結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−301018(T2007−301018/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1739855号商標(以下「本件商標」という。)は、「PROOF」及び「プルーフ」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和56年5月28日に登録出願、第4類「化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、同60年1月23日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成17年5月25日、第3類「化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」に書換登録がなされたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第6号証(なお、弁駁における書証番号が第1号からとなっており重複するので、これらの号数を順次繰り下げた。)を提出した。
(1)請求の理由
請求人が本件商標の使用の有無を調査したところ、以下のような調査結果が判明した。
(a)被請求人の「お客様相談室」からのメール回答によると、被請求人が製造販売している商品は、被請求人のホームページにおいてすべて紹介されているということである。そこで、請求人は、被請求人及びその関連会社のホームページに紹介されているすべての商品につき、本件商標の使用の有無をチェックしたが、本件商標の使用と認められる商標の使用は発見されなかった。
(b)東京都情報公開条例第11条第2項の規定に基づき、被請求人を届出人とする、販売名に「プルーフ」を含む化粧品に関する、化粧品製造販売届書等(薬事法施行規則の様式第39(1))の情報公開を東京都に申請したが、開示決定通知書(19福保険薬第824号平成19年7月20日)において、本件商標と認められる商標は発見されなかった。
(c)我国における化粧品の総覧である「cosmetics in japan」(株式会社週刊粧業発行)においても、本件商標と認められる商標は発見されなかった。
(d)被請求人の商品を扱う小売店(マツモトキヨシ吉祥寺店、サンドラッグ吉祥寺店、パワードラッグワンズワン吉祥寺店)において、本件商標と認められる商標を付した商品(特に口紅)を扱っているかどうか、また、そのような商標を知っているかどうか尋ねたが、どの販売担当者からも否定的な回答しか得られなかった。
(e)被請求人は、平成6年12月28日付の商標権存続期間更新登録願において、本件商標の使用の事実を示す書類として、商標「プルーフルージュS」及び「PROOF ROUGE」が付された口紅の写真を添付している。そこで、請求人は、これらの写真を上記小売店を含む十数件の小売店の販売担当者に見せ、このような使用態様の商標を付した口紅に見覚えがあるかどうか、また、現在そのような口紅を販売しているかどうか尋ねたが、肯定的な回答は一切得られなかった。
(f)化粧品以外の指定商品についても、必要な調査を行ったが、本件商標の使用と認められる資料は発見されなかった。
以上の事実より、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても、我が国内において、継続して3年以上、いずれの指定商品についても、本件商標が使用されていないことが推認される。
また、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれにも、指定商品のいずれかにつき、本件商標を使用していないことについて、正当な理由を発見できなかった。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されてしかるべきである。
(2)弁駁
乙第1号証ないし同第17号証によっては、本件商標の使用を認めることはできない。
なぜなら、使用に係る商標が登録商標と社会通念上同一のものかどうかは、登録商標に係る指定商品の属する産業分野における商取引の実情を十分考慮し、それらの外観、称呼及び観念からみて同一性があるかどうかが判断されるべきであるが、乙第1号証、乙第6号証ないし同第9号証及び同第14号証により示された使用に係る商標(以下「本件使用商標」という。)と本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても同一性を欠くものだからである。
(ア)観念上の同一性を欠く根拠について
