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Trademark Appeal Case

「ベーカリー」の識別力と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2007−890075(T2007−890075/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4976069号の指定商品中、第30類「菓子及びパン」についての登録を無効とする。
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、これを二分し、その一を被請求人の負担とし、その余の一を請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4976069号商標(以下「本件商標」という。)は、「ベーカリールネッサンス」の文字を標準文字で書してなり、平成17年12月7日に登録出願、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,みそ,ウスターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼き肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」を指定商品及び指定役務として、平成18年8月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第1483748号商標(以下「引用商標」という。)は、「ルネッサンス」の文字を横書きしてなり、昭和52年2月25日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和56年10月30日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成13年9月5日に、第30類「菓子及びパン」を指定商品とする書換の登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張の要点

請求人は、、「本件商標の指定商品中、第30類『菓子及びパン』『氷砂糖』及び『水あめ』についての商標登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証の1ないし甲第6号証の2を提出した。

(1)利害関係について

本件商標は、引用商標に類似し、指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当していたにもかかわらず、登録されたものである。

したがって、引用商標の商標権者である請求人は、本件審判を請求するにつきに利害関係を有する。

(2)指定商品の同一又は類似

本件商標の指定商品中の「菓子及びパン,氷砂糖,水あめ」は、引用商標の指定商品「菓子及びパン」と同一又は類似の商品である。

(3)商標の類似性

(ア)本件商標中の「ベーカリー」の文字部分は、「パン屋」あるいは「パン・洋菓子などを製造・販売する店」を意味する(甲第6号証の1及び2)日本語として通用しており、指定商品「菓子、パン」などについては、自他商品識別力のない語であり、特許庁の過去の審査においても、顕著性がないものとして取り扱われた(商願46−19065、商願62−113562、商願62−113563)。 そして、本件商標の指定商品は、「菓子及びパン」を含み、この商品との関係では、「ベーカリー」の語を使用したところで、そのような商品を扱う店をそのまま意味するにすぎず、自他商品識別力を持ち得ない。

すなわち、本件商標に接する取引者、需要者は、常識からして、本件商標を「パン屋・ルネッサンス」又は「パン・洋菓子などを製造・販売する店・ルネッサンス」という意味を表示したものと理解するにとどまり、この意味において、「パン屋」や「パン・洋菓子などを製造・販売する店」に顕著性はないので、「ルネッサンス」のみからなる称呼で通用され、かつ、その観念で認識されるものである。このことは、「ベーカリー」と「ルネッサンス」とが一連に書されているとしても、上記の意味が変わることは考えられない。

したがって、この語を冠する本件商標は、「ベーカリー」を除く「ルネッサンス」が要部となるものであり、「ルネッサンス」のみからなる引用商標と称呼上類似し、かつ、観念を同一にすることは明白である。

(イ)本件商標は、「パン屋の復興・復活・再生」などという意味に解釈されることはない。すなわち、取引者・需要者が、「菓子及びパン」などの取引において、本件商標に接した場合、どのように認識するかであるところ、「パン屋が復興するかどうか」などという問題は、パン屋の業界内の経営上の問題として俎上に上がることはあっても、商品の取引者、需要者にとっては、思いもよらない無関係なことである。取引者、需要者にとって重要なことは、出所を確認して、「菓子及びパン」を取引することであり、そのような心理状況において、「ベーカリールネッサンス」の語があったとき、自己の取引しようとする商品を扱っているかどうかが問題なのであり、「ベーカリールネッサンス」は、「パン屋ルネッサンス」又は「パン・洋菓子などを製造・販売する店・ルネッサンス」でしかなく、取引上「パン屋の復興・復活・再生」などという意味には、解釈する必然性は全くないというべきである。 以上のように、「ベーカリー」が指定商品との関係で顕著性がない以上、本件商標は、不可分一体の造語として判断すべきではなく、後段の「ルネッサンス」に要部があり、「ルネッサンス」のみからなる引用商標と称呼及び観念において類似することは明白である。

(ウ)商標の類否の観察方法

商標の類否の観察は、時と場所を異にして観察したとき、取引者、需要者が混同するかどうかで類否を判断しなければならないところ、「ベーカリー」が「パン屋」又は「パン・洋菓子などを製造・販売する店」を意味するものであるから、商標「ルネッサンス」を使用した商品に接した後に、別の場所で「ベーカリールネッサンス」の商品に接した者は、後者が、店舗の種類名が冠されたにすぎないと考え、出所は同じと認識するであろうし、また、商標「ベーカリールネッサンス」の商品に接した後、別の場所で「ルネッサンス」の商品に接した場合には、「ベーカリー」は、職種名なので、簡易迅速を尊ぶ取引の実情から、省略されたにすぎず、両者は実質的には同じ出所の商品と誤認するであろう。

