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Trademark Appeal Case

結合商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900440(T2007−900440/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5055634号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5055634号商標(以下「本件商標」という。)は、「BOSSPERSON」の欧文字を書してなり、平成18年9月26日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成19年6月22日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

1 商標法第4条第1項第8号について

「BOSS」は、本件商標の登録出願時点である平成18年9月項にはフーゴ・ボス・アクチエンゲゼルシャフトの著名な略称になり、その状態は現在まで続いていると考えられる。したがって、本件商標は、フーゴ・ボスの著名な略称「BOSS」を含み、かつ同社の承諾を得ていないことから、商標法第4条第1項第8号に該当する。

2 商標法第4条第1項第11号について

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(ア)ないし(カ)のとおりである。

(ア)登録695865号商標は、「BOSS」の欧文字を書してなり、昭和39年3月28日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同41年1月22日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が4回にわたりなされ、さらにその後、平成18年4月5日に第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(イ)登録2190696号商標は、「BOSS」の欧文字を書してなり、昭和62年3月17日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年11月28日に設定登録され、その後、商標権の一部取消しの審判により、指定商品中「頭飾品,くし」についての登録が平成9年3月11日に取り消され、さらに、商標権の一部取消しの審判により、指定商品中「造花」についての登録が平成9年3月11日に取り消され、さらにその後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(ウ)登録2197845号商標は、「BOSS」の欧文字を書してなり、昭和62年3月17日に登録出願(優先権主張、ドイツ連邦共和国、1986.11.12)、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年12月25日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(エ)登録2708549号商標は、「BOSS」の欧文字を書してなり、昭和62年3月17日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成7年7月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらにその後、平成17年12月14日に第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(オ)国際登録第773035号商標は、「BOSS」の欧文字を書してなり、第9類、第14類、第18類、第24類、第25類及び第28類に属する国際登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2001年8月16日に国際登録、平成15年2月28日に設定登録されたものである。

(カ)国際登録第782587号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類、第18類及び第25類に属する国際登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2001年11月9日ドイツ国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2002年5月7日に国際登録、平成15年8月1日に設定登録されたものである。(以下、一括して「引用商標」という。)

(2)理由の要点

本件商標は「BOSSPERSON」と書してなるもので、前半の「BOSS」と後半の「PERSON」の2つの単語の結合であり、全体として一つのまとまった意味を有するものではない。

後半の「PERSON」は「人、人物、個性」などを表わすものとして我が国で広く知られた英語であって、一般的な「人」を表わす言葉として使用されてきたものであるから、「PERSON」の言葉は、更に頻繁に使用されてきているため印象の薄い言葉である。

上記のように前半の「BOSS」の部分はフーゴ・ボスの商標として著名であるからフーゴ・ボスを連想するため、本件商標「BOSSPERSON」からは「フーゴ・ボス製品を身に付けている人」 「フーゴ・ボスに関係のある人」というような観念が生じる。

称呼は「ボスパーソン」であるが、称呼の要部を占める語頭の「ボス」は「フーゴ・ボス」を表わすものであるから「ボス」と略称されることも多いと考えられ、また外観も「BOSS」が最も看者の注意を引く部分であり要部となる。

一方、申立人は、前記(1)の引用商標を所有しているが、これらの引用商標と本件商標とは、称呼は「ボス」で同一または類似となり、指定商品も同一又は類似の関係にあるため称呼類似である。また少なくとも平成18年9月項には、「BOSS」がこれら指定商品を取り扱う業者や需要者の間では、フーゴ・ボスを連想するものとなっていたと考えられるから、観念上及び外観上の類似も認められる。

よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に該当する。

3 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、フーゴ・ボスの著名な略称と同一または類似の部分を含むため、消費者、取引者にあたかもフーゴ・ボス又はヒューゴボスジャパンの製造販売するBOSS製品であるかのごとき意識させる可能性が高く、商品の出所の混同を生じせしめる恐れがある。

すなわち、本件商標の前半の「BOSS」は、前述のとおりフーゴ・ボスの略称である。服装業界、ファッション業界等において「紳士服、婦人服及び紳士用品、婦人用品」について広く知られた商標「BOSS」を一部にした本件商標に接した需要者、取引者は、本件商標「BOSSPERSON」がフーゴ・ボス、あるいはヒューゴボスジャパンと何らかの関係があると感じると思われる。

