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Trademark Appeal Case

造語称呼の語頭音差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第16860号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「エルメッド」の片仮名文字と「ELMED」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第32類「清涼飲料、果実飲料、飲料用野菜ジュース、乳清飲料」を指定商品として平成7年8月7日に登録出願されたものである。

第2 原査定の引用商標

原査定が本願商標につき拒絶の理由に引用する商標登録第3239641号(商願平05ー120397号)に係る商標(以下、「引用商標」という。)は、後記に表示するとおりの構成よりなり、平成5年11月30日登録出願、第32類「ビール、清涼飲料、果実飲料、飲料用野菜ジュース、乳清飲料」を指定商品とし、平成8年12月25日設定登録されたものである。

第3 請求人の主張

1 請求の趣旨

結論同旨の審決

2 請求の理由

(1)本願商標と引用商標は、外観は一見して異なり、観念も共に格別の意味を有しない造語であるから、比較することができない。

(2)本願商標は「エルメッド」の称呼を生ずるのに対し、引用商標は「デルメッド」の称呼を生ずる。両者は、第1音目の「エ」と「デ」に差異を有し、この差異音は、称呼の識別上重要な語頭音であるから、強く称呼され明確に聴取されること、清音と濁音であるから、音質、語感を異にすること、聴者の脳裏に残る音であること等により、聴者は容易に聴別できる。

(3)以上のとおり、本願商標は、引用商標と外観、観念、称呼のいずれにおいても誤認混同を生ずるおそれはなく、商標法第4条第1項第11号には該当しない。

第4 当審の判断

そこで、本願商標と引用商標の類否について検討する。

(1)本願商標

本願商標は、「エルメッド」の片仮名文字と「ELMED」の欧文字を上下二段に横書きしてなるものであるところ、片仮名文字、欧文字の各文字はいずれも同一の書体、同一の大きさ、等間隔で外観上まとまりよく一体として表示されているものであって、特定の語義は生じないものであり、その構成文字に相応して「エルメッド」の称呼が生ずることは明らかである。

(2)引用商標

引用商標は、後記のとおり上段に「デルメッド」の片仮名文字を横書きし、下段に片仮名文字に比べ約1.5倍の大きさで「DERMED」の欧文字を同一の大きさ、等間隔に横書きしたものと認められ、その欧文字の態様は前半の「DER」の文字を太く、後半の「MED」の文字を細く表示し、末字の「D」の縦線上に太字で「十」の字を表示してなるものである。そして、引用商標は、特定の語義は生じないものであり、その構成文字に相応して「デルメッド」の称呼が生ずることは明らかである。

(3)両商標の比較

両商標の構成態様は前記したとおりであり、引用商標は、欧文字部分において特異な態様で顕著に表示されているものであって、取引者、需要者に商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから、両者の外観上の相違は顕著である。

次に、本願商標より生ずる「エルメッド」と引用商標より生ずる「デルメッド」の称呼を比較すると、両称呼は、促音を含む5音構成であり、第2音以下「ルメッド」の音を共通にするが、称呼の識別上重要な要素を占める冒頭音において「エ(e)」と「デ(de)」の音が相違し、しかも「デ」の音は比較的明瞭に聴取される破裂音(子音)「d」を有すること、全体の称呼が5音構成でさほど長い称呼ではないことを考慮すると、該相違音が全体の称呼に与える影響は決して少なくないものというべきである。

そうすると、両称呼を一連に称呼するときは、両者は、聞き誤るおそれはなく、称呼上聴別できるものである。

また、両商標は、いずれも特定の語義は生じないこと前記のとおりであるから、観念については比較することはできない。

以上、本願商標と引用商標における外観、観念、称呼を総合すると、両商標は、観念においては比較することができないが、外観及び称呼において互いに紛れるおそれのないものであって、全体として出所の混同を生ずるおそれはなく、類似する商標ということはできない。

したがって、本願商標と引用商標とが称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当すると判断した原査定は誤りであり、取り消しを免れない。

その他、本願について拒絶をすべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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