このように、離隔観察の原則からみて、両商標が混同されることは必定である。

(エ)現に、商標「ルネッサンス」を使用する場合、その販売形態が「ベーカリー」のとき、「ベーカリールネッサンス」で使用されるという実体がある。

すなわち、請求人は、平成14年より引用商標を株式会社サークルKサンクス(当初社名:株式会社サンクスアンドアソシエイツ、以下「サークルKサンクス」という。)に使用許諾をしており、サークルKサンクスは、引用商標を「ベーカリールネッサンス」として使用し、商品を販売している(甲第3号証)。また、サークルKサンクスは、引用商標をその店内において「■Bakery■/Renaissance/ルネッサンス」と表示して、パンの陳列棚を装飾する庇や、棚を装飾するテープとして店舗内に導入しており、「ベーカリールネッサンス」として広告チラシにも使用している(甲第4号証の1〜4)。

かかる事実は、引用商標の使用者が、商品「パン・洋菓子」を扱う店舗ならば、引用商標を使用する場合に、「ベーカリー」の語を店舗の種類名として付加するのは自然であり、他方、需要者が店舗「パン屋」に入って、「ベーカリールネッサンス」の文字を見た場合、「パン屋のルネッサンス」としか考えないはずである。

そのような状況が想定される中で、店舗の種類名としての「ベーカリー」を冠した本件商標を、店舗の種類名「ベーカリー」のない商標とは非類似であるとして、登録を許すことは、混同を助長し、商品の取引秩序を破壊すること必然である。

(4)むすび

以上の理由により、本件商標の登録は、その指定商品中、「第30類 菓子及びパン,氷砂糖,水あめ」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、無効にすべきである。

4 被請求人の答弁の要点

被請求人は、「本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第61号証を提出した。

(1)本件商標と引用商標との類否

(ア)本件商標は、同書同大等間隔であって、外観上、これを特定の部位で分離しなければならない要因は存在しない。また、本件商標の自然的称呼は、「ベーカリールネッサンス」であり、決して短い音構成とはいえないとしても、全体が一気一連で発音することは何ら難しくなく、これを特定の部位で分離すべき理由は見当たらない。さらに、本件商標中の「ベーカリー」は、「パン屋、パン菓子やケーキ類の製造販売店」を、また、「ルネッサンス」は、「文芸復興、再生」を、それぞれ意味する外来語として親しまれ一般に知られており、また、「ルネッサンス」の語は、例えば、「○○ルネッサンス」等と構成して、「○○復興」等の意味合いできわめて一般に使用されている(乙第2号証〜乙第61号証)。これらの事情や取引の実情を考慮すると、本件商標に接する需要者、取引者は、本件商標が「パン屋復興、菓子パンやケーキ類の製造販売店の再生」等の密接不可分な独特の意味を有する造語であると記憶し、認識すると考えられる。

(イ)請求人は、「ベーカリー」の語は、「パン屋、洋菓子などを製造・販売する店」という意味であり、指定商品「菓子、パン」などについては自他商品識別力のない語である旨主張し、その裏付けとして、「ベーカリー」のみからなる商標が指定商品の分野において自他商品識別力なしとして拒絶された審査例を掲げるが、これらは、いずれも単独の「ベーカリー」についての審査例であり、本件とは事案を異にするのみならず、本件商標中の「ルネッサンス」との意味における密接な結合状態を全く考慮することなくなされた主張であり、承服できない。

確かに、「ベーカリー」の語が「菓子及びパン」との関係で、「商品の販売、あるいは製造場所」を表示するものとして、他の語に付されて「ベーカリー○○」のように普通に使用されている事実を否定するものではない。しかし、本件商標は、「ベーカリー」と「ルネッサンス」とが結合することで、前記した密接不可分な観念を有するのであるから、「ベーカリー」のみで構成される商標の自他商品識別力を引き合いに出して本件商標の要部を認定するのは形式的な主張であるといわざるを得ない。また、少なくとも商標権者による本件商標の現実の使用態様(乙第1号証)からすれば、本件商標は、「パン屋、ルネッサンス(ルネッサンス・ブランドのパン屋)」等と理解されるものではなく、あくまで「パン屋復興」等の密接不可分な観念を有する造語として記憶、認識されるものと思料する。

