sokuhyo

Trademark Appeal Case

結合商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−11332(T2007−11332/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「Fine清流」の文字を標準文字で書してなり、第9類「水の量り売り自動販売機」、第11類「家庭用浄水器,業務用浄水機」、第32類「清涼飲料」及び第40類「浄水装置の貸与」を指定商品及び指定役務として、平成18年6月13日に登録出願され、その後、指定役務については、当審における平成19年5月17日付け手続補正書により、第9類「水の量り売り自動販売機」、第11類「家庭用浄水器,業務用浄水機」及び第32類「清涼飲料」に補正されたものである。

第2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の1ないし5に記載のとおりである(なお、以下の引用商標1ないし3をまとめていうときは「引用商標」という。)。

1 登録第2594939号商標は、「清流」の文字を書してなり、平成3年12月10日に登録出願、第19類「台所用品(電気機械器具、手動利器および手動工具に属するものを除く)日用品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同5年11月30日に設定登録され、その後、同15年10月14日に商標権存続期間の更新登録がなされ、そして、指定商品については、同16年10月27日に第11類「ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,バーベキューグリル,流し台,アイスボックス,氷冷蔵庫,家庭用浄水器,浴槽類,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,家庭用ごみ焼却炉,化学物質を充填した保温保冷具」に書換登録がなされている。

2 登録第2698411号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成4年1月13日に登録出願、第29類「清涼飲料(但し、コ―ヒ―シロップを除く)果実飲料、氷 」を指定商品として、同6年10月31日に設定登録され、その後、同16年9月14日に商標権存続期間の更新登録がなされ、そして、指定商品については、同17年4月6日に、第30類「氷」及び第32類「清涼飲料(コーヒーシロップを除く),果実飲料」に書換登録がなされているものである。

3 登録第4729067号商標は、「清流」の文字を書してなり、平成14年10月15日に登録出願、第11類「浄水装置」を指定商品として、同15年11月28日に設定登録されたものである。

4 登録第4084950号商標は、「FINE」の文字を書してなり、平成3年3月8日に登録出願、第9類「事務用機械器具、その他本類に属する商品(但し、金属加工機械器具、土木機械器具、荷役機械器具、ミシン、冷凍機、冷却機、冷却筒、製氷機、冷却蒸発機、ガス冷蔵庫、鉄道用信号機、てんてつ機を除く)」を指定商品として、同9年11月21日に設定登録されたものである。

5 登録第4295999号商標は、「FINE」の文字を標準文字で書してなり、平成9年12月5日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,レコード,メトロノーム,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,潜水用機械器具,家庭用テレビゲームおもちゃ,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同11年7月16日に設定登録され、その後、商標権一部無効審判があった結果、「消防車,自動車用シガーライター」についての登録を無効とする旨の審判の確定登録が同12年12月13日になされているものである。

第3 当審における職権証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づくき、その結果を請求人に対して通知し、期間を指定して意見を求めた。

第1 本願商標は、「Fine清流」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、本願商標を構成する「Fine」の文字に関して行った証拠調べによれば、以下の事実が認められる。

1.「Fine」の語の有する意味について、Yahoo!辞書検索によれば、以下のように記載されている。

(1)形容詞について

品質のすぐれた,良質の,上等な,混じり物のない,純粋な;〈液体・空気が〉澄んだ

(2)他動詞について

...の不純物を除く,を純粋にする,精錬する;〈酒類を〉(濾過(ろか)して)澄ませる((down,away))

(3)自動詞について

不純物がなくなる,純良になる;清澄になる

2.英語「fine」に通ずる意味(「除去する」)と本願の指定商品「家庭用浄水器」等との関係において

(なお、下線は当審判合議体によるもの。)

(1)エムアールシー・ホームプロダクツ株式会社のホームページ(http://www.cleansui-club.co.jp/cls/product/faucet_direct/csp1-gr.html)の浄水器の商品説明では、以下のように記載されている。

「活性炭・イオン交換繊維・中空糸膜フィルターを組み合わせたクリンスイ独自の高性能カートリッジが、「家庭用品品質表示法」に定められた除去対象物質(13物質)と浄水器協会で定められた除去対象物質(2物質)をしっかりと除去します。

【イオン交換繊維】鉛強力除去

イオン交換繊維を使用した特殊フィルター※のはたらきで、水に溶け込んだ鉛までしっかり除去します。(固形鉛は中空糸膜フィルターで除去します。)

