Trademark Appeal Case
称呼の特定と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900430(T2007−900430/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5052281号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年11月8日に登録出願、第16類「雑誌,新聞」を指定商品として、平成19年6月8日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4346915号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成8年11月8日に登録出願、第16類「紙類,印刷物,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。)」を指定商品として、平成11年12月24日に設定登録されたものである。
(2)登録第542443号商標(以下「引用商標2」という。)は、「さくら」の文字を縦書きしてなり、昭和33年7月31日に登録出願、第51類「文房具」を指定商品として、昭和34年9月28日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成より「サクラ」の称呼及び「さくら」の観念が生じ、外観上の観察においても、「sakura」、「サクラ」が認識されるものである。
一方、引用商標1は、書籍、雑誌の分野において、一般に広く知られている商標であり、その構成文字より「サクラ」の称呼及び「さくら」の観念が生じ、また、外観上の観察においても、「SAKURA」が認識されるものである。
したがって、本件商標と引用商標1は、称呼、観念及び外観のいずれの点においても類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
引用商標1は、前記(1)のとおり、書籍、雑誌の分野において、一般に広く知られている商標であり、本件商標とは商標において類似し、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。
また、引用商標2の使用開始時期は、大正15年からであり、その後申立人の業務に係る商品「クレヨン、クレパス」について使用され、以降継続して使用をしている商標であり、申立人のハウスマークとして業界紙等を通じて宣伝広告活動を行った結果、本件商標の登録出願時には、その指定商品の分野において著名性を獲得していたものである。
したがって、引用商標1及び2に類似する本件商標をその指定商品について使用した場合、その需要者が該商品を申立人の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、やや小さく表した「@」の記号と「sakura」の文字を一連に横書きしてなり、その下に「アット サクラ」の文字を横書きにしてなるものであるところ、上段の「@」と「sakura」は、その大きさに相違があるとしても、外観上一体的表されているばかりでなく、これらの記号と文字は、下段の「アット サクラ」の文字により、その称呼が「アットサクラ」と特定されていると理解されるものである。そして、該「アットサクラ」の称呼は、決して冗長というほどのものではなく、よどみなく称呼し得るものである。
してみれば、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと理解されるというのが相当であるから、その構成文字に相応して、「アットサクラ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、特定の観念を生じない造語を表したものといわなければならない。
したがって、本件商標より「sakura」、「サクラ」の文字部分を分離、抽出し、これを前提として、本件商標と引用商標1とが称呼、観念及び外観において類似するとする申立人の主張は理由がないというべきである。
以上によれば、本件商標と引用商標1とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
甲第17号証ないし甲第23号証(枝番を含む。)を総合しても、引用商標1が書籍について使用され、申立人の業務に係る商品はもとより、その使用権者の業務に係る商品を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前よりその需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
また、甲第28号証ないし甲第32号証、甲第34号証ないし甲第40号証(枝番を含む。)を総合すれば、引用商標2は、申立人の業務に係る商品「クレヨン、クレパス」等の筆記用具について使用され、本件商標の登録出願前より文房具関連の商品分野の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができる。
しかしながら、前記(1)認定のとおり、本件商標は、その構成中の「sakura」、「サクラ」の文字部分が独立して把握、認識されるものではなく、引用商標1とは非類似のものであり、また、引用商標2とも類似する商標とはいえない。
加えて、引用商標1中の図形や「SAKURA」の文字、若しくは、引用商標2を構成する「さくら」の文字、又はこれらより生ずる「サクラ」の称呼からは、古来より日本の国花としてわが国の国民の間に広く親しまれている「桜」が直ちに想起されるものであって、格別独創性の高いものとはいえないことを考慮すれば、引用商標2が文房具の分野で著名性を獲得しているとしても、その著名性は、文房具の範囲を超え、新聞、書籍の分野にまで及ぶものとは認めることができない。
そうすると、本件商標に接する需要者が、これより直ちに引用商標1及び2を想起又は連想するものとみることはできず、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品を申立人又は申立人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標と認めることはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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