Trademark Appeal Case
識別力弱い語の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−8654(T2007−8654/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「NIGHTREPAIRGE」の欧文字と「ナイトリペアージュ」片仮名文字を上下二段に書してなり、第3類「化粧品,せっけん類」を指定商品として、平成18年5月26日に登録出願されたものである。
第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶理由に引用した登録第3230988号商標(以下「引用商標」という。)は、「REPAIRGE」の欧文字と「リペアージュ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、平成6年4月28日に登録出願され、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同8年11月29日に設定登録されたものである。その後、同18年12月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、請求人に対し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知した内容は、以下のとおりである。
商標の類否判断に当たっては、その外観、称呼及び観念を総合的に判断すべきものというのが相当である。
本願商標は、「NIGHTREPAIRGE」及び「ナイトリペアージュ」の文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中の「NIGHT」及び「ナイト」の文字が「夜」及び「夜の,夜間(用)の」意味を有する英語・外来語として親しまれた語であり、下記の記載によれば、本願指定商品に係る商品分野においても、「夜用の商品」について広く使用されている事実が認められるから、「NIGHT」及び「ナイト」の文字は、「夜用の(商品)」であることを表す語として、取引者、需要者に広く知られているというべきである。
そうすると、「NIGHT」及び「ナイト」の文字は、本願指定商品に係る商品分野においては、単に「夜」の意味を表すというよりは、「夜用の(商品)」の意味を表す識別力の弱い語として理解されているとみるのが相当である。
そして、本願商標は、上記「夜用」の意味合いを表す「NIHGT」及び「ナイト」の文字と、造語と認められる「REPAIRGE」及び「リペアージュ」の文字とをそれぞれ組み合わせて上下二段に表した構成よりなること明らかなものであるところ、「NIHGT」の文字と「REPAIRGE」の文字、及び「ナイト」の文字と「リペアージュ」の文字とが、その意味において密接に関係する事情は見当たらず、その他、両文字を常に一体のものとして把握しなければならない格別な事情も見当たらない。
そうすると、本願商標にあっては、「REPAIRGE」及び「リペアージュ」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす要部とみるべきであり、本願商標からは、構成文字全体に相応して、「ナイトリペアージュ」の称呼を生ずるほか、「REPAIRGE」及び「リペアージュ」の文字に相応して、単に、「リペアージュ」の称呼をも生ずるというべきである。
他方、引用商標は、「REPAIRGE」及び「リペアージュ」の文字を二段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「リペアージュ」の称呼を生ずるものである。
そうとすると、本願商標と引用商標とは、「リペアージュ」の称呼を同じくする商標と認められる。
そして、本願商標中の自他商品識別標識としての機能を果たすもの(要部)と認められる「REPAIRGE」及び「リペアージュ」の文字部分と引用商標とは、文字の配列を共通にするものである。
また、両商標は、造語と認められるから、本願商標と引用商標とは、観念上比較することができない。
さらに、本願の指定商品は、引用のそれに包含されているものである。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念を総合的に判断すると、類似する商標であるというべきである。
これに関して意見がある場合には、この通知の発送の日から40日以内に意見書を提出されたい。
本願指定商品に係る商品分野において、「NIGHT」及び「ナイト」の文字が、「夜用」の意味合いで使用されている事実
(1)「ポーラ化粧品、ギフト用高級ソープ発売(いんふぉめーしょん)」の見出しのもと、「ポーラ化粧品は、ギフト市場を狙った高級石けん『グッドモーニング&ナイト』を11月1日から発売する。ボダイジュエキスを配合し、さわやかな香りのモーニングソープと、アロエエキス配合で落ち着いた香りのナイトソープで構成される。」との記事(1990.10.17 化学工業日報 3頁)。
(2)「プレゼント マリオン」の見出しのもと、「・・・薬用美容液『バリアコンディショナー(デイ)』と『バリアコンディショナー(ナイト)』のサンプル商品を先着10万人にプレゼントする『トライアルキャンペーン』を実施中。この朝用の美容液『デイ』と夜用の『ナイト』(各50ml、4000円)をセットで10人に。」との記事(2001.10.18 朝日新聞東京夕刊 5頁)。