(ウ)請求人は、「パン屋が復興するかどうか」などという問題は、パン屋の業界内の経営上の問題として俎上に上がることはあっても、商品の取引者、需要者にとっては、思いもよらない、無関係なことである旨主張するが、この主張は、商標選択の意義を没却するものである。商品又は役務の提供者は、商標選択の際に、奇を衒ったり、需要者の思いもよらない語を組み合わせたりすることで、需要者にインパクトを与え、該商品又は役務の顧客吸引力を高める効果を狙う場合が往々にしてある。本件商標については、普段「復興するかどうか」を考えることなど殆どない「パン屋」に着眼した点に面白さがあるのであって、需要者に「パン屋復興」という思いもよらないインパクトを与えることができる。

(エ)請求人は、商標の類否の観察方法において縷々述べ、離隔観察の原則から見て、両商標が混同されることは必定であり、両商標は混同される旨主張するが、これは、単に請求人に都合の良い独善的な主張を述べるにすぎず、請求人は、この様な出所の混同が生じるおそれについて、何ら具体的な証拠を提示してはいない。 なお、請求人は、商標「ルネッサンス」を使用する場合、その販売形態が、「ベーカリー」のとき、「ベーカリールネッサンス」で使用されるという実態があるとも主張するが、後記(2)のとおり、請求人の引用商標に基づく使用許諾において、たまたま使用権者が「ベーカリールネッサンス」の商標をも使用していたという事実にすぎず、本件商標と引用商標との類否判断には無関係な事実である。

(オ)以上のとおり、本件商標は、不可分一体として一連でのみ判断されるべきものであり、引用商標とは前半「ベーカリー」の有無で顕著に相違し、明らかに非類似である。

(2)引用商標の使用について

請求人は、サークルKサンクスに引用商標の使用許諾をしており、商品「パン・洋菓子」を扱う店舗ならば、引用商標を使用する場合に、「ベーカリー」の語を店舗の種類名として付加するのは自然であり、引用商標の使用権者が商標「ベーカリールネッサンス」を使用している旨主張する。

しかし、請求人が、使用許諾を行う権原を有するのは、あくまでも引用商標、すなわち「ルネッサンス」のみであり、それと全く異なる「ベーカリールネッサンス」に対し、使用許諾を行う権原を有しているとは認められない。

したがって、使用権者が、甲第4号証の3及び4にあるように、明らかに「Renaissance」又は「ルネッサンス」が分離される態様で使用する場合、当該英字又は片仮名文字が、各使用許諾契約(甲第3号証)に基づいて使用されていることは首肯し得る。しかし、甲第4号証の1及び2に表された商標は、「ベーカリールネッサンス」であり、そもそも、商標権者が、正当に使用許諾できる商標とは認められず、それが、使用許諾契約に基づいて使用されている商標と考えることは、商標権の専用権と禁止権との関係から考えても、明らかに誤ったものである。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、不可分一体として一連でのみ判断されるべきものであるから、引用商標とは非類似であり、商標法第4条第1項第11号には該当しない。

5 当審における証拠調べ通知

当審において、平成20年2月15日付で、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果(商標法第56条で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知)について、請求人に対し、所定の期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した内容は、以下のとおりである。

第1 本件商標は、「ベーカリールネッサンス」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ベーカリー」の文字部分に関して行った証拠調べによれば、以下の事実が認められる。

1 辞典等

(1)「ベーカリー【bakery】」の項に、「パン・洋菓子を製造・販売する店。」との記載(株式会社岩波書店発行 広辞苑第五版)。

(2)「ベーカリー[bakery]」の項に、「パン屋.パンや洋菓子などを製造・販売する店.」との記載(2002年11月1日 株式会社三省堂発行 コンサイスカタカナ語辞典第2版)。

(3)「ベーカリー(bakery)」の項に、「パン焼工場。製パン所。パン・菓子・ケーキ類製造販売店。パン屋」との記載(2004年1月1日 株式会社自由国民社発行 現代用語の基礎知識)。

(4)「ベーカリー[bakery]」の項に、「パン屋,パン・菓子類の製造販売店」との記載(2004年1月1日 株式会社朝日新聞社発行 知恵蔵)。

(5)「ベーカリー[英bakery]」の項に、「パン屋のこと.また,パン,菓子,ケーキ類の販売店もいう.」との記載(平成4年3月3日 社団法人全国調理師養成施設協会発行 調理用語辞典)。

2 新聞記事において、「ベーカリー」の文字が、「パン・洋菓子を製造・販売する店」等として使用されている事実。

(1)「障害者授産施設:運営の手作りパン店、山交百貨店のフェアに出店−−あすから /山梨」の見出しのもと「身体障害者通所授産施設『ぎんが工房』が運営する手作りパン店『き・ら・らベーカリー』(甲斐市竜王)が、13〜18日に山交百貨店(甲府市)で行われる『こだわりの“パンと食材”フェア』に出店する。」との記載(2005.04.12 毎日新聞地方版/山梨)。