※ クリンスイエミネントII、ゼロ ニ クリンスイCSP4には、セラミックを使用しています。

【活性炭】トリハロメタン強力除去

優れた吸着作用で水道水のカルキ臭やカビ臭の除去はもちろん、トリハロメタンまで吸着除去

【中空糸膜フィルター】雑菌・赤サビ除去

クリンスイの心臓部といえるフィルター。ポリエチレン中空糸の壁面で、水道水中に含まれる0.1マイクロメートル以上の粒子や雑菌・赤サビなどをシャットアウトします。」

(2)「浄水器ナビ、家庭用浄水器の比較や選び方」(http://www.jyousuiki-navi.com/knowledge/000032.php)の「そもそも浄水器とは」の項において、以下のように記載されている。

「水道に取り付けられる製品は、一般的に『浄水器』と思われるのですが、種類によっては全く異なる目的を持っているものもあります。

浄水器とは、水を『浄水』する装置の総称で、磁石などにより水に何らかのエネルギーを与えると言われている活水器などと、設置する箇所が同じ事から混同されがちですが、活水器は残留塩素を除去する装置ではないので浄水器ではありません。

健康に良いとされる水を作る装置も多数売られているようですが、効果効能などの検証が難しいため、このサイトでは扱いません。それらと浄水器とは別と考えるのがよいのではないかと思います。

家庭の水道水の浄水を目的とするのであれば、雑菌などが混入することは考えにくいので、主に残留塩素やトリハロメタンの除去が目的となるのに対して、井戸水の場合には、微生物や農薬など危険な物質を取り除き安全な水を作ることが主な目的となります。」

3.本願の指定商品「浄水器」及びこれに類似する商品「活水器」に使用されるファインセラミックス(「fine ceramics」)について、以下のように記載されている。

(1)「ろ材で分けた浄水器のタイプ」(http://www.jwpa.or.jp/j/jo/jo_rozai.htm)「【1 活性炭式】

粒状、粉状、繊維状およびブロック状にした活性炭を使っている浄水器です。おもに活性炭のはたらきを利用した浄水器で、簡易型浄水器や、逆に多量の活性炭によって除去性能を持続させた大型の浄水器もあります。

【2 ろ過膜式】

ろ過膜(0.4〜0.01ミクロンの穴のあいた中空糸膜、平膜など)に水を通して、水道水に含まれる粒子類を除去し、活性炭で残留塩素や有機物を取り除きます。単一のろ材を使用したものよりも、複数のろ材を組み合わせて、相乗効果をもつ浄水器が多く出ています。現在使用されている浄水器の多くは、活性炭式+中空糸膜のタイプです。

活性炭式+ろ過膜式(中空糸膜)のタイプの浄水器は、活性炭層で残留塩素やカルキ臭、カビ臭の原因となる有機物、トリハロメタン、農薬などを吸着除去し、次のろ過膜で、鉄サビ、カビ、濁り、一般細菌などを除去します。この方式のよい点は、水のおいしさの元となるミネラル成分は除去しないというところです。

【3 逆浸透膜式】

ろ過膜式で用いられる膜よりも、さらに小さな穴のあいた膜に圧力をかけて水を通過させ、いわば水と異物を分離する方法で、海水の淡水化や医療用に使用されるケースが多く、浄水器としてはアメリカなどで天然水の飲用水化として使用されている場合が多いです。

【4 セラミック式】

膜に対して、微細な孔をもつセラミックをろ材に利用した浄水器です」

(2)「ファインセラミックフィルターの話」(http://www.ngk.co.jp/C1/tech/tech_23.html) 「お茶碗やコーヒーカップなど、自然界にある粘土を焼き固めてつくられるのが、セラミックス(オールドセラミックス)です。粘土とは岩石が風化や変成で非常に細かな粒子になったもので、大部分が「結晶性珪酸塩」が占めています。化学成分としては珪酸(シリカ)、アルミナが主成分で、そのほかに鉄やマグネシウム、カルシウムなども含まれています。これに対して、原料となる物質の純度を高めて作られるのが、ファインセラミックスです。粒度が均一で純度の高い原料から作られるために特別な機能や安定した性能を発揮します。

20年ほど前、クルマのエンジンにはじめてセラミックターボが採用されて話題を呼びましたが、この時のターボファンはSi系のファインセラミックで作られました。これに対して、”C1”のファインセラミックフィルターはアルミナを原料にしています。アルミナは珪酸に次いで岩石中に豊富に存在している天然物質であり、「純度を上げやすい」という大きな特徴をもっています。