また、すでに述べたようにBOSS製品の宣伝ならびにフーゴ・ボスとヒューゴボスジャパンの記事は、新聞や雑誌にも頻繁に紹介されていることを考え合わせれば、一般需要者が本件商標「BOSSPERSON」を付した被服など第25類の商品に接した場合、フーゴ・ボスあるいはヒューゴボスジャパンと経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所につき混同を生じると考えられる。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号の規定に該当する。

4 商標法第4条第1項第19号について

商標権者が本件商標「BOSSPERSON」を使用した場合、「BOSS」商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等を殿損させるおそれがあることは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

5 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号若しくは同第19号に該当するため、本件商標の第25類の全ての指定商品についての登録は取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第8号について

申立人は、本件商標は、フーゴ・ボス・アクチエンゲゼルシャフト又はフーゴ・ボスの著名な略称「BOSS」を含むものであると主張している。

しかしながら、我が国では「BOSS(ボス)」の文字は、「上司、親方、組織・部署の長」等を意味する英語、外来語として広く一般的に使用されているものであって、さらに、甲第6号証の2ないし10(新聞記事)によれば、「ヒューゴ ボス ジャパン」ないしは「フーゴ・ボス・アクチエンゲゼルシャフト」を「ヒューゴ ボス」などと略称している記載は認められるものの、単に「BOSS」又は「ボス」と記載している事実は認められないし、また、使用の実状を示す甲第5号証(「BOSS」製品を販売しているショップの写真)によれば、店内に掲示された「BOSS」の文字は、全て「HUGO BOSS」の文字とのセットで表され、「BOSS」の文字が単独で使用されている事実は認められないものであり、他に「フーゴ・ボス・アクチエンゲゼルシャフト」が「BOSS」の略称として著名であると認めるに足りる証拠はない。

そして、本件商標は、外観上まとまりよく一体的に表されているものであって、その構成文字全体をもって一体不可分のものと認識され、把握されるものとみるべきであるから、他人の著名な略称を含む商標であるということはできない。

したがって、申立人のこの主張は採用できないものであり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。

2 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「BOSSPERSON」の文字よりなるところ、構成各文字は同書・同大・等間隔に全体としてまとまりよく構成されており、これより生ずると認められる「ボスパーソン」の称呼も特段冗長とはいい難いものであり、無理なく一連に称呼し得るものであるから、称呼上、一体不可分のものと認識され把握されるものとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ボスパーソン」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。

これに対し、引用商標は、いずれも「BOSS」の文字よりなるものであるか、または「BOSS」と「HUGO BOSS」との文字からなるものであるから、引用商標からは、その構成各文字に相応して「ボス」若しくは「ヒューゴボス」の称呼を生ずるものである。

してみれば、本件商標より生ずる「ボスパーソン」の称呼と引用商標より生ずる「ボス」若しくは「ヒューゴボス」の称呼とは、構成音数、音構成に著しい差異を有し、明確に聴別し得るというべきであるから、本件商標は、引用商標とは、称呼上、明らかに区別し得るものである。

また、本件商標と引用商標とは、それぞれ前記のとおりの構成態様からなるものであるから、外観上、判然と区別し得るものであり、また、本件商標が特定の語義を有しない造語であることから、観念上も比較し得ないものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれからしても、十分に区別し得る非類似の商標というべきである。

3 商標法第4条第1項第15号について

前記2で認定したとおり、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められるから、たとえ、引用商標が、申立人の取扱いに係る紳士服、婦人服等について使用され、本件商標の登録出願前よりその需要者の間に広く認識されていたものとしても(「BOSS」と称されて、広く認識されているか否かは別として)、本件商標に接する需要者が直ちに引用商標を想起又は連想することはないとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、需要者をして、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

4 商標法第4条第1項第19号について

前記2及び3のとおり、本件商標と引用商標の商標「BOSS」及び「HUGO BOSS」とは、十分に識別し得る別異の商標であり、また、請求人が提出した証拠によっては、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的など不正の目的をもって使用するものとは、認められないものである。

5 まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、第11号、第15号及び第19号のに違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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