Trademark Appeal Case
分類変更後の商品類似判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−29131(T2007−29131/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「NEVERLAND」と欧文字の標準文字で表してなり、第9類の願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年9月19日登録出願、その後、指定商品ついては、原審における同19年6月29日付手続補正書により、第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に補正されたものである。
第2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4957971号商標(以下「引用商標」という。)は、「NEVER LAND」の欧文字を標準文字で表してなり、平成17年3月30日登録出願、第9類「眼鏡」、第14類「キーホルダー,身飾品,時計」、第16類「文房具類,書画,写真,写真立て」及び第20類「家具」を指定商品として、同18年6月2日に設定登録されたものである。
第3 当審の判断
1 商標の類否について
本願商標は、前記第1のとおり、「NEVERLAND」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「NEVERLAND」の文字は、「(架空の)理想郷」などの意味を有する英語(「小学館ランダムハウス英和大辞典」株式会社小学館発行)と認められ、その片仮名表記である「ネバーランド」の文字も、「理想郷。空想上のおとぎの国。★J.バリー原作童話『ピーターパン』の住んでいる所から。」(「コンサイスカタカナ語辞典 第3版」株式会社三省堂発行)の意味を有する外来語として一般に親しまれているものであるから、その欧文字に相応して、「ネバーランド」の称呼及び「(架空の)理想郷」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、上記第2のとおり「NEVER LAND」の欧文字を標準文字で表してなり、「NEVER」と「LAND」の間に一文字程度の空間があるとしても、本願商標と同じ英単語を表したものと認められ、その構成文字に相応して、「ネバーランド」の称呼及び「(架空の)理想郷」の観念を生ずるものである。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、外観においては一文字分の空間を有するか否かの違いを有するも、構成する全ての欧文字を等しくするものであるから、外観上類似するものというべきであり、両構成文字よりは「ネバーランド」の称呼及び「(架空の)理想郷」の観念を生じるものと認められるものである。
したがって、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を同一にし、外観においても類似するものと認められるから、互いに類似する商標といわざるを得ない。
2 本願の指定商品と引用商標に係る指定商品の類否について
特許庁商標課編「『商品及び役務の区分』に基づく類似商品・役務審査基準」においては、見出しの商品又は役務に含まれるものは、原則として、互いに類似商品又は類似役務であると「推定」するとしているものであり、また、他の類に表示された同一の類似群コードを有する商品・役務についても、原則として互いに類似商品又は類似役務であると「推定」するとしているものである。
そして、本願商標の指定商品は第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」であり、引用商標で本願商標の指定商品と類似すると推定される指定商品は、第16類「写真,写真立て」である。
平成3年9月25日政令第299号による改正前の商標法施行令に基づく商品の区分(以下「改正前の商品区分」という。)において、第26類は、「印刷物(文房具類に属するものを除く。),書画,彫刻,写真,これらの附属品」となっており、見出しの「写真」の下位概念として、「写真」及び「録画済み磁気テープ,録画済み磁気円盤」が記載されている。第26類は、「特許庁商標課編商品区分解説」(昭和55年4月7日改訂版発行)によれば、その【趣旨】は「主として著作物をまとめた類」であり、「写真」の項には「『録画済み磁気テープ』は、この概念に属し、いまだ録画されていないものは第11類電気通信機械器具に属する。」と説明されているところである。これらの点より、前記本願商標の指定商品「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」と引用商標の指定商品中「写真,写真立て」は、いずれも、同じ第26類中の見出し「写真」という商品の範疇に属する商品として類似すると推定(「商品類別集『平成3年商標法の商品の区分及び昭和34年商標法の商品の区分に基づく類似商品対照表』」平成9年3月24日発行第7版)されているものである。その後、前記改正により商標法上の商品の分類について、国際分類を主たる体系として採用した結果、「写真」のうち、「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」は第9類に、「写真,写真立て」は、第16類に分類されたものである。このように、「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」と「写真,写真立て」とが、異なった類に属することとなったのは、我が国がニース協定で定める国際分類を採用するにあたり、これに即した分類体系を採用したことに伴うものであって、商品の類似の範囲は各国で定められるものであるから、我が国において、基本的な商品の類似の範囲を変更しているものではない。