英和辞典によると、本件商標の構成文字である「PROOF」には、「(材料などが...に)耐える」との意味がある(甲第3号証)。また、外来語辞典によると、本件商標の構成文字である「プルーフ」には、「耐水強化」との意味がある(甲第4号証)。更に、英文字「WATER PROOF」及びその片仮名「ウオータープルーフ」については、「防水」の意味を表わす語句として、多くの化粧品に使用されている(甲第5号証)。したがって、化粧品の需要者・取引者には英文字や外来語に慣れ親しんでいる若い女性が多いことを考慮すると、本件商標の使用状況によっては、「PROOF」又は「プルーフ」が「防水性」又は「耐水性」の意味として認識され、一種の品質表示的な機能を発揮するに至るものと推認される。
この点、第1に、本件使用商標である「PROOF AUTO EYE LINER」、「プルーフオート/アイライナー」(乙第1号証)、「プルーフシャイニールージュ」、「プルーフオートアイライナー」(乙第6号証ないし同第8号証)、「プルーフシャイニー/ルージュ」、「プルーフ/シャイニールージュ」(乙第9号証)、「プルーフ/リップカラー」、「プルーフリップカラー」(乙第14号証)を見ると、それらは、汗や湿気等の水分により落ちることを常態とする「アイライナー」又は「口紅」のみに使用されている(乙第1号証、乙第6号証ないし同第9号証、乙第14号証)。
第2に、本件使用商標中、「PROOF AUTO EYE LINER」、「プルーフオート/アイライナー」(乙第1号証)、「プルーフシャイニールージュ」、「プルーフオートアイライナー」(乙第6号証ないし同第8号証)、「プルーフシャイニー/ルージュ」(乙第9号証)、「プルーフ/リップカラー」(乙第14号証)には、被請求人又は通常使用権者が自ら「PROOF」又は「プル一フ」に「防水性」又は「耐水性」の意味があることを認めているかの如く、「汗・水に強い」、「色&ツヤおちにくい」、「落ちにくい」、「落ちにくい口紅」等の効能書きが付加されている(乙第1号証、乙第6号証ないし同第9号証、乙第14号証)。
第3に、本件使用商標の構成文字である「PROOF」又は「プルーフ」は、本件使用商標を構成する他の文字と同じ字形、同じ書体、同じ大きさ、同じ色で表記されている。本件使用商標に係る商品のシリーズ名の英文字表記である「ferme」及び「Joi−up」が特殊な書体で且つ単独で表記されている(乙第1号証、乙第6号証ないし同第9号証、乙第14号証)ことと比較すると、「PROOF」又は「プルーフ」は、全く目立たない態様で表記されている。
したがって、本件使用商標に接した需要者・取引者は、「PROOF」又は「プルーフ」を識別標識として捉えるというより、「アイライナー」又は「口紅」の品質・特徴を示す語として捉えるのが自然と思われる。
第4に、乙第6号証ないし同第8号証に示された「フェルム」シリーズの個々の商品名を見ると、少なくとも「プルーフシャイニールージュ」、「プルーフオートアイライナー」以外は、すべて普通名称又は商品の品質・特徴を示す語が付加された普通名称から成っている。乙第14号証の商品見本が属する「ジョイアップ」シリーズの個々の商品についても、同様である(甲第6号証)。
したがって、本件使用商標に接した需要者・取引者は、「PROOF」又は「プルーフ」を識別標識として捉えるというよりは、やはり「アイライナー」又は「口紅」の品質・特徴を示す語として捉えるのが自然と思われる。
かかる本件使用商標の使用状況からすると、本件使用商標に接した需要者・取引者がその構成文字である「PROOF」又は「プルーフ」を、それら本来の意味と相俟って、「防水性」又は「耐水性」の意味として認識するのは、極めて自然であり、且つ、取引の実際に即したものと思料する。
そうとすれば、本件使用商標の構成文字である「PROOF」又は「プルーフ」と本件商標とは観念上相違するものと言わざるを得ない。
(イ)称呼上の同一性を欠く根拠について
(ア)で述べたように、本件使用商標に接した需要者・取引者が、その構成文字である「PROOF」又は「プルーフ」を「防水性」又は「耐水性」の意味と認識するとすれば、それらのみを称呼して商品を特定しようとすることは不自然であり、観念上のまとまりからみても、本件使用商標をその構成文字全体に即して称呼しようとするのが自然である。