(3)「協和発酵も化粧品に進出」の見出しのもと、「・・・保湿効果の高い美容液『ビオグラム・ディ&ナイト』を製造、・・・日中の紫外線やほこりから肌を守る昼用と、睡眠中の肌にみずみずしい潤いを与える夜用がセット(各三十ミリ・リットル入り)になり、一万五千円。」との記事(1988.08.09 読売新聞東京朝刊 6頁)。
(4)「バイオ技術の美容液(新製品)」の見出しのもと、「資生堂は二十六日、美容液『ビーエックス』を来年一月二十一日から発売すると発表した。・・・夜用の『ビーエックス・ナイト』が七本セットで八千円。」との記事(1984.11.27 朝日新聞東京朝刊 8頁)。
(5)「ポーラ化粧品、新夜用クリーム発売、細胞代謝をサポート」の見出しのもと、「ポーラ化粧品は『コフ』ブランドから、夜用クリームの新商品『ナイトアライブソリューション』(四十グラム、税込価格七千八百七十五円)を十月七日に発売する。」との記事(2005.07.28 化学工業日報 5頁)。
(6)「味の素、アミノ酸系化粧品に夜用美白クリームを追加発売」の見出しのもと、「・・・味の素『アミノホワイティブ エクストラ クリーム ナイト』を発売した。」との記事(2005.07.28 化学工業日報 5頁)。
(7)「ベリタス販売、水分蒸発防ぐ夜用美容液を販売(いんふぉめーしょん)」の見出しのもと、「ベリタス販売は、水分を取り込み蒸発を防ぐ夜専用の美容液『ロッサ ナイト』を三月上旬に発売する。」との記事(2001.01.25 化学工業日報 4頁)。
(8)「ドクターシーラボ、抗加齢効果うたう『ジェノマー』、高級ブランド拡販。」の見出しのもと、「・・・夜用クリーム『ナイトアップクリーム』(一万五千七百五十円)など全八品目を取り扱う。」との記事(2007.06.01 日経産業新聞 18頁)。
(9)「ナイトリペアライザー」の見出しのもと、「角質細胞に直接働きかけてハリと弾力を与え、健やかな肌をつくる夜用特殊美容液。」との記載(http://cosme.beauty.yahoo.co.jp/5695/)。
(10)「【送料無料】 【32%OFF!!】 ヘレナルビンスタイン プロディジー ナイトティシュラ 50ml 【送料無料】」の見出しと、容器上に「HERENA RUBINSTEIN PRODIGY NIGHT TISSULAR」と書かれた商品画像のもと、「ナイト トリートメント クリーム『プロディジー ナイト ティシュラ』は、夜間特有のエイジケアに着目した有用成分を配合し、眠っている間に美しさを紡ぎます。」との記載(http://item.rakuten.co.jp/cosmelink/3605520651212/)。
(11)「*アテニア ナイトパワリング ジェルの商品情報」の見出しと、容器上に「NIGHT POWERING GEL」と書かれた商品画像のもと、「夜用保湿ジェル。」との記載(http://www.cosme.net/product/product/product_id/291958)。
(12)「RMK NIGHT DEW RMK ナイトデュー」の見出しのもと、「夜の間にうるおいと活気を補ってなめらかな肌をつくる美容液」との記載
(http://www.rmkrmk.com/japan/products_sc/spe/spe10.html)。
第4 証拠調べに対する意見の要旨
当審において行った、上記の「証拠調べ通知」に対して、請求人は、意見書を提出した。
その要旨は以下のとおりである。
(1)証拠調べの内容について
本願商標の証拠調べ通知において、本願商標は以下のような判断をされている。
証拠調べ通知に記載された審判官の判断によれば、「ナイト」と表記されていれば、それは「夜用」を意味するものであるということになる。
ところで、本願商標の出願人は「REPAIRNIGHT」及び「リペアナイト」を二段に書してなる商標を出願しており、当該出願について拒絶査定が出されたため審判請求(査定不服2007―8653)を行い、その拒絶査定不服審判において登録審決を受けた。
この審判事件では引用商標「NIGHT REPAIR」との比較において、「『REPAIRNIGHT』及び『リペアナイト』はその構成各文字が同書、同大、同間隔に表示されているものであり、それぞれの構成は外観上一体として把握し得るものであって、その構成全体より生ずると認められる『リペアナイト』の称呼も、よどみなく一気に称呼し得るものであるから、本願商標のかかる構成においては、構成文字全体として特定の意味を持たない一体不可分の造語として理解されるとみるのが自然である。」と認定されている。
一方、引用商標については「『NIGHT』の文字と『REPAIR』の文字との間に間隔を有するものであるから、『夜、夜間』の意味を有する『night(NIGHT)』の語と『修繕(する)、回復(する)』の意味を有する『repair(REPAIR)』の語からなると容易に理解されるものであり、全体として『夜間の修復、夜間回復する』程度の意味合いを看取させるものであって」と認定されている。
つまり、この審判事件の審決においては、同書、同大、同間隔に書されている商標については、「NIGHT」及び「ナイト」の文字を含んでいても、外観上一体として把握し得るものであって、構成文字全体として特定の意味をもたない一体不可分の造語であると認定され、一方、「NIGHT」が他の部分と間隔を空けて示されている場合は、「夜用」の意味を有すると認定されている。