(2)「おうみのお店:パン屋『イセムラベーカリー』 『良い物を安く』提供 /滋賀」の見出しのもと「JR大津駅前の『平和堂アル・プラザ大津』1階にあるパン屋『イセムラベーカリー』。74年の創業以来、買い物客や通勤客に慕われ続ける理由は、お客さん本位の心遣い。『毎日通ってくれるサラリーマンの懐具合を考えて』と、消費税導入の時も値上げはしなかった。生地は業者の既製品ではなくオリジナルを使用。菓子パンの生クリームも手作りでケーキ屋にも劣らない。」との記載(2005.03.16 毎日新聞地方版/滋賀)。

(3)「[いい味見つけた]ベーカリー『ピッコロ』 丹精込め焼く100種類=石川」の見出しのもと「七塚ショッピングセンター『トマト』の中にある『ベーカリー ピッコロ』。店内の一角にある販売スペースからは香ばしいパンの香りが漂い、訪れた客を優しく迎えてくれる。パン職人歴二十三年の店主、能沢文樹さん(46)が毎日、丹精込めて焼き上げるパンは約百種類。中でも、菓子パンは飽きが来ないようにと、毎月約六種の新商品を開発するという。」との記載(2004.09.03 読売新聞東京朝刊)。

(4)「障害者の自立目指し、角田にパン店『がぎゅうベーカリー』がオープン=宮城」の見出しのもと「障害を持つ人たちが自立を目指すパン店『がぎゅうベーカリー』が、角田市角田流の複合施設『仙南シンケンファクトリー』内にオープンした。」との記載(2004.05.13 読売新聞東京朝刊)。

(5)「[ラジオBANG!]大林素子がパン“考案” 『バリボ』の名で宇都宮の店頭に」の見出しのもと「文化放送のワイド番組『野村邦丸のごきげん!二重丸◎』(月−金曜、前9・00)が考案した特製菓子パンがこのほど、宇都宮市内のパン店『アングラーズ・ベーカリー』で発売され、人気を呼んでいる。」との記載(2003.11.27 読売新聞東京夕刊)。

(6)「[ほのぼの笑顔]宅配専門パン屋営業地域長 西川景子さん=徳島」の見出しのもと「徳島市国府町延命、宅配専門パン屋『アネシーベーカリー』の“移動店舗”の車に乗って、県内外を駆け回ってパンを売る営業地域長の西川景子さん(32)は明るく話す。木目調にデザインされた車の側面の扉を開けると、菓子パンやサンドイッチなど約200種類が並ぶ。」との記載(2003.02.24 読売新聞大阪朝刊)。

(7)「チーズケーキ 評判の味、男性にも人気(味わう) /高知」の見出しのもと「高知市知寄町一丁目の和洋菓子・パン屋『コミベーカリー』に、『おいしい』と評判のチーズケーキがある。『一度食べたらやめられない』『チーズケーキは苦手だけど、[コミベーカリー]のなら食べられる』と、常連客も多いという。」との記載(1999.04.08 朝日新聞大阪地方版/高知)。

(8)「[大和あっちこっち]奈良女子大かいわい 今も残るレトロな雰囲気 /奈良」の見出しのもと「女子大の門を出て南へ。突き当たりの『ベーカリー・ポポロ』(同市鍋屋町)は女子大の学生に人気のパン屋さんだ。」との記載(1998.12.06 毎日新聞地方版/奈良)。

(9)「『食パン』だけど『菓子パン』 切通理作(わたしの満漢全席)」の見出しのもと「朝に出た食パンは『花敷ベーカリー』と書いてあるビニールに包まれていた。山の中腹にある花敷温泉郷のパン屋から運ばれてくるのだという。ハチミツが入っているのか、この食パンはほのかな甘さがあり、バターを塗っただけで絶妙な味になった。」との記載(1997.05.09 朝日新聞東京夕刊)。

(10)「[ポエムナード銀座]東京・志村銀座 立ち並ぶ手作りの店」の見出しのもと「手作りパンの店『マルフクベーカリー』 昭和二十四年に創業。オリジナルばかり毎日百種類以上のパンを焼く。焼きソバパン(百六十円)、コロッケパン(百三十円)、フリッターパン(百六十円)などおかずシリーズが人気。菓子パンやケーキにも工夫を凝らし、飽きさせない。」との記載(1991.08.01 読売新聞東京夕刊)。

3 インターネット情報において、「ベーカリー」の文字が、「パン・洋菓子を製造・販売する店」等として使用されている事実。

(1)「カタネベーカリー 代々木上原と幡ヶ谷の間にある小さなパン屋です。 毎日コツコツとまじめにパンを焼いています。」との記載(http://www4.point.ne.jp/~katane/)。

