Trademark Appeal Case
称呼類似と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900211(T2007−900211/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5020717号商標(以下「本件商標」という。)は、「エスプリレスキュー」の片仮名文字と「ESPRIT RESCUE」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成17年11月29日に登録出願され、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として同19年1月26日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次の(1)ないし(3)のとおりである(以下まとめて「引用商標」という。)。
(a)登録第473625号商標は、「エスプリ」の片仮名文字と「Esprit」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和30年2月5日に登録出願され、第3類「香料及び他類に属しない化粧品」を指定商品として、同30年11月30日に設定登録されたものである。
指定商品については、平成19年10月17日に書換登録により、第3類「香料類(薫料・香精・天然じゃ香・芳香油を除く。),吸香,におい袋,香水類,フケ取り香水,髪膏,おしろい,化粧下,メイクアップパウダー,スキンローション,乳液,粘液性化粧水,ハンドローション,ひげそり用化粧水,薬用化粧水,クリーム,クレンジングクリーム,コールドクリーム,ハイゼニッククリーム,バニシングクリーム,ハンドクリーム,ひげそり用クリーム,日焼けクリーム,日焼け止めクリーム,漂白クリーム,ファウンデーションクリーム,薬用クリーム,リップクリーム,アイシャドウ,タルカムパウダー,ネイルエナメル,ネイルエナメル除去液,バスオイル,バスソルト,パック用化粧料,ベビーオイル,ベビーパウダー,マスカラ」と書換られた。そして、この商標権は、昭和52年10月3日、同61年2月19日、平成8年10月30日、同17年8月16日の4回に亘り存続期間の更新登録がされて現に存続中である。
(b)登録第3298421号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成5年6月30に登録出願され、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同9年4月25日に設定登録されたものである。そして、この商標権は同19年4月24日に存続期間の更新登録がされて現に存続中である。
(c)登録第4749666号商標は、「ESPRIT」の欧文字を横書きしてなり、平成11年11月22日に登録出願され、第3類「化粧品(着色用化粧品・日焼け用化粧品を除く。),せっけん類,香料類」及び第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」を指定商品として、同16年2月20日に設定登録されたものである。そして、この商標権は現に存続中である。
(2)商標法第4条第1項第11号について
(a)本件商標は、下段の「ESPRIT」と「RESCUE」との間が離間した構成からなり、一体に表記されているものでなく、後半の語は本件指定商品、特に被服との関係では特段識別力の強いものではない。そして、該語は類比判断において比重が語頭に比べて低い語尾に配置されており、両語間に観念的な繋がりがないから、「エスプリ」の称呼が生じる。
したがって、「エスプリ」の称呼が生じること明らかな引用商標とは称呼を同一にする類似の商標であり、上記引用商標との関係で第25類に属する指定商品に関し商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
(a)申立人は、米国ニューヨーク州に所在し、1968年に米国で創業以来、米国のみならず日本を含む世界各国において、商標「ESPRIT」を登録、使用してきた。その結果、本件の商標登録出願時点前から引用商標は申立人の商標として周知著名なものとなっている。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼において類似していることから、混同を生じるおそれがあり、第25類に属する指定商品に関し商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、その構成に係る上段の片仮名文字と下段の欧文字の文字は同書、同大に外観上まとまりよく一体的に看取されるものであり、しかも、これより生じる「エスプリレスキュー」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものであるから、かかる構成にあっては、本願商標に接する取引者、需要者をして、殊更に「レスキュー」又は「RESCUE」の文字部分を省略して、「エスプリ」又は「ESPRIT」の文字部分のみに着目し、当該文字部分より生ずる称呼をもって取引に当たるというよりも、むしろ、その構成全体をもって一体不可分のものと認識、把握し、取引に当たるものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標から「エスプリ」の称呼を生ずるとし、その上で本件商標と引用商標とが称呼上類似するものであるとする申立人の主張は、前提を欠き理由がないといわざるを得ず、他に、本件商標と引用商標とが称呼上類似するものであるとすべき理由を見いだすことができない。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観及び観念においても相紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても類似するところのない非類似の商標といわなければならないから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、上述のとおり、各文字一連に全体としても一体的に看取され、また、特定の観念を生じない商標であって、引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれにおいても類似することのない別異の商標といえるものである。また、申立人の提出に係る甲第1号証ないし甲第4号証(登録商標のIPDL打ち出し写し、商標審査基準等)によっては、商標「ESPRIT」を如何なる商品に何時頃使用しその継続的使用を立証するものでなく、本件商標の登録出願時点前から引用商標は申立人の商標として周知著名なものとなっているとの主張は俄に認めることはできない。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起することはないから、該商品が申立人又は同人の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生じるおそれはないものというのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持することとする。
よって、結論のとおり決定する。
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