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Trademark Appeal Case

パイプフックの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−9835(T2007−9835/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「パイプフック」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第11類「便所ユニット,浴室ユニット,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,牛乳殺菌機,工業用炉,原子炉,飼料乾燥装置,ボイラー,暖冷房装置,冷凍機械器具,業務用衣類乾燥機,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),業務用加熱調理機械器具,業務用食器乾燥機,業務用食器消毒器,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,ごみ焼却炉,太陽熱利用温水器,浄水装置,電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,アイスボックス,氷冷蔵庫,家庭用浄水器,浴槽類,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,化学物質を充てんした保温保冷具,火鉢類」、第17類「雲母,ゴム製又はバルカンファイバー製のバルブ(機械要素に当たるものを除く。),ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),パッキング,消防用ホース,石綿製防火幕,オイルフェンス,電気絶縁材料,ゴム製又はバルカンファイバー製の座金及びワッシャー,蹄鉄(金属製のものを除く。),化学繊維(織物用のものを除く。),石綿,岩石繊維,鉱さい綿,糸ゴム及び被覆ゴム糸(織物用のものを除く。),化学繊維糸(織物用のものを除く。),石綿糸,石綿織物,石綿製フェルト,絶縁手袋,ゴムひも,石綿ひも,石綿網,ゴム製包装用容器,ゴム製栓,ゴム製ふた,農業用プラスチックフィルム,コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー,プラスチック基礎製品,ゴム,岩石繊維製防音材(建築用のものを除く。),石綿の板,石綿の粉」及び第19類「タール類及びピッチ類,建築用又は構築用の非金属鉱物,陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),土砂崩壊防止用植生板,窓口風防通話板,区画表示帯,セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス,人工魚礁(金属製のものを除く。),養鶏用かご(金属製のものを除く。),吹付け塗装用ブース(金属製のものを除く。),セメント製品製造用型枠(金属製のものを除く。),送水管用バルブ(金属製又はプラスチック製のものを除く。),道路標識(金属製又は発光式若しくは機械式のものを除く。),航路標識(金属製又は発光式のものを除く。),貯蔵槽類(金属製又はプラスチック製のものを除く。),ビット及びボラード(金属製のものを除く。),石製郵便受け,建具(金属製のものを除く。),灯ろう,可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),墓標及び墓碑用銘板(金属製のもを除く。),飛び込み台(金属製のものを除く。),石製彫刻,コンクリート製彫刻,大理石製彫刻,鉱物性基礎材料」を指定商品として、平成18年5月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『管押さえ』を意味する『パイプフック』の文字を標準文字で書してなり、全体として『管やパイプを押さえる支持具』という意味合いを認識させるものであり、また、『フック』の文字部分は『ホースフック』、『ケーブルフック』等、商品名に『フック』の文字を付け『その商品の支持具』を指すものとして使用されている事例が、インターネット等において多数存在することからすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、仮に、該文字が普通一般に使用されたという事実が無くても『パイプを固定する支持具』であると認識させるにとどまり、これをその指定商品中、前記意味合いに照応する商品、例えば『支持具,フック』等に使用するときは、単に商品の品質を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記1のとおり、「パイプフック」の片仮名文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「パイプ」の文字は、「コンサイスカタカナ語辞典 第3版」(三省堂)によれば、「(1)管。(2)喫煙用具の1。西洋キセル。(3)笛または管楽器の俗称。(4)チューブ,パイプ役」等の意味を有する語であり、同じく「フック」の文字は、「広辞苑 第五版」(岩波書店)によれば、「(1)鉤(かぎ)。ホック。(2)ボクシングで、ひじを曲げて側面から打つ攻撃。(3)ゴルフで、右(左)打者が打ったボールが左(右)へ逸れていくこと。⇔スライス」(参考「鉤:先の曲がった金属製の具。また、それに似たもの。」広辞苑第5版)等の意味を有する語であり、両語はともに英語の「pipe」「hook」の表音を片仮名文字で表した外来語と理解されるものである。そして、本願指定商品との関係において、「パイプ」及び「パイプ」に通じる「pipe」の文字は、「pipe 管:液体、ガス体、音響などの伝送,そのほか暖房、冷房などに使用される円形または多角形の長い中空体。」(「英和・和英機械用語図解辞典 第2版」日刊工業新聞社)、「パイプ pipe:(1)流体を送るための管。金属管,木管,陶管,プラスチック管,コンクリート管,エタニット管などがある。搬送する流体の内容や工法,配管の条件によってそれぞれ選択する。(2)構造体の部材,建築現場の足場,飾り,手摺などに使用される鋼管。(3)溶接部に生ずるブローホールの円筒状に細長くなったもの。(4)→バトン(1)」(「建築大辞典 第2版」彰国社)、「パイプ[pipe](1)流体や気体を送るために使用される管。(2)建築現場の仮設の足場や手すりなどに使用される鋼管。」(「井上建築材料事典 第1版」井上書院)、「パイプ pipe:管。水、ガス、蒸気などを導く管。鋼、鋳鉄、銅、セメント等で作られる。」(「家具木材加工インテリア用語辞典 二版」経済出版)等を意味する語として記載があり、「フック」及び「フック」に通じる「hook」の文字は、「フック hook:かたい材料とくに金属でできたかぎ状の部品。つかんだり、つったり、引っ張ったりするために曲がった形をしている。」(「マグローヒル科学技術用語大辞典 改訂第3版」日刊工業新聞社)、「hook フック:かぎ状をした機械部品。玉掛ロープを掛けてつり上げるのに用いる。」(「英和・和英機械用語図解辞典 第2版」日刊工業新聞社)、「フック hook:(1)ものを引っかけるため、先端が釣針状をした器具のこと。クレーンなどで、ものを引っかけてつり上げたり、つり下げたりするために用いる。(2)引張コイルばねに荷重をかけるために両端にあるかぎ部分。」(「機械用語大辞典」日刊工業新聞社)、「フック[hook]先端に鉤状のつめをもつ形状。開き建具の煽り止め金物,鉄筋先端の折り曲げ部分,アンカーボルトの埋め込み先端,および揚重機械のつり上げ部などがある。」(「建築現場実用語事典」井上書院)、「フック hook(1)窓や戸障子を開放したままの位置で固定しておくための掛け金具。あおり止めともいう。(2)洋服掛けの止め金具。(3)カーテンフック(「インテリアプロ用語事典 第4版」ハウジングエージェンシー)、「フック hook(1)鉤(かぎ)の意。ホック,カーテン裂地に取り付け、ランナー、およびストッパーをかけるような金具。あおり止めの一つ。また洋服掛の止め金具,鈎(かぎ)で引っかけるということで留めかぎ(ホック)。(2)丸鋸の歯鈎(しこう)角のこと。(3)鉄筋コンクリートの鉄筋の末端のかぎ状に曲げた部分。」(「家具木材加工インテリア用語辞典」経済出版)、「コンクリート中で鉄筋を定着する場合,または重ね継手によって鉄筋を連続する場合に鉄筋末端部を折曲げた部材をいう。鉄筋の端部を90度折曲げたフックを直角フック,135度折曲げたフックを鋭角フック,180度折曲げたフックを半円形フックという。」(「コンクリート用語辞典」日本コンクリート工業協会)等の記載があることよりすれば、本願指定商品を取り扱う、建築、インテリア関連の業界においては、「パイプ」の文字よりは、「液体、気体等を通す管」の意味合いを、「フック」の文字よりは、「物を引っかける、或いは留めるかぎ状の器具」程の意味合いを理解させるというのが相当である。