(2)「京都府宇治市のパン屋さん ベーカリー・タマキ」との記載(http://www.wao.or.jp/tamaki/)。

(3)「パン工房ヒルベーカリー 定休日は毎週火曜日です。 ヒルベーカリーは、原料に小麦ではなく、米粉を使った米粉パンを作っているパン屋さんです。」との記載(http://seishu.sakura.ne.jp/hill/index.htm)。

(4)「BAKERY BELL 天然酵母パンも。札幌のこだわりパン屋 ベーカリー★ベル」との記載(http://www.bakerybell.com/)。

(5)「KIBIYAベーカリー 自家製天然酵母のパン 地元客や観光客にも大人気。天然酵母のパンのお店。」との記載(http://www.treep.jp/2006/04/kamakura_kibiya.html)。

(6)「メロンパン専門店ふくやまベーカリー。こだわり抜いた独自の製法でひとつひとつ手作りのメロンパンが自慢です。」との記載(http://www.fukuyama-bakery.com/)。

(7)「シュトーレン パン 武蔵野三鷹 ベーカリーオーフェン はフランスパン の おいしいお店」との記載(http://www.h5.dion.ne.jp/~ofen-pan/inda.html)。

(8)「トーホーベーカリー 昭和のぬくもりを残しつつ、新作パン作りにも意欲的なパン屋です」との記載(http://www.toho-bakery.co.jp/)。

(9)「福井県内のおいしいパン屋さんが大集合!! ベーカリープラザでは、福井県内のおいしいパン屋さんが集合して、パンの販売を行っています。」との記載(http://www.bakery-plaza.jp/index.html)。

(10)「いらっしゃいませ!『ベーカリー藤田屋』です。当店のパンは全て『手捏ね』です。独特のふんわり感をお楽しみください。」との記載(http://ameblo.jp/b-fujitaya/)。

第2 以上のように、当審で行った辞典、新聞記事の調査及びインターネット情報の事実を総合的に勘案すると、本件商標中の「ベーカリー」の文字が「パン・洋菓子を製造・販売する店」等として使用されている事実がある。

してみれば、本件商標は「ベーカリールネッサンス」の文字を書してなるところ、その構成中の「ベーカリー」の文字部分は、パン・洋菓子の業界おいて、店舗名等を表す他の語と結合して、「○○ベーカリー」又は「ベーカリー○○」のように、営業表示として、ごく一般的に使用されているところであり、その主たる需要者である一般の消費者の間にも広く認識されていることは周知の事実といえるから、請求に係る指定商品中の「菓子及びパン」との関係では、自他商品識別機能を有しない部分とみるのが相当である。

6 当審における証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点

(1)本件商標は、原審において、また、審判における登録異議申立において、いずれも「ベーカリー」が「パン・洋菓子を製造・販売する店」を意味し、識別力を欠くが故に、その要部が「ルネッサンス」と認定され、一度は拒絶理由通知や取消理由通知において、引用商標と類似すると判断された。しかし、被請求人の本件商標が不可分一体で一連でのみ判断されるとの主張、証拠により、いずれも登録され、或いは、登録維持の決定がなされたものである。

そして、その主張の中で、被請求人は、「ベーカリー」が「パン・洋菓子を製造・販売する店」を意味すること、また、その様な意味を表示する語として他の語に付して「ベーカリー○○」の様に普通に使用されている事実が存在していることは、否定していない。被請求人は、むしろ「ベーカリー」の用語の意味合いや取引の実情における使用の事実よりも、この「ベーカリー」の文字と後続の「ルネッサンス」の文字との結合状態や密接不可分な観念イメージにおいて、本件商標が不可分一体であり、一連でのみ判断されるべきものであると主張し続けてきたものである。

(2)証拠調べ通知書の内容は、被請求人も従来否定していない事実を述べるのみであり、本件商標が、「ベーカリー」の文字と「ルネッサンス」の文字との結合において、如何に評価されるべきか、仮に本件商標に於いて「ベーカリー」と「ルネッサンス」を殊更分離して、かつ、「ルネッサンス」を要部と判断しなければならない点について、特に一般的な記述的表示を伴って同書同大等間隔に「○○ルネッサンス」と表示される標章が、一連でのみ判断されるのか、或いは「○○が無視されて「ルネッサンス」のみで判断されるかという点については、全く言及することなく、かつ、証拠調べも行うことなく、単に「ベーカリー」の用語に識別力が無く、かつ、「ベーカリー○○」等が普通に使用されているという事実をもってのみ、本件商標の要部が「ルネッサンス」と認定されると判断することは、先の登録査定の判断はさておき、同一人の間で争われた登録異議の決定にも齟齬するものと思料する。