本件使用商標の使用状況を見ても、第1に、(ア)で述べたように、乙第6号証ないし同第8号証に示された「フェルム」シリーズの個々の商品名を見ると、少なくとも「プルーフシャイニールージュ」、「プルーフオートアイライナー」以外は、すべて普通名称又は商品の品質・特徴を示す語が付加された普通名称から成っている。乙第14号証の商品見本が属する「ジョイアップ」シリーズの個々の商品についても、同様である(甲第4号証)。したがって、「フェルム」シリーズ及び「ジョイアップ」シリーズの個々の商品を特定するには、識別性を有しない普通名称等まで称呼しないわけにはいかない。このことを裏付けるように、乙第6号証ないし同第8号証の各々の後半には、商品内容の一覧表及び商品バーコードの一覧表が掲載され、そこに個々の化粧品の商品名が記載されている。これらの一覧表は、取引上の便から掲載されたものであり、そこに記載された商品名は、正に個々の化粧品が取引に供される場合の呼び名と言えるものである。「プルーフシャイニールージュ」及び「プルーフオートアイライナー」もこれらの商品名として、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔、同じ色で記載されているところをみると、構成文字全体に即して称呼されることにより初めて特定される商品名と言う他ない。また、乙第16号証には「フルーフリッフカラー」との記載があるが、これは、取引上「プルーフリップカラー」を特定するのに「プルーフ」のみを抽出し、称呼していないことを示すものである。
第2に、本件使用商標の構成文字全体から生ずる「プルーフシャイニールージュ」、「プルーフオートアイライナー」及び「プルーフリップカラー」は、少々冗長ではあるが、流れるような音感があり、英語に慣れ親しんだ化粧品の需要者・取引者ならば、一気に淀みなく称呼するのに何の抵抗感もないものと思われる。
第3に、本件使用商標の構成文字である「PROOF」又は「プルーフ」は、本件使用商標を構成する他の文字と同じ字形、同じ書体、同じ大きさ、同じ色で表記されており、特別それらだけを称呼させるような態様で表記されていない。
そうとするならば、本件使用商標に接した需要者・取引者は、簡易・迅速を旨とする化粧品取引業界の要請があっても、なおそれらの構成文字全体に即してそれらを称呼するのであり、「PROOF」又は「プルーフ」のみを抽出し、称呼することはあり得ない。したがって、本件使用商標の称呼と本件商標の称呼は、明らかに相違するから、両者は称呼上の同一性を欠くものである。
(ウ)外観上の同一性を欠く根拠について
本件使用商標は、いずれも同じ字形、同じ書体、同じ大きさ、同じ色で表記されており、外観上まとまりよく構成されており、全体で一つの商標と見るべきであるから、本件使用商標と本件商標が外観上の同一性を欠くことは明らかである。
以上のとおり、本件使用商標の使用状況に鑑みると、本件使用商標と本件商標は、称呼、観念、外観のすべてが相違するものであり、自他商品識別標識として同一の機能を果たしているものではないから、両者間に社会通念上の同一性は消失しているものといわざるを得ない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第17号証を提出した。
(1)被請求人は、本件商標に係る指定商品中「化粧品」について、本件商標または本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、審判請求の登録前3年以内に使用している。
本件商標は、欧文字「PROOF」と片仮名文字「プルーフ」を上下二段に併記してなるものであるが、以下に示すとおり、被請求人または通常使用権者が使用する商標の使用態様は、欧文字「PROOF」または片仮名文字「プルーフ」である。これらが社会通念上同一と認められるものであることは、称呼及び観念が同一であることから、明らかである。
(2)商品「オートアイライナー」への使用
乙第1号証として、被請求人の製造、販売に係る商品「オートアイライナー」の商品見本を提出する。その商品の包装裏面上部に「キスミー フェルム」「プルーフオート」「アイライナー」の表示があり、商品自体に「PROOF AUTO EYELINER」の表示がある。
ここにおいて、「オートアイライナー」「AUTO EYELINER」は、商品の普通名称である。即ち、アイラインを入れるための化粧品である商品「アイライナー」は、一般に、筆タイプのものと、ペンシルタイプのものに大別される。筆タイプのものは、そのアイライナーをパレットに付けて使用するタイプと、内蔵式の筆ペンタイプのものがある。また、ペンシルタイプのものは、鉛筆のように削って使用するものと、繰り出し式のものがある。その内蔵式の筆ペンタイプのものと、繰り出し式のペンシルタイプのものを取引上一般に「オートアイライナー」「AUTO EYELINER」と称している。
乙第2号証は、株式会社資生堂の製造、販売に係る「レシェンテ」オートアイライナー(レフィル)である。なお、「レフィル」は、詰め替え用であることを意味する用途表示である。乙第3号証は、株式会社ノエビアの製造、販売に係る「オートアイライナーN」である。乙第4号証は、株式会社B&Cラボラトリーズの製造、販売に係る「オートアイライナー ホルダー」である。乙第5号証は、株式会社オーガンディーラボラトリーズの製造、販売に係る「オート アイライナー」である。
このように、競合各社が「オートアイライナー」または「オート アイライナー」を商品の普通名称として使用している事実がある。
