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Trademark Appeal Case

O2の識別力と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900451(T2007−900451/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5054881号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5054881号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年9月19日に登録出願、第11類「家庭用及び業務用の浄水機能を有するアルカリイオン水生成器」、第29類「加工野菜・加工果実・うこんを主原料とする顆粒状・粉末状・錠剤状・カプセル状の加工食品」及び第32類「ボトルドウォーター」を指定商品として、同19年5月15日に登録査定、同年6月15日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

1 商標法第4条第1項第10号について

ア 商標「OASIS(オアシス)」(以下「引用標章」という。)の周知・著名性

引用標章は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が販売する「水飲み機「ウォータークーラー・ウォーターサーバー」並びに「浄水器・冷水器」について、本件商標の登録出願日である平成18年9月19日前から、我が国において周知・著名となっていたものである。

イ 本件商標と引用標章との類否

本件商標は、その構成中「O2」(「2」の数字は二分の一程度の大きさ、以下同じ。)及び「オーツー」が本件商標に係る第11類の指定商品「家庭用及び業務用の浄水機能を有するアルカリイオン水生成器」について用いられた場合、「酸素入りのアルカリイオン水を生成する機能」のような商品の機能・効果等(品質)を表示するものとして認識されるものであって、自他商品の識別力が認められないものであるから、その要部は「Oasis」「オアシス」であり、同要部と申立人の使用に係る引用標章とは、その称呼「オアシス」及び観念「砂漠で水と植生のある肥沃地;オアシス」が同一となるものである。

また、本件商標は、単に「Oasis」と「O2」を羅列させただけの商標であり、「オーツー」は「O2(酸素)」を示すものと容易に認識されるから、かかる態様に接した取引者・需要者であれば、「オアシスオーツー」の片仮名文字を、特別ひとつの商標として認識するというよりは、「OasisO2」の単なる「読み仮名」としてしか認識しないというべきである。

したがって、本件商標の構成中、「O2」の部分は、やはり単に商品の品質等表示としてしか認識されず、自他商品識別力がない部分として捨象されるものであるから、本件商標は、「Oasis」の部分が要部として認識され、引用標章とは、称呼及び観念において同一の商標である。

さらに、申立人が引用標章を付して販売している「高性能濾過器(浄水器)」、「浄水器を備えたウォータークーラー」並びに「家庭用のウォーターサーバー」と、本件商標に係る「家庭用及び業務用の浄水機能を有するアルカリイオン水生成器」とが類似することは明らかである。

以上のとおり、本件商標は、申立人に係る引用標章と類似する商標であり、かつ、本件商標に係る指定商品と当該引用標章の使用に係る商品とは類似するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号について

ア 引用標章の周知・著名性

引用標章の周知・著名性は、上記1アと同様に、申立人が販売する「水飲み機(ウォータークーラー・ウォーターサーバー」並びに「浄水器・冷水器」について、本件商標の登録出願日である平成18年9月19日前から、我が国において周知・著名となっていたものである。

イ 出所混同の可能性

まず、本件商標に係る指定商品である「家庭用及び業務用の浄水機能を有するアルカリイオン水生成器」と、申立人が製造販売する製品との近似性並びに流通経路の同一性について考察する。

本件商標に係る指定商品である「家庭用及び業務用の浄水機能を有するアルカリイオン水生成器」は、その名のとおり「アルカリイオン水」を生成する器具である。

「アルカリイオン水」とは、水を電気分解によりアルカリイオン化することで生成されるもので、毎日の飲用やスポーツ時の水分補給をはじめ、抽出力と浸透力に優れているため、お茶やコーヒー、炊飯などの調理にも効果的であるとして、近年注目を集めているものである(甲第93号証)。

かかる事実に鑑みると、「アルカリイオン水生成器」とは、水を人がおいしく口にするための器具つまりは浄水器であるから、専ら、人の飲料水用のために提供される製品である。なお、すでに述べたとおり、商標権者は、「家庭用及び業務用の浄水機能を有するアルカリイオン水生成器」を備えた「ウォーターサーバー」を製造販売している(甲第92号証)。