(3)この様な特許庁の登録異議の決定があるにも拘わらず、本件審判において、本件商標と引用商標とが類似すると認定するためには、「ベーカリー」の文字に識別力が無い事実、及び、「ベーカリー○○」等の名称が店舗名として普通に使用されている事実を、各々示すのみでは足りず、今までに原審でも、異議申立でも示されなかった新たな事実を要すると認められ、かつ、それは、被請求人の主張を覆す程度の事実でなければならず、結局は、本件商標「ベーカリールネッサンス」と同様の構成を有する「○○ルネッサンス」の表示が、一連でのみ判断されず、「○○」と「ルネッサンス」に分離され、かつ、「ルネッサンス」の文字のみを以て識別標識として機能している事実を示さない限り、被請求人としても、今回の判断を到底承服することはできず、また、この様な行政の統一性の無い処分の正当性は、司法の場においても到底維持できるものではないと確信する。

(4)尚、今回の証拠調べ通知書において通知された各証拠は、本件商標「ベーカリールネッサンス」において、「ベーカリー」自体の識別力が否定されるとしても、これを「ルネッサンス」のみで要部観察し判断すべきことを正当化する事実には、全くなり得ないものであると思料する。

(5)即ち、「1 辞書等(1)ないし(5)」は、単に「ベーカリー」の辞書上の意味合いを云々するのみで、これは、被請求人も全く否定していない。

次に、「2 新聞記事において使用されている事実(1)ないし(10)」は、「ベーカリー」に結合する語句を順次見ていくと、以下の通りである。

(1)「き・ら・ら」 (○○ベーカリー)

(2)「イセムラ」 (○○ベーカリー)

(3)「ピッコロ」 (ベーカリー ○○)

(4)「がぎゅう」 (○○ベーカリー)

(5)「アングラーズ」 (○○・ベーカリー)

(6)「アネシー」 (○○ベーカリー)

(7)「コミ」 (○○ベーカリー)

(8)「ポポロ」 (ベーカリー・○○)

(9)「花敷ベーカリー」 (○○ベーカリー)

(10)「マルフク」 (○○ベーカリー)

以上、これらの「ベーカリー」に附加される各語は、本件商標の「ルネッサンス」等の様に、前半に何らかの語句を伴い「〜復興、〜再生」等という密接不可分な観念イメージを生じさせる様なものは、全く存在していない。のみならず、「ベーカリー○○」という構成を有する(3)は、「ベーカリー」と後続語の間に一文字分の空白が設けられており、また、(8)は、「ベーカリー」と後続語の間に前後を分離する機能を有する中黒点を介在させている。

(6)したがって、上記(1)ないし(10)の事実が存在するとしても、本件商標を「ルネッサンス」のみで判断する適切な根拠を示したことにはならないと、被請求人は思料する。

(7)更に、「3 インターネット情報において使用されている事実(1)ないし(10)」も、同様に見ると以下の通りである。

(1)「カタネ」 (○○ベーカリー)

(2)「タマキ」 (ベーカリー・○○)

(3)「(パン工房)ヒル」 (○○ベーカリー)

(4)「BELL/ベル」 (ベーカリー★○○)

(5)「KIBIYA」 (○○ベーカリー)

(6)「ふくやま」 (○○ベーカリー)

(7)「オーフェン」 (ベーカリー○○)

(8)「トーホー」 (○○ベーカリー)

(9)「プラザ」 (ベーカリー○○)

(10)「藤田屋」 (ベーカリー○○)

以上、(9)以外は、「ベーカリー」に附加される各語は、やはり本件商標の「ルネッサンス」と同等に評価することはできない。また、(2)及び(4)は、「ベーカリー」に後続語が附加されるが、各々中黒点や星印で分離される態様となっており、本件商標と同様に、同書同大等間隔に構成される(7)は、「オーフェン」が固有名詞と認められ、「ルネッサンス」とは同様に評価できず、更に(10)も、固有名詞で、同様に評価することはできない。

(8)したがって、これらの事実をもって、本件商標の要部を「ルネッサンス」と認定することは、やはり妥当性を欠くと認められる。

(9)尚、上記(9)は、「ベーカリープラザ」の構成から、本件商標と同様に「パン屋広場」等の密接不可分な観念を生じさせ、不可分一体として一連でのみ判断されるものと認められるが、証拠調べ通知においては、その事実が単に掲載されているのみで、この「ベーカリープラザ」が「プラザ」のみで認識され判断されているという事実を全く示していない。

