Trademark Appeal Case
型式表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−3550(T2006−3550/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「OM365」の文字を標準文字で表してなり、第37類「エレベータの設置工事,エレベータの修理又は保守」を指定役務として、平成17年1月21日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、役務の種別を表示する記号、符号として普通に使用されている欧文字の2字と数字の組み合わせの1つである『OM365』を普通に用いられる方法で書してなるにすぎないものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
本願商標は、「OM」のローマ字2字と「365」の数字3桁とを一連に普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成態様は、普通に用いられる方法で表されており、かつ、全体として特定の観念を有するものとは認められないものである。
そして、ローマ文字の2文字と数字の一桁ないしは二桁以上の数字を結合した構成よりなる表示は、様々な分野の商品の品番、型式又は役務の種別、等級等を表示するための記号、符号として、取引上普通に使用されているものである。
ところで、「エレベータ」は、必ず設置工事を伴って販売され、さらにその後の修理・保守を行うにあたって機種別に部品交換等がなされることになるという特徴を有する商品である。
そして、「エレベータ」の型式、規格、品番等を表すための記号又は符号として、ローマ文字の2文字と数字の一桁ないしは二桁以上の数字を結合したものが、取引上普通に使用されていることは、以下のインターネットホームページ情報から明らかである。
(1)東芝エレベータ株式会社の運営するホームページの「製品とサービス」の「CAD・設計施工資料」の「CAD - ご利用できる範囲」中、「CAD・設計施工資料」を紹介するウエブぺージには、「2.東芝標準型エレベーター」の「形式」の項目に「SP6」「SP9」「SP11」「SP13「SP15」「SR6」「SR9」「SRT9」「SB750」「SB1000」「SP13−2S」(http://www.toshiba-elevator.co.jp/elv/common/contents/cad/limits.jsp)との記載がある。
(2)三菱電機が運営するホームページ(http://210.229.194.214/jp/html/product/axiez_b/model.html)の「三菱エレベーター・エスカレーター」を紹介するウエブページには、「AXIEZ三菱機械室レス・エレベーター」の「AXIEZ B 寝台用」の「機種一覧」の「形式」の項目に「B−750−2S−45」、「B750−2S−60」、「B750−2S−90」、「B750−2S−105」「B1000−2S−45」「B1000−2S−60」「B1000−2S−90」「B1000−2S−105」との記載がある。
(3)株式会社アイワが運営するホームページ(http://www.aiwa-elevator.co.jp/p-human.html)における「安全性・機能性を高めた乗用エレベーター」を紹介するウエブページには、「型式」の項目に「JEI−450−2S−45−RL」「JEI−450−2S−60−RL」「JEI−600−2S−45−RL」「JEI−600−2S−60−RL」「JEI−450−CO−45−RL」「JEI−450−CO−60−RL」「JEI−600−CO−45−RL」「JEI−600−CO−60−RL」「JEI−750−CO−45−RL」「JEI−750−CO−60−RL」「JEI−900−CO−45−RL」「JEI−900−CO−60−RL」との記載がある。
さらに、本願商標の指定役務は、「エレベータの設置工事,エレベータの修理又は保守」であるところ、前記したように、「エレベーター」の販売に際しては、設置工事が必ず必要であって、その後の修理又は保守を行う際にも、その機種にあった部品交換等が必要となるために、当該エレベータを製造した会社自身がその役務を請け負うことも多く、そうでない場合であっても対象となるエレベータの機種についての情報が不可欠なものであることから、該役務の提供にあたり、当該エレベータの型式、規格、品番等を表すための記号又は符号についての情報が併せて提供される場合が決して少なくないことは、以下にあげるインターネットホームページの情報から明らかである。
(4)株式会社オリエンタル工芸社が運営するホームページ(http://www.orientaru.co.jp/elevator_01.html)には、「エレベーター昇降機・エレベーター部品製造 エレベーターのリフォーム及びメンテナンス一般」と記載があり、そのウエブページには、「エレベーター用カゴ内操作盤(乗用・荷物用・人荷用・寝台用)」の見出しのもと「ボタン面の文字デザインやLED色の変更も可能です。もちろんアイディア次第でエレベーター用以外にも利用できます。ぜひご相談ください。ボタンはコネクタ方式・AC/DC共通で24Vが標準です。電圧はAC/DC6.3V〜100Vまで変更可能です。」の記載と共に「カゴ内操作盤1:製作例」の下に「SUS304 ヘアライン仕上げ/使用ボタン:OY釦」、「カゴ内操作盤2:製作例」の下に「52S硬質アルミ板 アルマイトヘアライン仕上げ/使用ボタン:OR釦」の記載があり、さらに「エレベーター用乗場押ボタン」の項目には、「SUS304 ヘアライン仕上げ/使用ボタン:OM釦」との記載がある。
(5)「有限会社東昇テクノサービス」の運営するホームページ(http://www.tousyou.co.jp/elevator.html)には、「★東昇テクノサービスは松下ホームエレベータの認定施行店です。」との記載があり、さらにその下「保守・点検サービスご案内」の項目には、「3人(200kg)乗り用」の「商品名」の項目に「カスタム」の表示の下に品番と思しき「FX1416」及び「FX1414」及び、「2人乗り用又h余裕の1人乗り(130kg)」の「商品名」の項目に「パーソナル 1208HS」及び「パーソナル 0812HS」との記載がある。
そうすると、「OM365」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務について使用しても、これに接する需要者は、単にこれを役務の用に供するものである「エレベータ又はその部品または附属品」の型式、規格、品番等を表示したものと理解するとみるのが相当であるから、これをそのいずれの指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
なお、請求人は、本願商標と同様のものは、商標審査基準に記載されていないから、本願商標は一種の造語として認識され、自他役務の識別標識として機能を発揮し得る旨主張しているが、商標審査基準に示されているのは、条文に該当する例をいくつかあげているにすぎないものであるから、ここに記載されていないことをもって、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当しないとはいえないものである。
また、請求人は、過去の登録例をあげ、本願も同様に登録されるべきである旨主張しているが、前記登録例は、指定商品の分野が、本願の指定役務の分野とは異なるものであり、これを本願の判断基準とすることはできない。
さらに、請求人は、本願商標は、流通過程においても、需要者、取引者に役務の記号、符号の表示として普通に使用されていない旨主張するが、当該商標が登録できるものであるかどうかは個別に判断されるべきであり、本願商標については、前記のとおり判断するのが相当であって、他に本願商標がその役務を取り扱う業界において、請求人の役務を表示するためのものとして、一般の取引者、需要者の間に認識されているものとなっていると認めるに足りる証拠は見出せない。
よって、上記請求人のいずれの主張も採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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