加えて、「パイプフック」の欧文字表記と認められる「pipe hook」の文字は、「pipe hook:管押え」(「英和プラスチック工業辞典 4版」工業調査会)の意味を有する語として記載も認められることからすれば、「パイプフック」の文字全体よりは、「空気・ガス・液体などを通す管を引っかけたり、押さえるためのかぎ状或いはそれに似た部品」程の意味合いを認識させるものというべきである。

そして、「パイプフック」の文字より、「パイプを引っかけたり、押さえるためのかぎ状或いはそれに似た部品」程の意を理解させることは、以下のインターネット情報における「パイプフック」の語の採択、使用状況からも知り得るところである。

インターネット情報

(1)「取付金具」の見出しのもと,「パイプフック 860−19 400円 (52mm×30mm 10個組)」との記載(株式会社フクヨシのホームページ(http://www.e-fukuyoshi.com/safety/021/))。

(2)「フックボルト」の見出しのもと,「パイプフックボルト(ユニクロ)」との記載(タイガー産業株式会社のホームページ(http://www.tiger-sg.co.jp/syouhin/index.html))。

(3)「現場を支えるネットストア MonotaRO」の見出しのもと,「スーパーツール パイプフック 特長 鋼管その他のパイプ吊り上げ専用フック。・・ 」との記載(株式会社MonotaROのホームページ(http://www.monotaro.com/g/00111591/))。

(4)「有限会社草加ネジ 線材 ネジ製品/特殊曲げ製品」の見出しのもと,「【ネジ製品】Uボルト、フックボルト、・・・・パイプフックボルト・・・・・」との記載(有限会社草加ネジのホームページ(http://www.sokaneji.jp/pc/sample.html))。

(5)「Kansai 有限会社関西」の見出しのもと、「No,11パイプフック Y型(タック付)」との記載(有限会社関西のホームページ(http://www.kansai-pop.co.jp/syouhin02/syouhin02.htm))。