他方、申立人は、すでに詳述したとおり、1910年(明治42年)以来、約1世紀近くにわたり、人の飲料用の「ウォータークーラー・ウォーターサーバー」「浄水器・冷水器」等の飲水用機器類の製造販売を、世界中で行なってきた(甲第8号証)。

したがって、(a)両商品ともに人の飲料用の水を提供する商品であるということ、並びに(b)商標権者及び申立人ともに同種のウォーターサーバーを提供していること、という各事実に鑑みれば、両者が製造販売する製品は、同一又は非常に近似したものであり、それらの需要者及び流通経路も同一であるといわざるを得ない。

次に、本件商標と申立人の使用に係る引用標章との類似性については、すでに考察したとおり、本件商標の構成中「O2」、「オーツー」の語には識別力がないから、本件商標の要部は「Oasis/オアシス」であり、同要部と申立人の使用に係る引用標章とは、その称呼及び観念が同一となるものである。

したがって、本件商標の登録名義人が、本件商標をその指定商品「家庭用及び業務用の浄水機能を有するアルカリイオン水生成器」について使用した場合には、引用標章と本件商標との間に出所の混同が生じる蓋然性は極めて高いというべきである。

ウ まとめ

以上のとおり、本件商標は、それが指定商品「家庭用及び業務用の浄水機能を有するアルカリイオン水生成器」に使用された場合は、申立人に係る引用標章との間に、商品の出所について混同を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 商標法第4条第1項第11号について

(1)引用商標

申立人が本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は、次の(a)ないし(d)である。

(a)登録第1661673号の2商標(以下「引用商標1」という。)は、「オアシス」の片仮名文字を書してなり、昭和49年4月17日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年2月23日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされ、さらにその後、平成17年2月16日に、第11類「据え付け式水飲み器、その他の水飲み器(家庭用のものを除く。),飲料水冷水器(家庭用のものを除く。),飲料水浄水器(家庭用のものを除く。)」を指定商品とする書換登録がなされているものである。

(b)登録第4446159号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成10年5月14日に登録出願、第11類「ボトル式の飲料水供給装置,圧縮式の飲料水供給装置,ポイントオブユース式の飲料水供給装置,ファンテン式の飲料水供給装置,その他の飲料水供給装置及びその部品,飲料水冷却装置,加熱器」を指定商品として、同13年1月19日に設定登録されたものである。

(c)登録第4454304号商標(以下「引用商標3」という。)は、「OASIS」の欧文字と「オアシス」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、平成9年4月9日に登録出願、第11類「業務用ボトル式又は加圧式飲料水冷却装置,業務用ボトル式又は加圧式水飲み器,業務用飲料水浄水装置」を指定商品として、同13年2月23日に設定登録されたものである。

(d)登録第4537319号商標(以下「引用商標4」という。)は、「OASIS」の欧文字と「オアシス」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、平成9年4月9日に登録出願された(商願09−104824)をもとの商標登録出願とする商標法第10条第1項に基づく新たな商標登録出願として、平成12年10月31日に登録出願、第11類「電気を利用した家庭用ボトル式又は加圧式飲料水冷却装置・家庭用ボトル式又は加圧式水飲み器及び家庭用飲料水浄水装置」を指定商品として、同14年1月18日に設定登録されたものである。

(2)理由の要点

引用商標1ないし引用商標4が本件商標よりも先願に係る登録商標であること及び両者の指定商品が抵触するものであることは明らかである。

また、本件商標と引用商標1ないし引用商標4との類似性については、すでに考察したとおり、本件商標の構成中「O2」、「オーツー」の語には自他商品識別力が存しないから、本件商標の要部は「Oasis」「オアシス」であり、同要部と引用商標1ないし引用商標4とは、その称呼及び観念が同一となるものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 むすび

