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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「称呼の音質と発音の相違」の商標審決・判断理由(審判番号:平成9年審判第16435号|拒絶査定取消・登録)

審判番号
平成9年審判第16435号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「AS−PART」
争点(論点)
称呼の音質と発音の相違
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判平成9年審判第16435号・不服)は、本件商標と引用商標「AS−PART」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の音質と発音の相違」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「アルパート」の片仮名文字と「ALPART」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第6類「樹脂と組み合わせてなる建築用又は構築用の金属製専用材料」を指定商品として平成7年10月6日に登録出願されたものである。

第2 原査定の引用商標

原査定が本願商標につき拒絶の理由に引用する商標登録第838245号に係る商標(以下、「引用商標」という。)は、「AS−PART」の欧文字と「アスパート」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、昭和43年5月10日登録出願、第7類「建築又は構築専用材料、セメント、木材、石材、ガラス」を指定商品とし、昭和44年11月21日設定登録、昭和55年12月23日、平成2年2月19日、平成11年6月29日商標権存続期間の更新登録がされたものである。

第3 請求人の主張

1 請求の趣旨

結論同旨の審決

2 請求の理由

(1)本願商標と引用商標は、第2音において「ル」と「ス」の音が相違し、母音を共通するが、「ル」は強音であり、「ス」は弱音である点で違いがある。この強弱の音の差異は母音が共通するとしても比較的近似した音であるとは言えない。そして、本願商標にあっては一連に称呼するとき「ル」は強く明瞭に発音されるのに対し、引用商標にあっては「ス」は第1音「ア」と第3音「パ」の音の間にあって「ア」に吸収され、あたかも「アパート」のように称呼される。してみれば、両称呼は全体として捉えてみれば、音調を異にし、混同を生じることはない。

(2)本願商標と引用商標はその態様からみて外観上からも非類似である。

観念の点においても、両者共に特有の観念を有しないから非類似である。

(3)よって、本願商標は引用商標とは非類似であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

第4 当審の判断

そこで、本願商標と引用商標の類否について検討する。

(1)本願商標

本願商標は、「アルパート」の片仮名文字と「ALPART」の欧文字を上下二段に横書きしてなるものであるところ、片仮名文字、欧文字の各文字はいずれも同一の書体、同一の大きさ、等間隔で外観上まとまりよく一体として表示されているものであって、特定の語義は生じないものであり、その構成文字に相応して「アルパート」の称呼が生ずることは明らかである。

(2)引用商標

引用商標は、「AS−PART」の欧文字と「アスパート」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、その欧文字の構成は前半の「AS」と後半の「PART」の文字とをハイフンで連結してなるものである。そして、引用商標は、特定の語義は生じないものであり、その構成文字に相応して「アスパート」の称呼が生ずることは明らかである。

(3)両商標の比較

両商標の構成態様前記したとおりであり、本願商標及び引用商標の構成中の片仮名文字部分については、欧文字部分の読みを特定するために表示されたものであるから、取引者、需要者に商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分は欧文字部分にあるものと認められる。そうすると、本願商標の「ALPART」と引用商標の「AS−PART」とは、ハイフンの有無等により両者の外観上の印象は相違するものである。

次に、本願商標より生ずる「アルパート」と引用商標より生ずる「アスパート」の称呼を比較すると、両称呼は、長音を含む5音構成であり、冒頭音「ア」と第3音以下「パート」の音を共通にするが、第2音において「ル(ru)」と「ス(su)」の音が相違する。「r」の音は舌先を硬口蓋に近づけ舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音(弾音)であり、「s」の音は舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦子音であり、両音の子音の音質は相違する。また、両商標の前記した外観における視覚的相違からみて、本願商標は「アルパート」と一気一連に称呼されるのに対し、引用商標は「アス・パート」のように「アス」と「パート」との間で一拍置いて称呼され易いものと認められる。そして、両称呼が全体として5音構成でさほど長い称呼ではないことを併せ考慮すると、子音の音質の相違及び発音の相違が全体の称呼に与える影響は決して少なくないものというべきである。

そうすると、両称呼を一連に称呼するときは、両者は、聞き誤るおそれはなく、称呼上聴別できるものである。

また、両商標は、いずれも特定の語義は生じないこと前記のとおりであるから、観念については比較することはできない。

以上、本願商標と引用商標における外観、観念、称呼を総合すると、両商標は、観念においては比較することができないが、外観及び称呼において互いに紛れるおそれのないものであって、全体として出所の混同を生ずるおそれはなく、類似する商標ということはできない。

したがって、本願商標と引用商標とが称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当すると判断した原査定は誤りであり、取り消しを免れない。

その他、本願について拒絶をすべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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