Trademark Appeal Case
図形商標の称呼・外観類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900371(T2007−900371/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5044790号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成18年9月21日に登録出願され、第18類「かばん類,傘,皮革」及び第25類「被服,ベルト,履物」を指定商品として同19年4月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4978932号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、平成14年10月29日に登録出願、第25類「被服,履物,運動用特殊靴」を指定商品として同18年8月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、ともに「H」と「M」からなる商標と理解され、「エイチエム」あるいは「エッチエム」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品も抵触するものであるから、本件商標は、その指定商品中、第25類に属する商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、「エイチエム」あるいは「エッチエム」の称呼を共通にする引用商標と類似の商標であり、引用商標が外国及び国内で周知著名な商標であることを知りつつ不正の目的をもって使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
(4)商標法第4条第1項第15号について
本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、「H」の文字の右側の縦線と「M」の文字の左側の縦線を共通にし、「H」の左側の縦線の右側中央部分を鋭角に切り欠き、該切り欠いた部分の下方から右上に向かって2つの横長四辺形状の図形を配した特異な構成からなるものである。
しかして、本件商標は、「H」と「M」の欧文字を組み合わせたモノグラム図形よりなると看取されるものであるとしても、特定の親しまれた既成の観念を想起させる事物、事象を表すとみるべき格別の事情も見出せないものであって、これより直ちに特定の文字を認識し、該文字より生ずる称呼をもって取引に資されるとはものとは認め難いものであるから、既成の親しまれた称呼及び観念を生じないものというべきである。
一方、引用商標は、別掲(2)に示すとおり、「H」と「M」の欧文字を筆字風に表し、その間に両文字の四分の一程度の大きさの「&」の記号を配した構成よりなるところ、その構成全体からは「H&M」の文字を表したものと容易に認識、理解されるものであるから、「エイチアンドエム」の称呼を生ずるものというべきである。
そうすると、特定の称呼及び観念を生じ得ない本件商標と上記称呼を生ずる引用商標とは、称呼及び観念において明らかに区別することができるものであり、外観においても、判然と区別し得る顕著な差異を有するものであるから、時と所を異にしても相紛れるおそれはないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第19号について
上記(1)のとおり、本件商標は、引用商標とは外観における顕著な差異を有するから判然と識別でき、両者は称呼及び観念においても互いに相紛れるおそれのない別異の商標であるというのが相当であり、さらに、申立人が提出した証拠によって、商標権者が不正の利益を得たり、又は、引用商標の名声を毀損させるなど不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人が提出した証拠によると、本件商標の登録出願時において、引用商標が、同人の業務に係る商品「婦人服、紳士服」等を表示する商標としての取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標と引用商標とは上記のとおり、非類似の商標であって別異のものというべきであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が申立人の引用商標を想起するものとはいえないものであり、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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