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Trademark Appeal Case

カー・オブ・ザ・イヤーの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−3557(T2007−3557/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「カー・オブ・ザ・イヤー」の片仮名文字と「CAR OF THE YEAR」の欧文字を二段に書してなり、第35類「自動車に関する市場調査及びその評価・分析・その結果についての情報の提供(通信回線を用いて行うものを含む。),自動車に関するアンケート調査及びこれに関する情報の提供(通信回線を用いて行うものを含む。),優秀自動車を選定するクラブ事業の運営,自動車及び自動車関連商品の展示会の企画・運営叉は開催,インターネットにおけるホームページの広告用スペースの提供,その他の広告,派遣による優秀自動車選考のための電子投票用コンピュータシステムの操作」及び第41類「年間優秀乗用車を選考するためのノミネート車の公示・優秀車の選考・表彰・表彰式の開催及び入賞車の展示,その他自動車に関連するコンテスト・展示会の企画・運営及び開催(通信回線を用いて行うものを含む。),オンライン投票を取り入れた視聴者参加型の優秀車の選考・表彰・表彰式の開催及び入賞車の展示に関する情報の提供(通信回線を用いて行うものを含む。),自動車に関するセミナーの企画・運営及び開催,国際交流を目的としたカーセミナーの企画・運営及び開催並びにそれらに関する情報の提供(通信回線を用いて行うものを含む。),自動車に関する資料の展示(販売促進のためでないもの),自動車に関する教育・文化及びスポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),乗用車に関連する図書・記録の供覧及び電子出版物の提供,自動車に関する写真の撮影,自動車に関連する書籍の制作,自動車に関するビデオ・映画の上映,自動車に関連する図書の貸与,歴代優秀車の選定結果に関する放送番組の制作,自動車に関する知識の教授」を指定役務として、平成18年4月10日に登録出願し、その後、同年10月31日付け及び同19年2月6日付けの手続補正書により、第41類「年間優秀乗用車を選考するためのノミネート車の公示・優秀車の選考・表彰・表彰式の開催及び入賞車の展示,オンライン投票を取り入れた視聴者参加型の優秀車の選考・表彰・表彰式の開催及び入賞車の展示に関する情報の提供(通信回線を用いて行うものを含む。)」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、その年の優れた乗用車を選定・表彰する賞に使用されている「カー・オブ・ザ・イヤー」の片仮名文字と「CAR OF THE YEAR」の欧文字とを二段に書してなるから、これを本願指定役務中、前記の賞に関連する役務に使用するときは、単に役務の質、内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 請求人への審尋

平成19年11月26日付け審尋書をもって通知した審尋の要旨は、次のとおりである。

請求人は、平成19年2月6日付の手続補正書において、指定役務を該手続補正書に記載のとおりに補正し、同日付の審判請求書において、本願商標は、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が27年間にわたって使用してきた商標であり、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の著名な略称であるから、自他役務識別標識としての機能を有するものであるから商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない、証拠は追って補正する」旨述べているが、相当の期間が経過した現在において、前記主張を裏付ける証拠等の提出もなされていない。その後の状況について釈明及び必要な手続をされたい。

4 審尋に対する請求人の回答

請求人は、上記3の審尋に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。

5 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「カー・オブ・ザ・イヤー」の文字と「CAR OF THE YEAR」の文字を二段に書してなるところ、該文字が、「その年に販売された車の中から最も優れた車が授与する賞」の意味を有する語として、一般に親しまれ、普通に使用されているものと認められる。

そして、「カー・オブ・ザ・イヤー」及び「CAR OF THE YEAR」の文字は、請求人が使用している「日本カー・オブ・ザ・イヤー」以外にも、例えば、「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」、「北米カー・オブ・ザ・イヤー」、「あなたが選ぶカー・オブ・ザ・イヤー」及び「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」等の名称が、それぞれ異なる団体で使用されている実情にあることが窺える。

このことは、例えば、以下の新聞記事情報及びインターネットのホームページ情報の記載例からも十分に裏付けられるところである。

(1)2008年1月15日付け朝日新聞東京朝刊9頁には、「マツダSUVが受賞 環境対策を重視 08年北米カー・オブ・ザ・イヤートラック部門」の見出しの下、「当地で13日開幕した北米国際自動車ショーで、08年北米カー・オブ・ザ・イヤーのトラック部門に、マツダのSUV(スポーツ用多目的車)『CX―9』=写真=が選ばれた。」との記載がある。

(2)2007年12月21日付け日刊工業新聞5頁には、「マツダ、『デミオ』受賞記念で特別仕様車『キアラ』発売」の見出しの下、「マツダは20日、コンパクトカー『デミオ』の08年RJCカー・オブ・ザ・イヤー受賞を記念して特別仕様車『キアラ=写真』を発売した。」との記載がある。

(3)2007年11月30日付け日刊工業新聞5頁には、「消費者が選ぶカー・オブ・ザ・イヤー、大賞に日産『GT−R』」の見出しの下、「『07−08あなたが選ぶカー・オブ・ザ・イヤー』実行委員会(笹本健次実行委員長)は29日、大賞に日産自動車の『GT−R=写真」を選出したと発表した。』との記載がある。

(4)2007年11月21日付けの日刊工業新聞5頁には、「マツダ、『デミオ』が欧州カー・オブ・ザ・イヤーで2位に」の見出しの下、「マツダのコンパクトカー『デミオ』が、『2008年欧州カー・オブ・ザ・イヤー』で日本車では最高位の2位を獲得した。」との記載がある。