したがって、乙第1号証に表示された「オートアイライナー」及び「AUTO EYELINER」の部分は商品の普通名称であるから、残余の「プルーフ」及び「PROOF」部分が独立して識別機能を発揮するものである。
また、被請求人が本件商標または本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した商品「オートアイライナー」は、乙第6〜8号証の商品カタログ「キスミー フェルム」(2005年〜2007年)において掲載されている事実からも、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていることは立証するに十分であると思料する。なお、乙第6〜8号証の商品カタログの発行年度は、裏表紙の左上方に記載してある。これらの証拠方法で、本件商標が過去3年以内に商品「オートアイライナー」に使用された事実を立証するに十分であると思料するが、さらに、本年3月から5月の売上伝票の一部については、必要に応じ、直ちに提出することが可能である。
(3)商品「口紅」についての使用
乙第9号証として、商品見本を提出する。その商品の包装裏面上部に「キスミー フェルム」「プルーフシャイニー」「ルージュ」の表示があり、商品自体の底面に「キスミー」「フェルム プルーフ」「シャイニールージュ」の表示がある。
「ルージュ」は、我が国において「口紅」または「赤色」を意味するものである。また、「シャイニー」の語は、近時、色や質感に加え、光沢の重要性が増しており、光彩を放つパールやラメが混入された口紅を各化粧品メーカーが挙って製造、販売しているが、かかるパールやラメが混入された光沢のある口紅、または、かかる光沢のある赤色を「シャイニールージュ」と称して取引に供されている事実がある。
その一つは、「イヴサンローラン」の「口紅」の説明文として、「ピュアな輝きと透明感を凝縮した色鮮やかなシャイニールージュ。」(乙第10号証)。また、株式会社コーセーの「VISSE」「デュアル シャイニー ルージュ パレット」(乙第11号証)がある他、エスティローダーの「ルージュ ヴィブラシオン」を称して「多種類の光成分が唇にまばゆいほどの光をもたらす、シャイニールージュの最先端ともいうべき存在。」なる表現がある(乙第12号証)。さらに、ロレアル社の「エルセーヴ」ヘアートリートメント及び染毛料の色彩表示として「シャイニールージュ」がある(乙第13号証)。その他、「シャイニー」が「光沢を放つパールやラメを混入した色彩」を意味するものとしては、広く一般に使用されている事実がある。
したがって、乙第9号証として提出した商品「口紅」における「シャイニールージュ」は、商品の普通名称であるか、少なくとも「パールやラメを混入した光沢のある口紅」を意味する商品の品質表示であるから、残余の「プルーフ」部分が独立して自他商品識別機能を発揮するものである。
なお、先に言及した商品カタログの各2頁、10頁表中段等、12頁表中段等、及び、15頁において「プルーフシャイニールージュ」の表示がある。
かかる事実から、本件商標が請求登録前3年以内に商品「口紅」に使用されていた事実は立証されていると思料するが、なお、本年3月から5月の売上伝票の一部を、必要に応じ直ちに提出する準備がある。
(4)商品「リップカラー」への使用
乙第14号証として、被請求人が輸入し、被請求人が販売する商品見本「リップカラー」を提出する。その商品の包装右横面において「ジョイアップ EX」「プルーフ」「リップカラー(19)」「〈落ちにくい口紅〉」の表示があり、商品の底面に「ジョイアップ EX」「プルーフリップカラー」の表示がある。
財団法人流通システム開発センターの「JICFS」コードによれば、「リップカラー」は、「口紅」に代わり、商品の普通名称として使用されている(乙第15号証)。
したがって、商品の包装または商品自体に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を独立して、または商品の普通名称とともに表示してなるものである。
また、この商品は、商品カタログには掲載されていないが、これは商品のシリーズが相違すること、販売元が被請求人ではないこと、及び、大量に生産、販売されるものではないことに起因している。
しかし、この商品は、実際に販売されている。そのことを立証するために、売上伝票の写し(乙第16号証)を提出する。この売上伝票の発行元は、ルボタン株式会社である。この会社は、乙第17号証として添付した会社概要からもわかるとおり、被請求人の関連会社である。
乙第14号証として提出した商品「リップカラー」の包装右横面のバーコード下の数字「4903362502976」は、売上伝票の商品コードのそれと一致する。また売上伝票の品名「JOIUP 400EXフルーフリッフカラ」が本商品の表示「ジョイアップ EX」「プルーフ」「リップカラー」に通ずるものであることは容易に推認できるところである。