ところで純度の高いアルミナを高温で焼成するとうすいピンク色になります。これが単結晶化したものが、ルビーやサファイヤです。色の違いは、どのような微量成分が含まれているかの違いによるものです。 ”C1”の場合、まず少し粗めに粒度をそろえたアルミナを練って粘土状にして、型に流し込み押し出します。1000個以上もの穴があいたレンコンのような円柱ができあがります。これを乾燥して焼いていきます。3日ほどかけて徐々に温度を上げ、約1200度になったところでまた時間をかけて温度を下げていきます。急激に温度を変化させると、割れたりひびが入ってしまうので、慎重な作業になります。こうした工程は、窯で焼き物を作るのと同様です。

焼き上がった土台に、さらに粒度の細かなアルミナをコーティングしていきます。いうなれば、焼き物の表面に上薬をかけるようなものです。違いは、レンコン状に開いた1000個以上の孔の表面1つ1つに、上薬をつけなければいけないということ。微粒子のアルミナを水中に分散させた溶液を孔に流し込むのですが、これだけでは均一にコーティングすることはできません。そこで真空状態にして、孔内面に溶液を引き寄せて積み重ねていきます。超微細孔を持つアルミナ層が均一になったところで取り出し、乾燥させ、再び時間をかけて焼き上げていきます。ずいぶんと手間暇をかけて、ファインセラミックフィルターは完成します。「最初から粒度の細かなアルミナだけで焼き上げればいいのに」と思った方は、なかなか鋭い!もちろんそれも可能です。ところが困ったことに、粒度の細かなアルミナだけですべてを作ると水の通りが悪くなってしまいます。ちょろちょろとしか水が出てこない浄水器になってしまうのです。”C1”の通水量の秘密は、粒度の大きなアルミナ(水を通しやすい構造)によって土台が作られているからなのです。」

(3)「セラミックスを中心としたろ過フィルターとは・・・ろ過、吸着後、ミネラル豊富な水へ」(http://www.honkakuya.com/html/jyosuiki.html)

「天然のファインセラミックスと呼ばれる石英の一つであるガイアストーン、 電気石として有名なトルマリンに銀を添加した銀添トルマリン、ミネラルを豊富に含む麦飯石を中心に焼かれたセラミックスである龍蘭石、ミネラルの宝庫であるサンゴ、活性炭に銀を添加した銀添着繊維状活性炭により構成されています。これらにより、塩素やトリハロメタン、溶解性鉛、臭気物質などを吸着すると共に、殺菌、ミネラル分の溶出、弱アルカリ化をおこない体に良く美味しい水をおよそ9年(20L/日の場合)渡り作り続けることができます。」

(4)水源II(セラミック活水器)(http://sod.atopyclub.jp/item/21-7.html)

「健康に良い水とは?セラミック活水器「水源II」は自然のわき水が作られる仕組みをそのまま応用しています。自然界においては、雨もしくは雪として大地に降り注いだ水は、じっくりと時間をかけて土壌や天然鉱石の地層を浸透して地下水となります。この時、水は地層中で鉱物の放射する遠赤外線の影響を受けて、分子集団(クラスター)を小さくしていき、活発に動くようになります。水源IIの場合は、天然鉱石の地層のかわりに遠赤外線放射率の高いファインセラミックスを本体内部に3種類、3層にして使用しています。

【3種類・3層のファインセラミックス】

●NRNファインセラミックス

通商産業省工業技術院が開発特許を取得した高い遠赤外線放射率を誇る特殊ファインセラミックスです。

●SBHファインセラミックス

花ガン班岩等の天然鉱石や酸化チタン等を原料に使用し、1300°C前後で還元焼成した特殊ファインセラミックスです。

磨耗性にすぐれ高い焦電効果があるため、水のORPを下げる効果に優れています。

●FIRファインセラミックス

もともとは焼却炉内のダイオキシン発生抑制のために開発されたバイオセラミックスを、さらに対水仕様に改良した硬度が高い特殊ファインセラミックスです。

遠赤外線の放射率が高く、遊離塩素のマイナスイオン化等にも優れた効果を示します。」

(5)「[てくてくテクノ]セラミックス/1 安全でうまい水を /愛知」

(2003.06.17 毎日新聞社 地方版/愛知 17頁)」の見出しの下に、以下のように記載されている。

「◇浄水ろ過技術−−0.1マイクロメートルの穴で実現

『ホント、おいしいわ』。コップの水を飲み干した主婦らから、思わず声が上がった。JRセントラルタワーズ(名古屋市中村区名駅1)の東急ハンズ名古屋店。7月末まで特選28商品のキャンペーンを展開中だ。その一つが、高性能のセラミックスを使った家庭用浄水器。主婦が飲んだ水は、浄水器でろ過された水道水だった。