(5)2005年12月6日読売新聞大阪夕刊7頁には、「[消費キーワード]カー・オブ・ザ・イヤー 最も優れた新車 プロが投票選考」の見出しの下、「自動車雑誌などによる『2005〜06 日本カー・オブ・ザ・イヤー』はマツダの『ロードスター』が、日本自動車研究者・ジャーナリスト会議(RJC)の『06年次RJCカー・オブ・ザ・イヤー』はスズキの『スイフト』が、それぞれ受賞した。」との記載がある。

(6)2005年11月20日読売新聞東京朝刊11頁には、「[消費事情フロント]カー・オブ・ザ・イヤー ロードスター&スイフト」の見出しの下、「自動車雑誌などによる日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたマツダロードスターは、スポーツカーでは初の受賞。・・・日本自動車研究者・ジャーナリスト会議(RJC)のカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたスイフトも『はつらつとした走りを実現したコンパクトカー。・・・』」との記載がある。

(7)2005年1月7日読売新聞中部朝刊5頁には、「トヨタ、ハイブリッド車拡大戦略2010年に100万台販売めざす」の見出しの下、「トヨタは、ハイブリッド車を・・・・。昨年には、『二〇〇五年欧州カー・オブ・ザ・イヤー』にも選ばれた。」との記載がある。

(8)2004年12月26日読売新聞東京朝刊9頁には、「[消費事情フロント]カー・オブ・ザ・イヤー セダン回帰 ミニバンの姿なく・・・」の見出しの下、「自動車雑誌などが選ぶ『日本カー・オブ・ザ・イヤー2004−2005』はホンダの高級乗用車『レジェンド』が受賞した。・・・一方、日本自動車研究者・ジャーナリスト会議(RJC)による『2005年次RJCカー・オブ・ザ・イヤー』には、日産の高級セダン『フーガ』が選ばれた。」との記載がある。

(9)2004年11月23日朝日新聞東京朝刊1頁には、「トヨタのハイブリッド技術、独ポルシェが提供要請 近く交渉開始」の見出しの下、「トヨタは97年に初代プリウスを発売し、・・・。欧州では今年初めに発売され、欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。」との記載がある。

(10)ウィキペディア(Wikipedia)フリー百科事典の「カー・オブ・ザ・イヤー」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC)の頁には、カー・オブ・ザ・イヤーの類例として、国際的なもの「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」及び「世界・カー・オブ・ザ・イヤー」、各国におけるものとして、アメリカ合衆国は、「北米カー・オブ・ザ・イヤー」、日本は、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」、「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」及び「あなたが選ぶカー・オブ・ザ・イヤー」との記載があり、さらに「その他にも、各自動車専門誌上においてカー・オブ・ザ・イヤー、あるいはそれに準じたタイトルの選考・表彰が行われている。」との記載がある。

以上よりすると、「カー・オブ・ザ・イヤー」及び「CAR OF THE YEAR」の文字は、「その年に販売された車の中から最も優れた車が授与する賞」の意味合いを有するものとして普通に使用されているものであり、また、上記のとおり、各国及び各団体の「カー・オブ・ザ・イヤー」が存在する実情にあるといえる。

そうすれば、本願商標の「カー・オブ・ザ・イヤー」及び「CAR OF THE YEAR」の文字を、本願指定役務に使用しても、これに接する需要者、取引者は、「その年の最も優れた車が授与する賞」程の意味合いを容易に理解するに止まり、結局、本願商標は、前記意味合いに関する役務を認識し、単に役務の質、内容を表示したにすぎず、自他役務としての機能は認識し得ないものというのが相当であり、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

なお、請求人(出願人)は、「カー・オブ・ザ・イヤー」及び「CAR OF THE YEAR」の文字は、請求人(出願人)が実行委員長をつとめる団体「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が1980年以来27年間にわたって使用してきた商標であり、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の著名な略称でもあるから、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」のみが独占使用できる旨主張し、原審において第1号証ないし第9号証(以下、「甲第1号証」のように「甲」を付していう。)を提出している。

そこで検討するに、甲第1号証は、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」及び「CAR OF THE YEAR JAPAN」のホームページと思われるが、これにより、上記主張の根拠となる資料は何ら見出せない。また、甲第2号証は、フリー百科事典ウィキペディアの「カー・オブ・ザ・イヤー」の頁であって、「日本国内において単に”カー・オブ・ザ・イヤー”という場合、一般的には前者を指す場合が多い。」との記載があるとしても、同頁には、「カー・オブ・ザ・イヤー(Car of The Year)とは、一年間に発売された市販乗用車の中から、最も優秀な車を選定し、開発者・メーカーの栄誉を称えるもので、世界中で広く催されている。」との記載があり、さらに、甲第3号証ないし甲第9号証は、「カー・オブ・ザ・イヤー」の文字が、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を表示するものとして使用されているブログの記事であるが、たとえ、一部のブログでの使用が発見されたとしても、上記のとおり、「カー・オブ・ザ・イヤー」の名称を使用する他の団体が存在する実情においては、該文字から、直ちに「日本カー・オブ・ザ・イヤー」のみを表示するものとして認識するとはいい難いものであるから、上記請求人の主張は採用できない。

そして、審判請求及び上記3の審尋から相当の期間を経過するも、請求人(出願人)は、他に「カー・オブ・ザ・イヤー」及び「CAR OF THE YEAR」の文字が、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」及び「CAR OF THE YEAR JAPAN」の略称であり、請求人(出願人)の業務に係るものとして、取引者、需要者間に広く認識されていることを証明する証拠は何ら提出していない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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