結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2007−33136(T2007−33136/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、別掲のとおり、ゴシック体の赤色太文字で横書きした「ヨード卵」の文字、並びに、各文字の間及び「ヨ」の文字の左側と「卵」の文字の右側の5箇所に、文字の高さと同じ程度の長さの赤色の細書き縦線を配してなり、第29類、第30類、第33類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成18年12月28日に登録出願されたものであり、その後、原審における同19年9月25日付け提出の手続補正書において、第30類については、「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」に補正されたものである。
原査定は、「本願商標は、赤の縦2線間内に赤色で塗りつぶした『ヨード卵』の文字をそれぞれ配してなるが、全体として普通に用いられる構成の域を脱しない態様である。ところで、鶏に海藻などのヨード分を含む飼料を与えて、この鶏から生まれてくるヨード分を多く含むことを特長とする鶏卵が取引されているところ、本願商標は、上述したように『ヨード卵』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願の指定商品(役務)中、例えば『ヨード分を多く含むことを特長とする鶏卵(ヨード卵),ヨード分を多く含むことを特長とする鶏卵(ヨード卵)入りの商品』又は『ヨード分を多く含むことを特長とする鶏卵(ヨード卵)を主とする飲食物の提供』に使用するときは単に商品の品質又は役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品又は前記役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
本願商標は、別掲のとおり、ゴシック体の赤色太文字で横書きした「ヨード卵」の文字、並びに、各文字の間及び「ヨ」の文字の左側と「卵」の文字の右側の5箇所に、文字の高さと同じ程度の長さの赤色の細書き縦線を配してなる構成よりなるものである。
ところで、請求人は、本願商標を構成する「ヨード卵」の文字が、請求人の商品「卵」に使用された結果、請求人の商標として需要者に広く認識することができるものである旨述べ、原審及び当審において、甲第1号証ないし甲第48号証(枝番を含む。枝番全てを引用するときはその枝番を省略する。)を提出している。
そこで、請求人の提出に係る各証拠を見るに、請求人は、昭和51年8月に「ヨード卵 光」として、ヨード成分が強化された卵を市場において販売を開始したこと(甲第13号証の3、同4、同11、同12、甲第17号証等)、1977年に発行された「週刊ポスト」(甲第9号証)に、「ヨード入り卵」が高血圧やぜんそくなどに効果があるとして、請求人の生産、販売に係る「ヨード卵 光」及び他社製品である「ヨドリノン」が紹介されたこと、及び、同誌に記事が掲載された以降「ヨード卵」を表示した商品「卵」の販売数量も順調に伸び、現在に至るまで、特殊卵の分野において高いシェアを維持していること(甲第10号証ないし第11号証)、また、同誌に記事が掲載された以降も、請求人及び請求人商品に関する記事が、多数の新聞や雑誌等に掲載されるとともに、請求人自身も、新聞や雑誌等を通じて継続して「ヨード卵 光」の生産過程(鶏に与える飼料の原材料等)・機能性・安全性などの広報活動を行ってきたこと(甲第12号証ないし第19号証、等)、また、これらの新聞や雑誌においては、単に「ヨード卵」の語のみをもって取り上げられたことも少なくないこと、さらには、永年に亘り継続してテレビコマーシャルが全国で放映されてきたこと(甲第5号証ないし第6号証、甲第43号証)、等が認められる。
以上の実情からすれば、「ヨード卵」の文字(語)は、請求人が永年継続的に行ってきた広告宣伝販売活動によって、請求人の取り扱う卵を直ちに想起させる程に、卵の取扱業者をはじめ、一般消費者の間にも広く浸透していったものと認めるところである。
しかして、請求人が本願商標を使用した商品の販売を開始した昭和51年8月頃にあっては、本願商標に接する一般の消費者が、原審説示の意味合いを理解していたものとは認めることはできず、むしろ、特定の意味合いを想起し得ない一種の造語として理解し認識していたものとみるのが相当である。
しかしながら、請求人商品の販売開始以降、請求人自身によって継続的に行われてきた当該商品の生産過程・機能性・安全性などの広告・広報活動等によって、一般の消費者は、本願商標を構成する「コード卵」の文字が、「むやみにヨードを大量に含むものではなく、人体に適切な形で効果的な量のヨウ素を含む卵」を意味するものであることを、初めて理解したということができる。
そうとすれば、本願商標は、全体として自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有するものと認められる。
してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務中「ヨード分を多く含むことを特長とする鶏卵(ヨード卵),ヨード分を多く含むことを特長とする鶏卵(ヨード卵)入りの商品」又は「ヨード分を多く含むことを特長とする鶏卵(ヨード卵)を主とする飲食物の提供」について使用しても、商品の品質又は役務の質等を表示するものということはできず、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を十分果たし得るものであり、また、これを前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用しても、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれもないというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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