を惹き易く外観上十分に区別し得る差異を有するといえるものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

2 商標法第4条第1項第15号について

申立人が、引用商標2の著名性を立証するものとして提出した、甲第18号証ないし甲第49号証よりすると、引用商標2は、「カレーのもと・シチューのもと」を表示するものとして需要者・取引者の間に広く認識されている商標と認められるが、本件商標は、上記1の認定と同様であって、引用商標2とは、商標それ自体が異なるものとして需要者等に印象付けられるというのが相当であるから、本件商標をその指定商品に使用しても、本件商標に接する需要者等が引用商標2を連想、想起することは極めて少ないというべきである。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、該商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとはいえないものである。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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