さらに、提出した売上伝票は、発注日と(売上)年月日がそれぞれ「070104」と「070105」、「070201」と「070202」、「070228」と「070301」、「070109」と「070109」、「070205」と「070205」、「070228」と「070301」であることから、2007年の1月から3月の間に取引されていたことは明らかである。
(5)結語
これら乙各号証により、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者または通常使用権者であるルボタン株式会社によって、「化粧品」について使用されていたことは明らかである。
(1)被請求人提出の証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 商品の現物見本(乙第1号証)は、アイライナーに係るものであり、その包装の台紙の裏面に「プルーフオート」「アイライナー」を二段に表した表示がある。
イ 「オートアイライナー」の文字は、商品(アイライナー)のうち、内蔵式の筆ペンタイプのものと、繰り出し式のペンシルタイプのものであることを示す商品の品質を表す語として、複数の同業者によって取引上普通に使用されている(乙第2号証ないし同第5号証)。
また、口紅について、「シャイニールージュ」の文字が商品の品質を表す語として取引上普通に使用されている(乙第10号証ないし同第13号証)。
さらに、「リップカラー」が「口紅」と同義のものであることが認められる(乙第15号証)。
ウ 商品カタログ「キスミー フェルム」(乙第6号証)には、裏表紙に「2005年」の表示があり、その2頁上部に、Lipとして現物写真を掲載するとともに「プルーフシャイニールージュ」の表示、「33色 各¥900(税込¥945)」「色&ツヤ おちにくい」の表示がある。
また、その3頁下段中央に、「プルーフオートアイライナー」「2色 各¥900(税込¥945)」「汗・水に強い筆ペンタイプ」として、そのペンの胴部に「PROOF AUTO EYE LINER」と表示したアイライナーの現物写真が掲載されている。
さらに、同カタログの商品バーコード一覧表の中にも、商品名欄に「プルーフオートアイライナー」「プルーフシャイニールージュ」との表示があり、メーカー希望小売価格、サイズや色、バーコード等の記載がある。
エ 商品カタログ「キスミー フェルム」(乙第7号証)には、裏表紙に「2006年」の表示があり、前記ウと同様に「プルーフシャイニールージュ」「プルーフオートアイライナー」の表示や「PROOF AUTO EYE LINER」と表示したアイライナーの現物写真等が掲載されており、商品バーコード一覧表にも、前記ウと同様の表示及び記載がある。
オ 商品カタログ「キスミー フェルム 2007」(乙第8号証)は、「2007年」用のものと認められるところ、その2頁中段に、Lipとして現物写真を掲載するとともに「プルーフシャイニールージュ」の表示、「33色 各¥900(税込¥945)」「色&ツヤ おちにくい」「美容液成分配合の長持ち口紅」の表示があり、前記ウやエと同様に、商品バーコード一覧表の中にも、商品名欄に「プルーフオートアイライナー」「プルーフシャイニールージュ」との表示があり、メーカー希望小売価格、サイズや色、バーコード等の記載がある。
カ 商品の現物見本(乙第9号証)は、「口紅」に係るものと認められるところ、その包装箱に「プルーフシャイニールージュ」の表示がある。
キ 商品の現物見本(乙第14号証)は、「口紅」に係るものと認められるところ、その包装箱に「ジョイアップEX」と「プルーフリップカラー」の表示及び「ジョイアップEX」「プルーフ」「リップカラー」を三段書きにした表示がある。また、バーコードの下に「4 903362 502976」の数字が表示されている。
ク ルボタン株式会社に係る売上伝票(乙第16号証)は、2007年1月5日、同年1月9日、同年2月2日、同年2月5日及び同年3月1日のものと認められるところ、当該伝票には、いずれも、「商品コード 品名」欄に「4903362502976」「JOIUP 400EXフルーフリッフカラ」との記載が認められる。そして、この「4903362502976」は上記キの商品(口紅)に表示されたバーコード下の数字と一致することからみれば、「プルーフリップカラー」及び「プルーフ」「リップカラー」と表示した上記キの商品(口紅)がルボタン株式会社によって取引(販売)されたものと推認することができる。
ケ 上記「ルボタン株式会社」は、被請求人の関連会社であり(乙第17号証)、これに被請求人の主張を併せれば、本件商標について使用を許諾された者であると認められる。