(10)以上、証拠調べ通知で指摘された各事実は、被請求人の主張を検討し比較すると、本件商標を「ルネッサンス」のみで判断することを正当付ける証拠とは到底認め難く、この様な証拠調べのみを以て、本件商標と引用商標とを類似すると判断することはできないと確信する。

(11)以上、まとめると、本件商標は、証拠調べ通知の内容を検討しても、従前の登録査定・登録異議決定の判断と同様、「パン屋復興」等の密接不可分な観念を有する造語として記憶、認識され、一連でのみ判断されるものと認められ、引用商標とは明らかに非類似であり、答弁の趣旨同旨の審決を求める。

7 当審の判断

(1)本件商標と引用商標の類否

(ア)本件商標は、前記のとおり、「ベーカリールネッサンス」の文字を書してなるものであるところ、その構成中の「ベーカリー」の文字部分は、「パン・洋菓子を製造・販売する店」(甲第6号証の1及び2、前記5 第1 1)を意味する外来語であって、この種商品の業界おいて、店舗名等を表す他の語と結合して、「○○ベーカリー」又は「ベーカリー○○」のように、営業表示として、ごく一般的に使用されているところであり(この点について、当事者間に争いがない。)、その主たる需要者である一般の消費者の間にも広く認識されていることは、前記5 第1 2及び前記5 第1 3の証拠調べ通知に示した事実によれば、周知の事実といえる。一方、本件商標中の「ルネッサンス」の文字部分は、「(再生の意)13世紀末葉から15世紀末葉へかけてイタリアに起り、次いで全ヨーロッパに波及した芸術上および思想上の革新運動。現世の肯定、個性の重視、感性の解放を主眼とするとともに、ギリシア・ローマの古典の復興を契機として、単に文学・美術に限らず広く文化の諸領域に清新な気運をひきおこし(人文主義)、神中心の中世文化から人間中心の近代文化への転換の端緒をなした。文芸復興。学芸復興。ルネッサンス。」(広辞苑第五版)を意味する外来語として、我が国の一般世人に広く知られているものである。

そうすると、本件商標は、一連に書されているものであるとしても、「ベーカリー」と「ルネッサンス」の2語を結合したと直ちに認識されるものであって、これらの2語を結合することにより、我が国で親しまれた熟語的意味合いが生ずるものではない。また、本件商標全体から生ずると認められる「ベーカリールネッサンス」の称呼もやや冗長にわたるものである。さらに、「ベーカリー」の語は、前記認定のとおり、「パン・洋菓子を製造・販売する店」を意味するものであり、本件商標の指定商品中の「パン及び菓子」との関係からみると、商品の販売場所・販売形態等を表示するものとして、自他商品の識別標識としての機能を有しないものいうべきである。

してみれば、本件商標は、これに接する需要者をして、「ルネッサンスなる名称のパンや洋菓子を製造、販売する店」なる意味合いをもって、「ルネッサンス」の文字部分が自他商品の識別機能を果たし得る部分であることを認識させるとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、構成文字全体を称呼した場合の「ベーカリールネッサンス」の称呼のほか、その指定商品中の「パン及び菓子」との関係から、自他商品の識別機能を果たし得る「ルネッサンス」の文字部分より、単に「ルネッサンス」の称呼及び「文芸復興。学芸復興。ルネッサンス。」の観念をも生ずるものといわなければならない。

(イ)これに対して、引用商標は、「ルネッサンス」の文字を書してなるものであるから、これより「ルネッサンス」の称呼及び「文芸復興。学芸復興。ルネッサンス。」の観念を生ずるものである。

(ウ)以上によれば、本件商標と引用商標は、いずれも「菓子及びパン」を指定商品中に含むか、あるいは指定商品とするものであって、指定商品が同一又は類似するものであるから、これら商標を「菓子及びパン」について使用するときは、「ルネッサンス」の称呼及び「文芸復興。学芸復興。ルネッサンス。」の観念を同じくする類似の商標というべきである。

(2)被請求人の主張について

(ア)被請求人は、本件商標は、同書同大等間隔であり、その自然称呼である「ベーカリールネッサンス」も一気一連に称呼されるから、外観及び称呼上分断の要因はなく、また、「パン屋復興、菓子パンやケーキ類の製造販売店の再生」等の密接不可分な独特の意味を有する造語を形成するものであるから、不可分一体の商標として認識されるもので、引用商標とは非類似である旨主張する。