(6)「▲清水金物[建築金物/ボルト・ナット]」の見出しのもと,「パイプフック1/4 足場パイプに波板を止める金具です。」との記載(株式会社清水金物のホームページ(http://www.d-mall.org/chichibu/shimizu/M-02.html))。

(7)「現金問屋オートミ ★建築資材 価格一覧表★(波・平板取付金具(ボルト)各種価格」の見出しのもと,「商品コード1913510 商品名サイズ パイプフック50×100・・」との記載(株式会社オートミのホームページ(http://www.ohtomi.com/sizai/top_price/page1-010.htm))。

(8)「ACCESSORIES」の見出しのもと,「パイプフック ♯2943 ライザーパイプに取り付けて、スプレーバルブを掛けて置くことができます。」との記載(アクシアインターナショナル株式会社のホームページ(http://www.axia-web.com/fisher/pdf/ACCESSORIES.pdf))。

(9)「iタウンページ フジタニチェン工業株式会社」の見出しのもと,「詳細情報 【パーツ/金具】・・・パイプフック・・・」との記載(http://nttbj.itp.ne.jp/0336546191/index.html?Media_cate=populer&svc=1303)。

(10)「ボルト・ナット・ビス類」の見出しのもと,「●パイプボルト(パイプフック)」との記載(石原金属株式会社のホームページ(http://www.ikco.jp/syohin/pdf/st12.PDF))

(11)「山本商会株式会社」の見出しのもと,「パイプフックボルト」との記載(山本商会株式会社ホームページ(http://yamamoto.bun.ne.jp/yamamoto/show.cgi?p_cd=P00018301))。

(12)「吊具類製品一覧」の見出しのもと,「パイプフック」との記載(ウエダ産業株式会社のホームページ(http://www.uedaturb.co.jp/turigu/itiran-10/ichirann10.html))。

(13)「株式会社丸久商会」の見出しのもと,「トタン 波トタン用 鉄骨下地 大波ドリルスクリュー・・・・・ラスパート パイプフック 22mm27mm 35mm 42mm 50mm 」との記載(株式会社丸久商会のホームページ(http://www.maruhisa.info/tin/groundwork.html))。

これらの実情よりすれば、この種の業界において、「パイプフック」の文字は、「パイプを引っかけたり、押さえるためのかぎ状、或いはそれに似た部品」を表示する語として使用されており、商品の種類、品質を表しているものと認められるものである。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、第11類「給水配管用配管支持具」、 第17類「管用接続具」、第19類「プラスチック製パイプ支持具,合成樹脂製配管支持具」等に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「パイプを引っかけたり、押さえるための、かぎ状或いはそれに似た部品」という商品の種類、品質を表したにすぎないものと理解するにとどまり、これを自他商品の識別標識とは認識し得ないと判断するのが相当である。また、本願商標を前記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。

ところで、商標法第3条第1項第3号については、次のとおり判示されている。「商標法第3条第1項第3号が、指定商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について、商標登録を受けることができない旨規定する趣旨は、そのような商標が商品の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・判例時報927号233頁参照)。そうとすると、同号は、指定商品の品質、用途を表すものとして取引者、需要者に認識される表示態様の商標につき、そのことゆえに商標登録を受けることができないとしたものであって、同号を適用する時点のおいて、当該表示態様が、商品の品質、用途を表すものとして現実に使用されていることは、必ずしも必要でないものと解すべきである。」(平成13年(行ケ)第207号 東京高裁平成13年12月26日判決言渡参照)

そうとすれば、仮に、上記に挙げたインターネットの情報の使用例が、本願指定商品について使用されて、商品の品質を表しているものといえない場合があったとしても、本願商標が、現実にその指定商品に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解されるものであり、本願商標は、前記のとおり、商品の特性(品質)を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものといえるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当ではないというべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消す限りではない。

なお、請求人(出願人)は、当審における「請求の理由」において、「パイプ」、「フック」それぞれの語が多義的であり、特定の商品の品質を表示したにすぎないものとはいえないものであり、かつ、「パイプフック」の語は、一連に横書きしてなる商標で、称呼音数が五音と非常に短いから、一気に称呼し得る特定の意味合いを即座に認識させることのない、造語商標である旨述べて、登録例を挙げて本願商標の登録的確性を主張しているが、本願指定商品との関係で、「パイプフック」の語よりは 、「パイプを引っかけたり、押さえるためのかぎ状或いはそれに似た部品」であると認識し、商品の品質を表すものと理解されることは前記認定のとおりであり、また、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するかどうかは個別具体的に判断すべきであると解されるところ、請求人が主張する過去の登録例に係る商標は、本願商標とは、その構成態様、指定商品との関係、審査又は審理における判断時等を異にするものであって、本願とは事案を異にするものであるから、上記、請求人の主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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