Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−20971(T2007−20971/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「はちみつ黒酢ダイエット」の文字を標準文字で表してなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成18年7月3日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、原審における同19年4月18日付け提出の手続補正書により、第32類「はちみつ・黒酢入りの果実飲料,はちみつ・黒酢入りの清涼飲料」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『蜂蜜と黒酢を使用したダイエット食品(体重調節のための低カロリー食品)』を認識、理解させる『はちみつ黒酢ダイエット』の文字を書してなるから、これをその指定商品中『蜂蜜と黒酢を使用した商品』に使用するときは、単に該商品の原材料、品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至ったものとは認めることができないから、同法第3条第2項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号について
本願商標は、その指定商品について前記第1のとおり補正された結果、これをその指定商品に使用しても商品の品質について誤認を生ずるおそれはなくなったものと認められる。
(2)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、前記第1のとおり「はちみつ黒酢ダイエット」の文字よりなるところ、昨今、黒酢にはアミノ酸やクエンが含まれ、黒酢を摂取することにより脂肪を減らしダイエット効果があることが知られている。また、黒酢に蜂蜜を加えて飲みやすくした黒酢飲料が販売されている実情があることから、本願商標を補正後の指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「蜂蜜と黒酢を使用したダイエット効果がある果実飲料,蜂蜜と黒酢を使用したダイエット効果がある清涼飲料」であること、すなわち、その商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)商標法第3条第2項について
請求人は、「本件商品の名称である『はちみつ黒酢ダイエット』を標準文字で表した本願商標は、取引者及び需要者にとって、本出願人が販売してきた本件商品の商標そのものとしてしか認識され得ないことが明らかである。本件商品の知名度を考えれば、その商品名である本願商標について、需要者等にとって何人の業務に係る商品であるか認識できないという事態は生じ得ないのであり、本願商標はまさに、商品に使用された結果、需要者が本出願人の業務にかかる商品であると認識できるに至った商標に該当するものである(商標法第3条第2項)。」旨主張し、証拠方法として資料1ないし34を提出している。
しかし、商標法第3条第2項は、本来的には自他商品識別力がなく、特定人の独占にもなじまない商標について、特定の商品に使用された結果として自他商品識別力を有するに至ったことを理由に商標登録を認める例外的規定であり、実際に商品に使用された範囲を超えて商標登録を認めるのは妥当ではないから、出願に係る商標が、同条項の要件を具備し、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、出願に係る商標と同一の商標がその指定商品と同一の商品について使用されている場合に限られると解される(参考:知財高裁平成18年(行ケ)第10054号、平成18年6月12日判決)ところ、請求人の提出に係る証拠(資料1ないし24、26、28,32ないし34)は、雑誌、新聞、テレビ番組で紹介された請求人に係る商品「はちみつ黒酢ダイエット」に関する記事や放送内容であるが、当該商品に使用されている商標は、いずれも「はちみつ」「黒酢」「ダイエット」の文字を3段に赤色、緑色、茶色で横書きしてなり、その左側に赤色の曲線と右側にりんごの形状に赤色の曲線がかかる構成よりなるものであり、「はちみつ」「黒酢」「ダイエット」の各文字を横書きで一連に表した本願商標とは、その構成態様を異にするものと認められるものである。
してみれば、本願商標「はちみつ黒酢ダイエット」がその指定商品「はちみつ・黒酢入りの果実飲料,はちみつ・黒酢入りの清涼飲料」に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認めることはできないから、本願商標が使用により識別力を獲得したものであるとする請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ同法第3条第2項の要件を具備しないものであるから、これを理由に本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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