以上述べたとおり、本件商標は、登録異議の申立てに係る第11類の指定商品「家庭用及び業務用の浄水機能を有するアルカリイオン水生成器」について、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号により、その登録が取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、別掲(1)とおり、上段部に「OasisO2」の欧文字と数字とを等間隔で一連一体に書し、その下段部に「オアシスオーツー」の片仮名文字を同書、同大、等間隔で一連一体に書してなるものであり、これより生ずると認められる「オアシスオーツー」の称呼も一気一連に称呼し得るものである。

そして、本件商標を構成する前半部分の「Oasis」、「オアシス」の文字が、「砂漠で水と植生のある肥沃地」の意味として知られている語であり、また、「O2」の欧文字と数字とが「酸素」の意味として知られている記号であるとしても、本件商標は全体として視覚上極めてまとまりよく表されており、かつ、下段部の「オアシスオーツー」の片仮名文字が上段部分の欧文字の表音を表したものと無理なく認識されるものというべきである。

してみれば、本件商標は、各構成文字全体をもって「オアシスオーツー」の称呼のみ生じ、特定の観念を有しない一種の造語というべきであって、各構成文字中の「Oasis」と「オアシス」の文字のみ分離、抽出して観察しなければならない格別の理由は見いだせない。

これに対し、引用標章は、上記第2のとおり「OASIS(オアシス)」よりなるものであるから、その構成文字部分に相応して「オアシス」の称呼を生ずるものである。

そして、本件商標より生ずる「オアシスオーツー」の称呼と引用標章より生ずる「オアシス」の称呼は、構成音数において顕著な差異を有するものであるから、称呼上相紛れるおそれはないものである。

また、本件商標と引用標章の観念は、前記したとおり本件商標が特定の観念を有しない一種の造語である以上、両者は比較することができないものである。

さらに、本件商標と引用標章は、別掲及び前記とおりの構成よりなり、外観上十分に区別し得る差異を有するものである。

してみれば、本件商標と引用標章とは、商標において、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、たとえ、引用標章が「水飲み機、浄水器、冷水器」を表示するものとして需要者・取引者の間に広く認識されている商標であるとしても、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当しないものである。

2 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、上記1認定のとおりであって、引用標章とは、商標それ自体が異なるものとして需要者等に印象付けられるというのが相当であるから、たとえ、引用標章が「水飲み機、浄水器、冷水器」を表示するものとして需要者・取引者の間に広く認識されている商標であるとしても、本件商標に接する需要者等が引用標章を連想、想起することは極めて少ないというべきである。

してみれば、商標権者が本件商標を第11類の指定商品「家庭用及び業務用の浄水機能を有するアルカリイオン水生成器」に使用しても、該商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとはいえないものである。

3 商標法第4条第1項第11号について

上記1のとおり、本件商標は、「オアシスオーツー」の称呼のみ生じ、特定の観念を有しない一種の造語というべきであって、各構成文字中の「Oasis」と「オアシス」の文字のみ分離、抽出して観察しなければならない格別の理由は見出せないものである。

これに対し、引用商標1ないし引用商標4は、上記第2の3(1)のとおり、いずれも、「オアシス」、「OASIS」と「オアシス」の文字よりなるか、「オアシス」の文字をその構成中に有するものであるから、その構成文字部分に相応して、単に「オアシス」の称呼を生ずるものである。

そして、本件商標より生ずる「オアシスオーツー」の称呼と引用商標1ないし引用商標4より生ずる「オアシス」の称呼とは、構成音数において顕著な差異を有するものであるから、称呼上相紛れるおそれはないものである。

また、本件商標と引用商標1ないし引用商標4の観念は、上記のとおり本件商標が特定の観念を有しない一種の造語である以上、両者は比較することができないものでる。

さらに、本件商標と引用商標1ないし引用商標4は、別掲(1)及び(2)か上記第2の3(1)とおりの構成よりなるものであるから、外観上十分に区別し得る差異を有するものである。

してみれば、本件商標と引用商標1ないし引用商標4とは、商標において、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。

4 むすび

したがって、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る第11類の指定商品について、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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