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Trademark Appeal Case

称呼の類似性:語尾差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−32618(T2007−32618/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「アクリテックス」の文字を標準文字で表してなり、第19類「リノリューム製建築用又は構築用防水材,プラスチック製建築用又は構築用防水材,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用防水材,合成建築用又は構築用防水材,ゴム製の建築用又は構築用防水材,石灰製の建築用又は構築用防水材,石こう製の建築用又は構築用防水材」を指定商品とし、平成18年3月1日に登録出願された商願2006−17803に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年11月1日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4063137号商標(以下「引用商標」という。)は、「アクリテック」の文字を横書きしてなり、平成7年6月26日登録出願、第17類「化学繊維糸(織物用のものを除く。),化学繊維(織物用のものを除く。),プラスチック基礎製品,電気絶縁材料,オイルフェンス,床用・壁用又は天井用の音響吸収材」を指定商品として、同9年10月3日に設定登録され、その後、同19年10月2日に商標権の存続期間の更新登録がされて、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、前記1のとおり「アクリテックス」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「アクリテックス」の称呼を生ずるものである。他方、引用商標は、前記2のとおりの「アクリテック」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「アクリテック」の称呼を生ずると認められるものである。また、両者は、特定の語義を有するものではないから、一種の造語からなるものと認められる。

そこで、本願商標より生ずる「アクリテックス」の称呼と、引用商標から生ずる「アクリテック」の称呼とを比較するに、両者は、語頭から続く「アクリテック」の音を共通にし、語尾における「ス」の有無という差異を有するにすぎない。

しかして、該差異音の「ス」は、舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦音であって、比較的弱く響く音であり、明瞭に発音される破裂音「ク」に続いて「・・クス」のように発音されるときは、「ク」の音に吸収され、必ずしも明確に聴取されるとはいえないことから、決して短いとはいえない構成音数の称呼においては、前記差異をもって、両者が取引上商品の出所について混同を生じさせるおそれがない程に判然と区別され得るとはいい難いものである。

そうとすれば、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が近似し、互いに相紛れるおそれがあるものと判断するのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標とは、それぞれ前記のとおりの構成よりなるから、外観において相違し、観念についてはいずれも造語よりなるものであるから、比較することができないものであるとしても、称呼において相紛らわしいものであるから、全体として類似の商標と認められる。

そして、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品中「床用・壁用又は天井用の音響吸収材」とは類似するものである。

(2)請求人は、本願商標からは、5音目に促音「ッ」を有することによって、この促音を伴う「テッ」が強く発音され、その後に続く「クス」は、一瞬呼気を止めた後に一気に「クス」と1音のごとく明瞭に発音される音であるから、聴者には「ス」まで明瞭に聴取され、更に、引用商標からは、末尾音「ク」は、前に位置する促音「テッ」に続く音であるから、強くかつ一気に「ク」と「言い切り」的に発音され、聴者には「ク(ku)」の母音「u」まで明瞭に聴取されると主張している。

しかしながら、いずれも7音及び6音という構成よりなる両商標にあっては、中間部の第5音に位置する促音「ッ」は、いずれも前音「テ」の音に吸収され、それ自体必ずしも明確には聴取し難く、称呼全体に及ぼす影響は極めて小さいものであり、その構成中の促音部分を強く発音される事情があるとは認めることができないから、その主張は採用することができない。

また、請求人は、本願商標をその指定商品について長年使用しており、引用商標が出願された1995年には既に、アクリルゴム系の塗膜防水材の分野において「アクリテックス」といえば請求人の商標として理解、認識されているものといえ、また、引用商標の権利者もまたその指定商品に「アクリテック」なる商標を使用しているものの、本願商標と引用商標との間で現実にその商品の出所混同が生じている事実を見つけることはできない旨主張しているが、本願商標及び引用商標の使用態様が、現実の商品に用いられている表示態様のみに限定されるものではなく、両商標を並べて比較した場合には混同を生じなくても、離隔的に観察した場合には、「テック」「テックス」の部分に着目して引用商標を連想し、混同することがあり得るものといえる。また、その取引状況について、具体的な証左も何ら提出されていないものである。

さらに、請求人は、過去の審決例、登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、請求人が挙げる審決例、登録例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の審決例、登録例等の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人の主張は採用できない。

(3)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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