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Trademark Appeal Case

ペンギン観念の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900395(T2007−900395/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5047084号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5047084号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成18年11月17日に登録出願、第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同19年4月13日に登録査定、同年5月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人デ・ロンギ・アプライアンセズ・エス・アール・エル(以下「申立人」という。)が本件商標についての取消理由に引用している登録第3330382号商標(以下「引用商標」という。)は、「PINGUINO」の欧文字を横書きしてなり、平成6年5月11日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年7月11日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、ペンギンを模した図形部分から「ペンギン」の称呼及び「ペンギン」の観念をも生じるものであり、他方、引用商標は、「ピングイーノ」あるいは「ピンギーノ」と称呼され、「ペンギン」の観念を生じるものであるから、両商標は「ペンギン」の観念において共通のものである。

そして、申立人は、イタリアの家電メーカーであり、申立人の業務に係る多目的に使えるシングルユニットのポータブルエアコンディショナーは、「PINGUINO」の商標のもとに、そのユニークな形態の空調設備ということで脚光を浴び、これを機に、申立人は、キッチン家電全般を取り扱う総合家電メーカーとして世界No.1の生産実績を上げ、先進の技術で人と地球環境に配慮した製品作りに努めるヨーロッパ最大の家庭用暖房器具メーカーとなり、欧米を中心とした世界各国並びに日本において(1995年に「デロンギ・ジャパン」を設立)、周知・著名となっているものである(甲第3号証ないし甲第14号証)。

してみれば、本件商標がその指定商品について使用された場合には、当該商品は、申立人の業務に係る商品であるかの如く認識され、あるいは申立人と経済的又は組織的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤認され、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。

(3)商標法第4条第1項第7号について

上記の如き事情のもとになされた本件商標の登録は、申立人の名声にフリーライドして不正な利益を得るために使用する目的をもって、あるいは、その他不正な意図をもってなされたものと認められるから、商取引の秩序を乱すものであり、ひいては国際信義に反するものであるから、公序良俗を害する行為というべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものである。

(4)よって、本件商標の登録は取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、別掲に示したとおりの構成からなるところ、その構成中の図形部分は、ペンギンをモチーフにしているとしても、正面を向いた立ち姿にして、目や口などがかなりデフォルメして描かれており、向かって右側の羽を手の如くに挙げてディスク状のものを持ち上げているように表されているものであって、全体としてやゝ擬人化された特徴のある一種独特な構成の図形として表現されているものということができる。

そうとすれば、本件商標からは「ペンギンハウス」の称呼を生ずるものであって、上記の如き構成からみて、本件商標の図形部分からは、直ちに特定の称呼及び観念を生ずることはないものとみるのが相当である。

他方、引用商標は、前記のとおり「PINGUINO」の欧文字からなるところ、該語がイタリア語で「ペンギン」の意味を表す語であるとしても、我が国において、広く知られた語とはいい難いから、引用商標から直ちに「ペンギン」の観念を生ずるものということはできない。

そうとすれば、本件商標と引用商標とが「ペンギン」の観念を共通にする類似の商標である旨の申立人の主張は採用できない。

その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人の提出に係る証拠によれば、申立人の略称と認められる「Delonghi/デロンギ」の商標が一定程度知られていたことは認められるとしても、提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願時ないし登録査定時において、「PINGUINO」の文字からなる商標が「ポータブルエアコンディショナー」について使用され、我が国において広く認識されていたものと認めるに十分なものとはいえない。

しかも、本件商標の指定商品中には、家庭用や業務用の空気調和装置等は含まれていない。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

(3)商標法第4条第1項第7号について

本件商標と引用商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標が引用商標の信用にフリーライドすることを意図して出願されたものとはいい難く、不正の意図をもってなされたものとも認められない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号に違反してされたものとは認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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