Trademark Appeal Case
称呼・外観類似と周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900422(T2007−900422/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5050678号商標(以下「本件商標」という。)は、「スケッチ」及び「SKETCH」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成18年10月6日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年6月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次の3件である。
ア 登録第3116900号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SKECHERS」の文字を書してなり、平成5年1月7日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年1月31日に設定登録され、その後、同17年8月30日に商標権の存続期間の更新がされたものである。
イ 登録第4258191号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成6年8月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月2日に設定登録されたものである。
ウ 登録第4590167号商標(以下「引用商標3」という。)は、「SKETCHERS」の文字を標準文字としてなり、平成13年11月7日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年7月26日に設定登録されたものである。
(2)理由の要点
本件商標は、以下のアないしエに該当し、その登録を取り消されるべきものである。
ア 第4条第1項第11号該当
本件商標から生じる称呼「スケッチ」は、引用商標1ないし3から生じる称呼「スケッチャーズ」と「ス」「ケ」「ッ」「チ」の4音を共通としているため全体的に混同を生ずる程度に称呼上類似し、また、引用商標1及び2とは「s」「k」「e」「c」「h」の5文字を共通とし、また引用商標3とは「s」「k」「e」「t」「c」「h」の6文字を共通とし外観上類似しているため、本件商標と引用商標1ないし3とは全体として相紛らわしく、類似である。そして、指定商品も抵触している。
イ 第4条第1項第10号該当
本件商標は、申立人の商号である引用商標1ないし3と極めて近似している商標である。そして、引用商標1ないし3は、米国を中心として世界中で周知・著名性を博するに至った「履物,運動用特殊靴,被服」その他のブランドである。引用商標1ないし3は日本国内及びアメリカを中心とする全世界において、需要者の間で「履物,運動用特殊靴,被服」等について広く知られるにいたっている。
もし、引用商標の一部である「SKE(T)CH/スケッチ」の商標が本件指定商品に含まれる「履物,運動用特殊靴,被服」その他に使用されれば,消費者が出所を混同するおそれがある。本件商標はその出願前に周知となっている申立人のこれらの商標と類似する。
ウ 第4条第1項第15号該当
申立人の商号商標「SKECHERS」の当業界及び「履物,運動用特殊靴,被服」その他の需要者層における周知・著名性の度合いに鑑みれば、引用商標の主要部たる「SKE(T)CH」の語より構成される本件商標がその指定商品に使用された場合には、その出所について重大な誤認・混同を惹起する蓋然性が高い。
エ 第4条第1項第19号該当
申立人の商号商標「SKECHERS」は当業界及び「履物,運動用特殊靴,被服」その他の需要者層において周知・著名性を確立しており、特に「履物,運動用特殊靴」についての著名性は、高いものである。本件商標はこの主要部を含む商標より成るものである。しかも、同業者たる商標権者は著名な申立人の商号商標やその存在を出願前に知っていた。然るに、申立人に断りもなく、申立人に関連する商品分野に本件商標の出願をしているので、出願の段階において不正な目的があったことが推認される。したがって、本件商標は他人の著名な商標と同一視しうるほどに類似するものであるから、第4条第1項第19号により、登録を認められるべきでなかった。
3 当審の判断
(1)本件商標は、その構成文字に相応して「スケッチ」の称呼を生ずるものであり、また、「スケッチ」及び「SKETCH」の語が我が国において広く一般に親しまれた英語及び外来語であるから、これより「スケッチ(写生)」の観念を生ずるものである。
一方、引用商標1ないし3は、いずれも、その構成文字「SKECHERS」及び「SKETCHERS」に相応して「スケッチャーズ」の称呼を生ずるものであり、また、「SKECHERS」及び「SKETCHERS」の文字が特定の意味を表さない造語であるから、引用商標1ないし3は特定の観念を生じさせない造語あるいは標章からなるものというのが相当である。
しかして、本件商標の称呼「スケッチ」と引用商標1ないし3の称呼「スケッチャーズ」とを対比すると、両者は、前半で「ス」「ケ」「ッ」「チ」の音を共通にするけれども、後半で「ャ」「ー」「ズ」の音の有無という明らかな差異を有するから、かかる差異によって全体としての音感が相違し、判然と区別し得るものである。
また、外観構成をみると、「SKETCH」と「SKECHERS」及び「SKETCHERS」の欧文字の比較においてみても、著しく相違するものであるから、本件商標と引用商標1ないし3とは、全体から受ける印象は全く別異のものというべきであって、外観上で相紛らわしいものとはいえない。
さらに、観念についてみると、引用商標1ないし3がいずれも、特定の観念を生じさせないものであるのに対して、本件商標は「スケッチ(写生)」の観念を生ずるものであるから、両者は観念上明確に辨別し得るものである。
してみると、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標1ないし3に類似する商標と判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)また、本件商標が引用商標1ないし3に類似する商標とは認められないものであるから、当該条項の他の要件に論及するまでもなく、商標法第4条第1項第10号及び同第19号にも該当しない。
(3)本件商標が各引用商標に類似するものといえないこと上記のとおりである。そして、本件商標を更に申立人の商標「SKECHERS」及び「SKETCHERS」と関連づけて見なければならない理由はみいだせないから、結局、両者は別異の出所を示す商標として受け止められるものというべきである。
してみると、本件商標をその出願時に指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係わる商品であるかの如く誤認するとは言い難く、商品の出所について混同するおそれがあったとすることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。