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Trademark Appeal Case

周知商標と図形類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900398(T2007−900398/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5047929号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5047929号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成18年9月14日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同19年4月2日に登録査定、同年5月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人株式会社長谷工コーポレーション(以下「申立人」という。)は、下記の3件の商標を引用している(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)。

(a)登録第3081629号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成4年8月31日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年10月31日に設定登録されたものである。

(b)登録第3309971号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成5年12月10日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同9年5月23日に設定登録されたものであるが、同19年5月23日商標権の存続期間が満了し、その抹消登録が同20年1月30日になされ閉鎖となっているものである。

(c)登録第3309972号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成5年12月10日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同9年5月23日に設定登録されたものであるが、同19年5月23日商標権の存続期間が満了し、その抹消登録が同20年1月30日になされ閉鎖となっているものである。

3 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標1と外観において類似するばかりでなく、引用商標1は申立人のいわゆるハウスマーク(以下「長谷工のマーク」という。)として本件商標の指定役務である不動産業務の分野の取引者・需要者の間で広く認識されるに至っているものであり、この周知・著名な引用商標1の構成を一部に有する引用商標2及び引用商標3とも外観において類似するものである。

そして、本件商標と引用各商標とはいずれも建物の管理を含む不動産業務を指定役務としており、指定役務において同一又は類似であることは明らかである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、その出願時及び査定時の双方において、不動産業務の取引者・需要者に広く認識されている商標である「長谷工のマーク」と類似するものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、不動産業務に限らず、広い業務範囲において関連会社ないしグループ会社を擁しており、かつ、その業務活動においては「長谷工のマーク」を統一して用いている。かかる状況において、長谷工グループとは何らの関係も有さない商標権者が本件商標をその業務において使用をすれば、それが申立人或いはそれと何らかの組織的、資本的関係のあるものの業務にかかる役務であるかの如く混同を生ずるおそれがある。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

商標権者は、申立人との交渉過程において、申立人の業務との混同可能性を認識し、一旦はその商標の使用を取り止めることを検討したにもかかわらず、本件商標の登録を奇貨として、一般需要者に混同を起こさせることを顧みず、申立人の登録商標であり、かつ、周知著名な引用各商標と類似する態様において使用を行っている。

かかる標章の使用は、公正競争秩序に著しく反するものであり、また、申立人が永年の努力により築き上げてきた業務上の信用にフリーライドすることにより不正な利益を得ることを目的としたものであることは自明である。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当する。

(5)したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(1)に示したとおり、図形と「NANYO」の欧文字からなるところ、該図形は、中央に黒塗りの円図形を表し、その左右に、この黒塗りの円図形に接するように、およそ3倍弱の高さの黒塗りの直角三角形を配したものであるが、その直角三角形の配置は、いずれも斜辺部分が外側になるようにして、他の辺のうちの短い辺が、左側の直角三角形にあっては下部に、右側の直角三角形にあっては上部になるように配されているものである。

他方、引用商標1は、別掲(2)に示したとおり、中央に赤色の円図形を表し、その左右に、この赤色の円図形に接するように、およそ3倍弱の高さの図形を配したものであるが、左側には紫色の長方形を表し、右側には緑色にして頂角が上部になるように表された二等辺三角形を配してなるものである。

また、引用商標2及び3は、別掲(3)及び(4)に示したとおり、長方形内に表された各種図形要素の一つとして、引用商標1と同じ構成の図形が配されているものである。

そこで、本件商標の図形部分と引用商標1の図形とを比較するに、上記したとおり、本件商標は、黒塗りの円図形の左右に、上下が互い違いになるように表された黒塗りの直角三角形から構成されているのに対して、引用商標1は、赤色の円図形の左右に、紫色の長方形と緑色の二等辺三角形を配した構成からなるものである。

そうとすれば、両商標の図形は、ともに中央部分に円図形を配したという構成において共通性を有しているとしても、その他の構成要素や色彩の有無において明らかな差異を有しており、この差異は、比較的簡潔な構成からなるこれら図形の外観に与える影響は大きく、図形全体から受ける視覚的印象も異にするものであるから、これらを時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において紛れるおそれはないものといわなければならない。

また、本件商標は、「ナンヨー」の称呼を生ずるほか、その図形部分からは特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、本件商標と引用商標1とは、称呼及び観念の点については比較すべくもないものである。

そして、本件商標と引用商標2及び3とは、その全体の外観については全く別異のものであり、引用商標2及び3に含まれている引用商標1と同じ構成の図形とを比較してみても、上記したとおり、十分区別し得る差異を有しているものである。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第10号について

本件商標と引用各商標(申立人の使用に係る引用商標1と同様の商標を含む)とは、いずれも非類似の商標と認められるものであるから、その余の要件について検討するまでもなく、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するものとする申立人の主張は採用できない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る証拠によれば、特に引用商標1が申立人の業務に係る役務の商標として永年に亘って使用されてきた事実は認められるとしても、上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。

(4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

申立人の提出に係る甲第9号証によれば、商標権者が実際に使用している商標は、図形と「NANYO」の欧文字からなる商標ではあるが、文字部分は黒色で表されているものの、図形部分については、円図形は赤色で表されており、左側の直角三角形は緑色に着色され、右側の直角三角形は濃青に着色されているものであって、引用商標1との関係についてみた場合、申立人の主張を一概には否定出来ないところがある。

しかしながら、この点についての申立人の主張は別途の法条により解決すべき事柄であり、本件商標について出願し、登録を受けたことが直ちに、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当するものとはいい難い。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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