コ そして、前記商品カタログの各年の表示及び取引書類の前記年月日は、いずれも、本件審判請求の登録前3年以内(以下「本件期間内」という。)に該当するものである。
(2)本件商標は「PROOF」及び「プルーフ」の文字からなるものである。これに対して、前記(1)ア及びウないしキの使用商標は、「PROOF」あるいは「プルーフ」に、「オートアイライナー」「AUTO EYE LINER」「シャイニールージュ」「リップカラー」等の商品の普通名称あるいは当該商品の品質を表示すると認められる文字を付加した構成からなるものというべきであるから、いずれも、「PROOF」及び「プルーフ」が、独立して自他商品の識別機能を果たすと認められる構成態様をもって各商品に表示されているものである。
してみると、本件使用商標は、商標としての機能上、本件商標とは構成欧文字あるいは構成片仮名文字を共通にし、「プルーフ」の称呼を共通にするものであって、また、観念上で変動があるとも認められないから、本件商標とは同一の自他商品の識別機能を果たすものであり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標に当たるとするのが相当である。
(3)上記の(1)及び(2)を総合してみれば、本件期間内に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、被請求人及び通常使用権者によって、本件商標の指定商品中「化粧品」に含まれる「アイライナー」、「口紅」及び「リップカラー」に使用をされたと認められるものである。
(4)請求人は、本件使用商標について、化粧品の取引者・需要者によって、その「PROOF」又は「プルーフ」が「防水性」又は「耐水性」の意味として認識され、一種の品質表示的な機能を発揮するに至るものと推認され、「アイライナー」又は「口紅」の品質・特徴を示す語として捉えるのが自然である旨主張し、本件使用商標と本件商標は、称呼、観念、外観のすべてが相違するものであり、自他商品識別標識として同一の機能を果たしているものではない旨主張する。
しかしながら、商標に商品の普通名称や品質等を表示する文字が結合され、外観上一体的に表示された場合であっても、自他商品の識別性の観点からみて、それが不可分一体のものと把握しなければ極めて不自然である場合を除けば、これに接する取引者や需要者が、商品の普通名称や商品の品質表示以外の部分を、自他商品の識別標識としての機能を果たす商標と捉えて、これをもって商標の同一性を把握することは普通に行われていることというべきである。
そして、「PROOF」又は「プルーフ」が、「アイライナー」や「口紅」の品質・特徴を示す語として、取引上普通に使用されているとの実情を裏付ける的確な証拠はない。
また、これら「アイライナー」又は「口紅」には、「汗・水に強い」「色&ツヤおちにくい」「落ちにくい」「落ちにくい口紅」等と併記されており、これらの併記は商品の性質を端的に表わしているものではあるが、上記の実情からしても、この併記ゆえをもって、「PROOF」又は「プルーフ」が、「防水性」又は「耐水性」を表したものとして取引者や需要者に認識されるとまではいい得ないというべきであり、さらに、「WATER PROOF」「ウオータープルーフ」が「防水」の意味を表す語として使用されているとしても、これと同列に認識されるのが自然であるとすべき理由はない。
さらに、「プルーフオートアイライナー」「プルーフシャイニールージュ」「プルーフリップカラー」を不可分一体のものと把握しなければ極めて不自然であるとすべき格別の理由もない。
そして、商品カタログのバーコード一覧表中の他の表示が、仮に、すべて普通名称又は商品の品質・特徴を示す語が付加された普通名称から成っているものであるとしても、それ故直ちに、本件使用商標が同様のものとして把握されるとしなければならない理由とはなり得ないというべきである。また、同バーコード一覧表における表示が一連に表されていることをもって、一連にのみ称呼され、「プルーフ」の称呼が生じないとすることはできない。
したがって、本件使用商標において「PROOF」又は「プルーフ」は独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、本件使用商標が本件商標の使用と認められるとした前記判断は、請求人の主張によっては左右され得ないというべきである。
(5)以上のとおり、本件商標は、本件期間内に、商標権者または通常使用権者によって、その指定商品である「化粧品」に使用されたと認められるものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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