この審決内容を踏まえて本願商標についてみてみると、本願商標はその構成文字「NIGHTREPAIRGE」及び「ナイトリペアージュ」のいずれもが、同書、同大、同間隔にて書され、構成全体として一体不可分として構成されているもので、構成文字全体として特定の意味を持たない一体不可分の造語として理解されるとみるのが自然であると考える。
また、そのように考えなければ、当該審決とは矛盾を生じることとなり、審理において客観的で安定的な判断がなされていないということにもなってくるものと思われる。
以上より、本願商標「NIGHTREPAIRGE\ナイトリペアージュ」は構成文字全体として特定の意味を持たない一体不可分の造語であることは明らかであり、「ナイトリペアージュ」の称呼のみを生じるものである。
一方、引用商標「REPAIRGE\リペアージュ」からは「リペアージュ」なる称呼のみが生じる。
したがって、両商標の称呼を比較すると、構成音数、語頭音が明らかに異なり、特に論じるまでもなく非類似の称呼といえる。
また、その外観、観念についても当然非類似であることから、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念を総合的に判断すると、非類似の商標であるというべきものである。
(2)使用実績
本願商標は、2006年秋に新たに発売された化粧品の1つの商品名として使用されているものです。宣伝用の広告パンフレットにおいては「ナイトリペアージュ」と片仮名文字を同書・同大・同間隔で書して、使用をしている。
かかる態様で現在まで使用を続けておりますが、現在まで需要者から引用商標が付された商品と混同して購入してしまった等の問い合わせは一切ない。
つまり、需要者は本願商標と引用商標とを混同することなく商品を購入しているのであって、いわゆる具体的な出所の混同は生じていない。
この意味からも本願商標と引用商標とは非類似であることは明らかである。
(3)結論
以上より、本願商標と引用商標とは、商品において同一の部分はあっても、その外観、称呼、観念を総合的に判断すると、非類似の商標であるものと思料する。
第5 当審の判断
本願商標は、「NIGHTREPAIRGE」及び「ナイトリペアージュ」の文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中の「NIGHT」及び「ナイト」の文字が「夜」及び「夜の,夜間(用)の」意味を有する英語・外来語として親しまれた語であり、下記の記載によれば、本願指定商品に係る商品分野においても、「夜用の商品」について広く使用されている事実が認められるから、「NIGHT」及び「ナイト」の文字は、「夜用の(商品)」であることを表す語として、取引者、需要者に広く知られているというべきである。
そうすると、「NIGHT」及び「ナイト」の文字は、本願指定商品に係る商品分野においては、単に「夜」の意味を表すというよりは、「夜用の(商品)」の意味を表す識別力の弱い語として理解されているとみるのが相当である。
そして、本願商標は、上記「夜用」の意味合いを表す「NIHGT」及び「ナイト」の文字と、造語と認められる「REPAIRGE」及び「リペアージュ」の文字とをそれぞれ組み合わせて上下二段に表した構成よりなること明らかなものであるところ、「NIHGT」の文字と「REPAIRGE」の文字、及び「ナイト」の文字と「リペアージュ」の文字とが、その意味において密接に関係する事情は見当たらず、その他、両文字を常に一体のものとして把握しなければならない格別な事情も見当たらない。
そうすると、本願商標にあっては、「NIHGT」及び「ナイト」の文字は、商品の品質を表す語として理解され、「REPAIRGE」及び「リペアージュ」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす要部として理解される場合も決して少なくないものというべきであり、本願商標からは、「REPAIRGE」及び「リペアージュ」の文字に照応して、単に、「リペアージュ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、上記2のとおり「REPAIRGE」の欧文字と「リペアージュ」の片仮名文字を上下二段に書してなるから、その構成文字に照応して「リペアージュ」の称呼を生ずるものである。
そこで、両商標の類否について比較すると、本願商標中の自他商品の識別標識としての機能を果たす要部である「REPAIRGE」及び「リペアージュ」の文字部分と引用商標とは、文字の配列を共通にするものであり、「リペアージュ」の称呼を共通とする、称呼上類似する商標というべきである。
また、両商標は、造語と認められるから、本願商標と引用商標とは、観念上比較することができない。
なお、本願の指定商品は、引用の指定商品に包含されていることは明らかである。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念を総合的に判断すると、類似する商標であるというべきである。
ところで、第4(1)で請求人が主張する、請求人の登録出願にかかる審判(査定不服2007―8653)における判断と本件の判断との関係においては、「称呼の長さ」及び「各構成文字の観念上の関連性」など、事案を異にするものであるから、直ちに本件の審判の判断に対して何らの影響を与えるものではなく、また、不均衡を生じさせるものでもない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない
よって、結論のとおり審決する。
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