この製品には『ファインセラミックフィルター』と呼ばれるろ過装置が応用されている。セラミックスのトップメーカー・日本ガイシ(同市瑞穂区須田町)が、87年に開発した装置だ。醸造業界を中心に大きな反響を呼び、今やビールやワインなどの製造工場、飲料水の浄水場などで幅広く使われている。

同社がこのフィルターで家庭用浄水器を作ることにしたのは3年前。既にさまざまな素材を使った浄水器が、各社から売り出されていたが、ファインセラミックスを採用したフィルターの浄水器は初めてだった。

『おいしくて安全な水を家庭で飲みたいという消費者の欲求が根強かった。ファインセラミックフィルターで培った技術にも絶対の自信があった』。同社技術部浄水器チームマネジャーの小谷和司さん(44)は製造の背景を話す。

フィルターの構造は、産業用と基本的に変わらない。が、研究開発に1年かけ、設計と製造にもそれぞれ半年近くを費やした。発売されたのは昨年5月。特に力を入れたのが、産業用の10分の1近くに小型化する研究。より精密で、コンパクトにする工夫を重ねた。 フィルターの素材は、天然材料を精製したアルミナ。その粉末を練って円柱状に固め、1500度の窯で焼く。直径9センチ、高さ10センチの大きさだ。全体に直径1・7ミリの穴約1200個が、レンコンのようにあいている。その穴の内壁に、超微粒子のアルミナを塗布し、直径0・1マイクロメートル(1万分の1ミリ)の穴をびっしりとつけた。 『もともとセラミックスは、浄化機能を持っていたが、超微細な物質のろ過には限界があった。超微細な穴を均一に開ける技術の開発で、業界初のファインセラミックフィルターが生まれた』と小谷さん。

浄水器はフィルターと活性炭(直径9センチ、高さ8センチ)から成る。水道水を通すと、まず活性炭で有害物質の鉛やカルキなどを80%以上吸着。さらにフィルターで微細な粒子、さび、細菌など99%以上の不純物がカットされる。しかし、ミネラル成分は0・1マイクロメートルより小さいために通過し、いわゆるおいしい水になる。

『味覚やミネラルの成分は水道水の水質によって多少変わるが、安全性は市販のミネラルウオーター以上。家庭用浄水器のフィルターは今後、ファインセラミックスに変わっていくのではないか』。同社は次世代の浄水器をそう見ている。<文・安間教雄/写真・小林理幸>

◇セラミックス

陶磁器、れんが、ガラス、ほうろう、セメントなど窯業製品の総称。土や石を昔ながらに焼いた製品を「オールドセラミックス」と呼ぶ。純度の高い無機化合物を原料に使った製品を『ファインセラミックス』または『ニューセラミックス』という。

ファインセラミックスは素材開発の理論と製造技術の進歩で生まれた。従来の窯業製品にない多様で高度な特質を付加できる。光学や電子、医療、化学など各分野で応用。人工の歯や骨、IC基板、釣りざお、ナイフなどが作られている。原料はアルミナなどの酸化物系と炭化ケイ素などの非酸化物系。」

(6)Yahoo!辞書検索によれば、「fine ceramics」(ファインセラミックス)について以下のように記載されている。

「高純度の原料から作る、高性能のセラミックス(成形し焼成して得られる無機物質からなる製品。陶磁器・ガラスなどの窯業製品の総称)製品。耐熱・耐摩耗・耐食性などにすぐれ、電気絶縁性・導電性など特殊な性質を示すものもある。ニューセラミックス」

第2 以上の事実を総合的に勘案すると、本願商標を構成する「Fine」の文字部分は、「品質のすぐれた,良質の,上等な,混じり物のない,純粋な;〈液体・空気が〉澄んだ(以上形容詞における意味)、...の不純物を除く,を純粋にする,精錬する;〈酒類を〉(濾過(ろか)して)澄ませる(他動詞における意味)」等の意味を有する語であること、その指定商品中の「浄水器」等との関係では、「水に溶け込んだ鉛の除去、トリハロメタンの除去、赤サビの除去、カルキ臭やカビ臭の除去、雑菌の除去」等の水を純粋なものに浄化することを認識させること、また、水を浄化する浄水器及び活水器には、「fine」の綴り字を有するファインセラミックス(fine ceramics)のフィルターを利用したものが多数取引されている実情にあること、が認められる。