確かに、本件商標を構成する「ベーカリールネッサンス」の文字は、同書同大等間隔で表されていることは認められるとしても、前記(1)(ア)認定のとおり、「ベーカリー」と「ルネッサンス」の2語を結合したものと直ちに認識されるものであって、しかも、両語を結合した結果、親しまれた熟語的意味合いが生ずるものではない。つまり、「ルネッサンス」の語は、前記認定のとおり、「文芸復興。学芸復興。ルネッサンス。」などの意味を表す外来語として知られているものであって、「パン・洋菓子を製造・販売する店」を意味する「ベーカリー」の語とは、それぞれの意味の上からみて関連性に欠ける結びつきというべきであり、被請求人が主張するところの「パン屋復興、菓子パンやケーキ類の製造販売店の再生」等の意味合いは、牽強付会の説にすぎないものといわざるを得ない。むしろ、「菓子及びパン」を取り扱う業界において、「ベーカリー」の語が「パン・洋菓子を製造・販売する店」を意味するものとして普通に使用されている実情からすれば、本件商標に接する需要者は、その構成中の「ルネッサンス」の文字部分に自他商品の識別機能を有するものと理解するとみるべきである。

したがって、上記被請求人の主張は理由がない。

(イ)また、被請求人は、本件商標の現実の使用態様からすれば、本件商標は、「パン屋復興」等の密接不可分な観念を有する造語として認識されるものである旨主張し、乙第1号証を提出する。

乙第1号証によれば、「Bakery Renaissance」の文字の下に、「カンテボーレは店内で生地からつくるスクラッチ製法。いつも焼きたてをお届けしています。」等の文字が書されていることが認められるところ、上記「Bakery Renaissance」の文字は、上段に大きく表され、しかも、「Bakery」と「Renaissance」の各文字の間に1字程度の間隔があることからすると、たとえ「カンテボーレ」の文字があるとしても、その需要者が一見して「パン・洋菓子を製造・販売する店(Bakery)」の主体が「Renaissance」であることを表したと理解する場合も決して少なくないものであり、上記表示方法をもって、「ベーカリールネッサンス」の文字を一連に表してなる本件商標より、直ちに「パン屋復興」等の観念が生ずるものと認めることはできない。そもそも「ベーカリー」の語は、前記認定のように、「パン・洋菓子を製造・販売する店」を意味する語であり、乙第1号証の「運営形態」中の「ベーカリー」の項目に「素材や製法にこだわったベーカリーを提供している店舗です。」とあるように、世間一般のベーカリーにおいて、それぞれの店舗でその店独自の製法でパンや洋菓子を製造し、焼きたての商品を販売する店が多数存在するとみられるところから、乙第1号証の表示方法をもって、「Bakery Renaissance」の文字より直ちに「パン屋復興」等の観念のみが生ずるとみることはできない。他に乙第1号証から、本件商標が「パン屋復興」等の観念のみを生ずると認めるに足る記述は見出せない。

したがって、上記被請求人の主張は理由がない。

(ウ)さらに、被請求人は、「ルネッサンス」の語は、「○○ルネッサンス」等と構成して、「○○復興」等の意味合いできわめて一般に使用されている旨主張し、「ルネッサンス」又は「ベーカリー」の文字よりなる商標と「ルネッサンス」又は「ベーカリー」の文字を含む商標とが併存して登録されている事例として、乙第2号証ないし乙第61号証を提出する。

しかし、被請求人の示した登録例の存在の事実は認められるとしても、本件商標と引用商標とが類似するか否かは、両商標の指定商品の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断すべきものであり、本件においては、前記認定のとおり、請求に係る指定商品中の「菓子及びパン」を取り扱う分野の取引の実情を考慮すれば、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において類似する商標というべきものであり、被請求人の挙げた登録例の存在の事実は、上記判断を左右するものではなく、本件商標と引用商標との類否判断に影響を与えるものではない。

したがって、上記被請求人の主張は理由がない。

(エ)さらにまた、被請求人は、意見書において、単に「ベーカリー」の用語に識別力が無く、かつ、「ベーカリー○○」等が普通に使用されているという事実をもってのみ、本件商標の要部が「ルネッサンス」と認定されると判断することは、同一人の間で争われた登録異議の決定にも齟齬する旨主張する。

しかし、「ルネッサンス」の語は、「文芸復興。学芸復興。ルネッサンス。」などの意味を表す外来語として知られていること、及び「ベーカリー」と「ルネッサンス」の2語を結合したものと直ちに認識されることは、前記のとおりであり、商標の類否についても、両商標の指定商品の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断すべきものであることも前記のとおりであるから、上記被請求人の主張は理由がない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「菓子及びパン」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。

しかしながら、本件商標は、本件請求に係る指定商品中の「菓子及びパン」以外の商品については、これを「ベーカリー」と「ルネッサンス」との文字部分に分離して観察しなければならない格別の理由は見出せないから、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれについても非類似の商標というべきである。したがって、本件商標の登録は、本件請求に係る指定商品中の「菓子及びパン」以外の商品については、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではなく、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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