Trademark Appeal Case
要部抽出と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900404(T2007−900404/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5047848号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成18年7月21日に登録出願、第6類、第7類、第11類、第17類及び第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年4月16日に登録査定、同年5月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、現に有効に存続している以下の2件の商標を引用している(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)。
(a)登録第1420458号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、昭和42年1月5日に登録出願、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、同55年6月27日に設定登録されたものである。
(b)登録第746293号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、昭和40年10月8日に登録出願、第12類「自動二輪車、自動車およびこれらの部品並びに附属品」を指定商品として、商標法第3条第2項適用により、同42年6月29日に設定登録されたものであり、指定商品については、その後、平成19年11月28日に指定商品の書換登録により、第9類、第12類及び第13類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
3 登録異議の申立ての理由(要点)
本件商標は、欧文字の「S」を丸で囲った図形の横にセリフを有する欧文字「ONDA」を水平方向のロゴタイプに組んで成るものである。
一方、引用商標1は、羽根マークと欧文字「HONDA」からなり、引用商標2は、欧文字「HONDA」からなるものである。
本件商標と引用各商標とを比較すると、本件商標構成中の「ONDA」のロゴ態様は、引用商標1及び2のロゴの「H」を除いた部分と同一あるいは同一視できるものである。
商標の類否は、外観・称呼・観念の三点観察を中心として総合的に判断するものとされており、一般的には、称呼上の類否が重要視されるが、引用各商標のように、外観においても識別性を有する商標については、外観の類似を否定することはできない。
本件における称呼類否は別としても、外観上の類似は強烈なインパクトがあり、総合すれば、両商標は類似すると判断せざるを得ないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違背するものである。
また、「世界の本田」と称される世界的企業のCIである「HONDA」のロゴマーク構成中の八割を取り込んで、あえて同一のロゴ態様を用いることは、社会の一般的道徳観念にも反するから、商標法第4条第1項第7号に該当し、「HONDA」のロゴマークに近似させんとする意思が推量され得る点からは、同第19号にも違背するものである。
更に、本件商標のような態様の商標を採用することは、引用商標権者と何らかの経済的又は組織的関係があると誤認し、商品の出所について混同を生じさせるおそれを否めないため、商標法第4条第1項第15号にも違背するといえる。
したがって、本件商標は、引用商標1との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当し、引用商標1及び2との関係において、同第7号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標1及び2との類否について
本件商標は、別掲(1)のとおり、アルファベットの「S」を丸で囲った図形と「ONDA」の文字からなるところ、その構成中の「ONDA」の文字部分も独立して看取し得るものであるから、該文字に相応して「オンダ」の称呼を生ずることは否定できないところである。しかしながら、「ONDA」の文字部分は、「恩田」等の氏姓をローマ字をもって表記したと認められるものであり、「恩田」姓は、例えば、株式会社新人物往来社発行の「歴史読本/特集 日本の姓氏(昭和59年12月号)」によれば、全国4000姓氏中の第523位にランクされるものであって、該文字自体の識別力は決して強いものとはいえない。
他方、引用商標1は、別掲(2)に示したとおり、羽根を丸で囲った図形と「HONDA」の文字からなるものであるから、該文字に相応して「ホンダ」の称呼を生ずるものであり、また、引用商標2は、別掲(3)に示したとおり、「HONDA」の文字を書してなるものであるから、該文字に相応して「ホンダ」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標において、識別力が強いとはいえないとはいえ、ローマ字部分から生じ得る「オンダ」の称呼と引用各商標から生ずる「ホンダ」の称呼とを比較するに、この両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音において、「オ」と「ホ」の音の差異を有するものであるから、この音の差異は、いずれも3音という短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。
また、本件商標と引用各商標とは、全体の外観において顕著な差異を有するばかりでなく、両商標のローマ字表記部分のみを比較してみても、その書体が同一視できる程のものではあるが、印象の強い語頭の文字において「H」の文字の有無という顕著な差異を有しており、全体の文字数も4文字と5文字という比較的短い文字数であることをも併せみれば、両者の外観を見誤ることはないものというべきである。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見いだせない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標の指定商品中には、引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品を含んではいるが、上記のとおり、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものということはできない。
(3)商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号について
上記のとおり、本件商標と引用各商標とは十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標を出願し、登録を受けたことが直ちに社会の一般的道徳観念に反するものとまではいい難く、不正の目的をもって使用をするものとも認められない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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