そうとすれば、本願商標中の「Fine」の文字部分は、上述の意味を有する語であって、かつ、親しまれた語と認められるところ、その指定商品との関係では、取引者、需要者をして、その商品の品質、用途、機能等を表示したものと認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有しないか又は極めて識別力が弱い文字部分と看取されるものであるから、本願商標の自他商品の識別標識としての機能を果たす文字は、その余の「清流」の文字部分にあるとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して「セイリュウ」の称呼及び「清い流れ」の観念を生ずるものである。

他方、原査定で引用する登録第2594939号、登録第2698411号及び第4729067号は、「清流」の文字を書してなるから、該構成文字に相応して「セイリュウ」の称呼及び「清い流れ」の観念を生ずるものである。

したがって、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念において類似するものであり、かつ、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 証拠調べ通知に対する意見の要旨

(1)「Fine」の単語の一般的意味について上記第3中の第1の1.の(1)、(2)、(3)の意味があったとしても、又浄水器の部材にファインセラミックスが使われることがあったとしても、本願商標の「Fine清流」における「清流」の清い流れと「Fine」との関係は直接関連付ける意味はない。けだし「清流」は、「清い川・河の水の流れ」の観念のもの、「水の流れている様の自然の状況」を表現するものである。

したがって、「清流」即ち「水流」そのものは、販売の対象物の水又は浄水器の対象物ではなく、又その製造行程とも何ら関係するものでないから、「Fine」は「清流」の形容詞的な関係でなく、「Fine」と「清流」との関連付けではなく、「Fine清流」は「ファインセイリュウ」の称呼をもつ造語であると判断すべきものである。

(2)指定商品「浄水器、浄水機」との関係でも、「Fine」と「清流」とを形容詞的に結びつけるものではない。又「Fine」が「ファインセラミックス」の省略形として認識されることもない。

してみると、「Fine」は指定商品との関係でも何ら品質表示でもなく、「Fine清流」で一つの造語とされるものである。

(3)よって、本願商標「Fine清流」は、「ファインセイリュウ」の称呼を有する造語と判断されるべきものであり、引用商標「清流」、「セイリュウ」とは、称呼・外観・観念上非類似のものであり、本願商標は登録を受けることができるものである。

第5 当審の判断

(1)本願商標は、前記第1のとおり「Fine清流」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中前半の「Fine」の文字部分は、英語であるのに対し、後半の「清流」の文字部分は、漢字であって、その文字種が異なることから、視覚上、「Fine」と「清流」に分離して看取され、かつ、その構成全体を常に一体不可分のものとして把握されるとみるべき特段の事情があるものとは認められない。

(2)そして、前記第3の職権証拠調べ通知に示した各事実に照らせば、本願商標その構成中の「Fine」の文字部分が「品質のすぐれた,良質の,上等な,混じり物のない,純粋な;〈液体・空気が〉澄んだ(以上形容詞における意味)、...の不純物を除く,を純粋にする,精錬する;〈酒類を〉(濾過(ろか)して)澄ませる(他動詞における意味)」等の意味を有する語として親しまれた語であり、また、その指定商品中の「浄水器」等との関係では、ファインセラミックス、中空糸膜、イオン交換樹脂繊維、活性炭等のフィルターを利用した高機能、高性能のものが多数取引されている実情にあることから、本願商標を「家庭用浄水器,業務用浄水機」に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、構成中の「Fine」の文字部分は、「水を純粋なものに浄化する」程の意味合いを、「清涼飲料」に使用した場合、「混ざり物のない」程の意味合いを認識させ、単に商品の品質、用途等を表示したものとして理解させるか、又は、自他商品の識別力の極めて弱い語として理解されるというのが相当である。

(3)そうとすれば、本願商標は、その構成中の「清流」の文字に相応して、単に「セイリュウ」の称呼及び「清らかな川・河の流れ」の観念を生ずること明らかである。

他方、引用商標は、いずれもその構成文字に相応して、「セイリュウ」の称呼及び「清らかな川・河の流れ」の観念を生ずものである。

(4)してみると、本願商標と引用商標とは、外観において相違することを考慮しても、「セイリュウ」の称呼及び「清らかな川・河の流れ」の観念を共通にする類似の商標と認められる。

また、その指定商品についても、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。

(5)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。