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結論

勝訴(請求認容)

商標「いぬのえいが」の平仮名商標の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2006−11134(T2006−11134/J1))

審判番号
不服2006−11134(T2006−11134/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「いぬのえいが」
争点(論点)
平仮名商標の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2006−11134(T2006−11134/J1)・不服)は、本件商標「いぬのえいが」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「平仮名商標の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「いぬのえいが」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第41類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年3月8日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『いぬのえいが』の平仮名文字を横書きしてなるところ、指定商品との関係において、これよりは、『いぬを主軸にしたエピソードをつづった映写フィルム・録画済みビデオディスク及びビデオテープ・電子出版物』及び『いぬを主軸にしたエピソードをつづった映画の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,録画済み磁気テープの貸与』の意味合いを理解、認識させるものであるから、これを本願の指定商品(指定役務)中、『前記に照応する商品(役務)』に使用されたときは、商品(役務)の品質(質)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは、商品(役務)の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、「犬の映画」を平仮名表記したにすぎない本願商標に対して、「犬の映画」及び「犬映画」の文字が、「犬に関する映画」を意味する語として普通に使用されている新聞記事及びインターネットのホームページが発見されたので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

4 請求人の意見の要旨

請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、「証拠調べ通知書で示された例では、いずれも『犬に関する映画』という意味で『犬の映画』及び『犬映画』の語を用いられているという点についての異議はないが、本願商標の最大の特徴は、『犬の映画』ではなく『いぬのえいが』と平仮名書きしているという点にある。これほど平易な漢字の組み合わせであり、一般的には当然漢字で表現されるべき『犬の映画』という語を、あえて『いぬのえいが』と平仮名書きしていることにより、これを見た消費者が『犬に関する映画』ではなく請求人が中心となって製作した映画に関する商品であると認識することは疑う余地がない。また、本願商標はすでに他の商品にも使用されており、こうした使用から明らかなことは、本願商標は、『犬に関する映画』を表すために使われているのではなく、特定のプロデューサーが自己の作った映画(とそれに関連する商品)であることを示すために使われている、ということである。さらに、請求人は本願商標を映画『いぬのえいが』シリーズの統一的な名称とすることを予定しており、現在、映画『いぬのえいが2』の準備を進めている。」旨主張し、証拠資料1から6までを提出した。

5 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「いぬのえいが」の平仮名文字よりなるところ、構成各文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表現されているものである。

そして、その構成中の「いぬ」の文字が「犬」に通じ、「えいが」の文字が「映画」に通じ、全体として「犬の映画」の意味に理解される場合、また、請求人が中心となって製作し、2005年に公開された映画の題名と認識される場合があるとしても、それをもって直ちに特定の内容を表示するというまでに世人一般の理解、認識されるものとまではいい難いものである。

更に、当審において職権をもって調査したが、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「いぬのえいが」の文字が、商品の品質及び役務の質を表示するためのものとして、取引上、普通に使用されている事実を見出すことができなかった。

そうとすれば、本願商標は、これをそのいずれの指定商品及び指定役務について使用しても、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、かつ、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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