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Trademark Appeal Case

称呼類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900407(T2007−900407/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5050307号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5050307号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成18年12月5日に登録出願され、第14類及び第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年5月25日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4277795号商標は、「FRED」の文字を横書きしてなり、平成10年1月6日に商標出願され、第9類及び第14類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成11年5月28日に設定登録されたものである。同じく登録第2271372号商標は、やや図案化された「FRED」の文字を横書きしてなり、昭和61年6月17日に商標出願され、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成2年10月31日に設定登録され、その後、平成12年10月31日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成14年3月13日に指定商品を第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製のコンパクト」とする書換登録がされているものである。

以下、これらを一括して「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由の要点

申立人は、本件商標の指定商品中第14類「貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」(以下「本件商品」という。)についての登録を取り消すべき旨主張し、その理由を要旨以下のように述べている。

(1)本件商標は、その構成中に申立人の著名な略称たる「FRED」の文字を含むものであって、申立人の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(2)本件商標と引用商標とは称呼上類似する商標であり、かつ、本件商品は引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)本件商標は、申立人が商品「身飾品、時計」等について使用する商標として著名になっている引用商標と酷似するものであり、かつ、本件商品は引用商標が著名性を獲得している商品等と同一又は類似のものであるから、本件商標が本件商品に使用された場合には、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)本件商標の商標法第4条第1項第8号該当性について

(ア)申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、モダン・ジュエリー・クリエーターとして知られるフレッド・サミュエルによって1936年に創設された仏国法人であり、一般に「FRED(フレッド)」と略称され、高名な映画スターを顧客としたり映画作品やアーティストのためにオリジナルジェエリーを製作してきたこと、現在は高級宝飾店の老舗として世界中に店舗を構えていること、引用商標を使用した「身飾品、時計」等は申立人の略称と共に、各種雑誌等のメディアにおいて頻繁に紹介されていること、などが認められるところからすると、本件商標の登録出願時には既に、申立人の略称たる「FRED」及び引用商標は、取引者・需要者の間に広く認識されていたものといえる。

(イ)一方、本件商標は、別掲のとおり、親しまれた既成の事物・事象を現したものとはいい難い幾何図形と図案化された「FREDDY」の文字とからなるものであり、全体が調和のとれた一体的な印象を与えるものである。さらに、該「FREDDY」の文字は、欧米の男性名として知られる語であって、一連一体のものとして認識し把握されるものであり、殊更これを「FRED」と「DY」とに分離分断して看取されるべき理由は見出せない。

そうすると、本件商標に接する取引者・需要者が、その構成中の「FREDDY」の文字部分から「FRED」の文字部分のみを捉え、申立人を想起したり、申立人の著名な略称が含まれていると認識し把握するようなことは、考え難く、むしろ不自然というべきである。

したがって、本件商標は、申立人の著名な略称を含むものではないから、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。

(2)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、上記(1)(イ)のとおり、全体として調和のとれた一体的な印象を与えるものであるが、構成中の幾何図形は直ちに特定の称呼及び観念を生ずるとはいい難いので、読みやすい「FREDDY」の文字部分を捉え、これより生ずる称呼をもって取引に資される場合も決して少なくないというべきである。そうすると、本件商標は、上記文字部分より「フレディ」の称呼を生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「フレッド」の称呼を生ずるものである。

しかして、本件商標から生ずる「フレディ」の称呼と引用商標から生ずる「フレッド」の称呼とは、後半部分において「ディ」と「ッド」の音を異にしており、しかも、相違する「ディ」の音は外来音であってしばしば「デー」の如くに発音・聴取されるのに対し、「ド」の音は舌尖を上前歯のもとに密着して破裂させる有声子音(d)と母音(o)との結合した音節であり、両者は母音を異にするばかりでなく、前者は全体として簡潔ないしは平坦に発音されるのに対し、後者は、第2音「レ」が促音を伴い強く発音され、「フレッ・ド」の如く段落があるかのように発音・聴取されることから、これらの差異が比較的短い音構成からなる全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは全体の音調・音感は異なったものとなり、明瞭に区別することができるものである。

そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。また、本件商標は、全体としては親しまれた既成の観念を想起し難いものであるし、「FREDDY」の文字部分から欧米の男性名を想起したとしても、引用商標とは観念上識別することができるものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(3)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について

引用商標が申立人の業務に係る商品「身飾品、時計」等について使用する商標として取引者・需要者間に広く認識されているとしても、前示のとおり、本件商標と引用商標とは類似するところのない別異の商標であるから、本件商標を本件商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者が引用商標ないしは申立人を連想・想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は、本件商品について、商標法第4条第1項第8号、第11号及び第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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