Trademark Appeal Case
役務の質・場所表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−20071(T2007−20071/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「うまいごはん家」の文字を標準文字で書してなり、第43類「飲食物の提供,飲食物の提供に関する指導・助言・情報の提供,会議のための施設の提供,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与」を指定役務として平成18年9月5日に登録出願され、その後、指定役務については、同19年4月27日付けの手続補正書により、第43類「飲食物の提供」に補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「旨い飲食物を提供している店」ほどの意味合いを認識させる『うまいごはん家』の文字を標準文字で表示してなるものであるから、これをその指定役務中『飲食物の提供,飲食物の提供に関する指導・助言・情報の提供』に使用する場合、需要者・取引者は商標として認識するというよりは、単に役務の質(内容)、役務の提供の場所を表示するものとして認識するというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「うまいごはん家」の文字を書してなるところ、該構成中の「うまい」の文字は、「(「美味い」とも書く)味がよい。甘い。」の意味を有し、「ごはん」の文字は、「めし・食事の丁寧な言い方。」の意味を有し、「家」の文字は、「(屋・家)人の住むためにつくった建築物。いえ。家屋。住宅。」(いずれも、「広辞苑第5版」 株式会社岩波書店発行)の意味を有するものである。
そして、本願商標を構成する「うまいごはん家」の文字中、「ごはん家」の文字部分は、本願の指定役務「飲食物の提供」を取り扱う業界においては、「ご飯等を提供する店(場所)」を意味するものとして容易に認識させるものということができる。
上記した実情は、新聞記事情報やインターネット情報の掲載例をみても、「ごはん家」及び「ごはん家○○○」等の語句が、以下のように普通に使用されていることからも、十分に裏付けられるところである。
(1)2007年5月10日付け北海道新聞朝刊22頁には、「〈ぶらり道東北 道の駅巡り〉10*南ふらの=上川管内南富良野町*イトウ料理を年中提供」の見出しの下、「エントランス脇には開放的な雰囲気が漂うレストラン『ごはん家ラーチ』。」との記載がある
(2)2007年1月25日付け中国新聞朝刊には、「味ぐるめ 家庭料理店 ごはん家うさぎ 体に優しい『満月セット』」の見出しの下、「家庭料理店 ごはん家うさぎ」との記載がある。
(3)2006年11月18日西日本新聞朝刊32頁には、「福岡県◎車いす送迎車寄贈キャンペーン=18日掲載/ふくおか都市圏」の見出しの下、「【福岡市】アンド・エム、居酒屋・たつみ、ごはん家・里の桜、・・・。」との記載がある。
(4)2005年10月29日産経新聞東京朝刊31頁には、「FC元加盟店が賠償求め提訴『経営指導が不十分』」の見出しの下、「『ごはん家まいどおおきに食堂』など外食チェーン店を手がける・・・・。」との記載がある。
(5)「ホットペッパーグルメサイト/HotPepper.jp」(http://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000031456.html)には、「ゆったり落ちつく ごはん家」の見出しの下、「ごはん家 TARI」の記載がある。
(6)飲食店を紹介した「朽木郷 ごはん家 山水」(http://sansui.blog19.fc2.com/)のホームページには、「滋賀の山奥にある飲食店『朽木郷 ごはん家 山水』の紹介ページです。」との記載がある。
(7)「GINBURA」(http://www.ginbura.com/index.html)のホームページには、「おすすめグルメ」の見出しの下、「ごはん家 いちばん食堂」との記載がある。
(8)ランチを紹介したウェブサイト(http://www.kct.ne.jp/~towa/lunch109.htm)には、店名として「No109 ごはん家 よってっ亭」との記載がある。
(9)「栃木県南・茨城県西エリアのライフアシストマガジン あすぱ」(http://www.asspa.com/koga/gourmet/yukinokura/index.htm)のホームページには、「古河エリア 古河・境」の見出し下、「ごはん家 遊季の蔵 YUKINOKURA」の記載がある。
(10)YAHOO!JAPANの「Yahoo!グルメ」の飲食店情報キーワード(http://gourmet.yahoo.co.jp/restaurant/shoplist.html?kw=%A4%B4%A4%CF%A4%F3%B2%C8&td=00&md=2&done=http%3A%2F%2Fgourmet.yahoo.co.jp%2Fmet.yahoo.co.jp%2F)検索には、「店名(最寄り駅)」として、以下の情報が記載されている。
「ごはん家梨川(名谷駅)」、「ごはん家(新西金沢駅)」、「ごはん家うさぎょん(南橋本駅)」、「ごはん家膳次郎(長堀橋駅)」、「ごはん家(赤十字病院前駅)」、「ごはん家・里の桜(雑餉隈駅)」「ごはん家(柏森駅)」、「ごはん家一膳(阿波座駅)」、「ごはん家七味(柴原駅)」、「丼定ごはん家(法善寺駅)」、「ごはん家さん(市川駅)」、「ごはん家かっちゃん(野町駅)」、「ゴハン家(上田駅)」。
以上よりすると、本願商標の構成中「ごはん家」の文字は、飲食物を提供する業界においては、ご飯等を提供する店舗名(提供される場所)として認識、把握され、かつ、普通に使用されているということができる。
そうとすれば、「うまい」の文字を冠した本願商標の「うまいごはん家」の文字を、本願指定役務の「飲食物の提供」に使用しても、これに接する需要者、取引者は、「うまい(美味い)ご飯を提供する店(場所)」を容易に理解するに止まり、結局、本願商標は、単に役務の質、役務の提供場所を表示したにすぎず、自他役務としての識別標識としての機能を有し得ないものというのが相当である。
なお、請求人は、「「うまいごはん家」の屋号を使用しているのは請求人だけであり、「うまいごはん家」が、請求人の店舗名として一般ユーザーにおける識別力を有していること、また、過去の審査登録例を鑑み、かつ、法的安定性の見地から本件の登録の是非が判断されるべきである。」旨主張しているが、原審における物件提出書の資料1を徴すれば、請求人が「うまいごはん家」の文字を使用していることは認められるとしても、該文字が、需要者、取引者において、請求人の店舗名として広く知られ識別力を有しているものとする証拠は見出せないから、請求人の主張は採用することはできない。
また、登録出願に係る商標が自他商品及び役務の識別力を有するか否かの判断は、指定商品・役務等のそれぞれの取引の実情を考慮し、当該商標の全体の構成に基づいて、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであって、登録例に拘束されるものではないから、この点についても請求人の主張は採用することはできない。
なお、件外平成18年(ワ)第10470号判決においても、「ごはんや」それ自体は、格別の識別力を有するものでないと判断されているので参照されたい。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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