そして、商品の類否を判断するに際しては、対比すべき商品の生産部門や販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、当該商品が完成品と部品との関係にあるか等について総合的に考慮すべきこととされている(特許庁商標課編「商標審査基準」より要旨抜粋)。
これを踏まえて、本願商標の指定商品「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」と引用商標の指定商品中「写真」について検討する。
(1)「写真」及び「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について「写真」とは、「物体の像、または電磁波・粒子線のパターンを、物理・化学的手段により、フィルム・紙などの上に目に見える形として記録すること(photography)。また、その記録されたもの(photograph)。」(「広辞苑 第5版」岩波書店発行)、「しゃしん【写真】光学的方法で感光材料面に写し取った物体の映像。」(「大辞林 第二版 新装版 株式会社三省堂発行)、「写真:光,放射線,粒子線などのエネルギーを用いて,感光物質上に視覚的に識別でき,かつ,ある期間持続性がある画像を形成する技術及び記録された画像。」(「マグローヒル科学技術用語大辞典 改訂第3版」日刊工業新聞社発行)と、意味づけられるものである。そして、「ビデオ・ディスク」は、「画像と音声の信号を記録したレコード状の円盤。」(「広辞苑 第5版」岩波書店発行)、「ビデオディスク:画像及び音声のアナログ信号・ディジタル信号が,らせん状に記録された円盤状の記録媒体。」(「マグローヒル科学技術用語大辞典 改訂第3版」日刊工業新聞社発行)を表し、「ビデオテープ」は、「画像と音声の信号を記録する磁気テープ。録画テープ。」(「広辞苑 第5版」岩波書店発行)、「ビデオテープ:ビデオテープレコーダーに使用する録画・録音用磁気テープ」(「コンサイスカタカナ語辞典 第3版」株式会社三省堂発行)とされるものであるから、本願指定商品「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」は、「画像と音声が記録されたレコード状の円盤及び画像と音声が記録された磁気テープ」であり、引用商標の指定商品である「写真」は、「光学的方法で感光材料面に写し取った物体の映像。」を意味するものと解される。
(2)生産部門について
本願商標の指定商品「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」と引用商標の指定商品「写真」は、ともにカメラ等を使用して、写された画像や映像をもとにしたものであり、目に見える形として記録したものである。その記録の媒体が、紙、フイルム又は磁気テープ、円盤状の記録媒体など、どのようなものに記録されたかといったところで相違するものであるが、元となる画像や映像は、専門の技術を有するカメラマン等により、カメラを使用して映されるものであり、そうした専門技術を有するカメラマンによって映された画像や映像を加工する業者は、以下のインターネットの情報等によれば、同じ業者によって取扱われているものと認められるものである。
(ア)「阪急航空株式会社 Contents ◆HOME 映画撮影・・・斜写真撮影・・・当社は、テレビCMをはじめVP撮影、記録VTR等のあらゆるジャンルの空撮をおこなっております。」との記載(阪急航空株式会社のウェブページ(http://www.hankyu-air.co.jp/aerial_video.html))。
(イ)「TOHO AD CO.,LTD *OPERATING GUIDANCE 業務内容 ■デザイン・・■映像制作■劇場用映画予告編・TVCFなど、エンタテインメントにおける映像PRのスペシャリストです。■フォト・ラボ■デジタルサービスはもとより、商業写真すべてのニーズに応えるプロ・ラボです。」との記載(東宝アド株式会社のウェブページ(
http://www.toho-ad.co.jp/operating_guidance.html))。
(ウ)「株式会社 文化工房 文化工房について/事業内容/文化工房は、テレビ朝日グループ企業の総合制作会社です。テレビ番組(スポーツ・報道・情報・ドキュメント)、企業VP・CM、各種DVDなどの映像制作業務。広報誌・PR誌・パンフレット・ポスター・書籍などの出版・印刷物制作業務。」との記載(株式会社 文化工房のウェブページ(http://www.bun.co.jp/corporate/works.html))。
(エ)「CAPANET Works by SOBISYA 全国各地の撮影・取材全般は!撮影 写真も映像も・・・人物・風景・街・建物・商品も・・実力あるクリエイターがさまざまな撮影を行います。」との記載(株式会社創美社が運営するCAPANET worksのウェブページ(http://www.capa-net.jp/capa/service-01photo.html))。
(オ)「KINDAI AERO □会社概要/・会社案内/・沿革/・会社概要・・事業内容/航空機を使用した宣伝、視察調査、遊覧などの各種フライト及び航空写真、航空映画・VTR、航空測量、図化、モザイク一般商業写真、航空カメラの製造販売、パンフレット作成などに付随する業務。」との記載(近代航空株式会社のウェブページ(http://www.kindai-aero.co.jp/company/))。
(カ)「Fe富士電機情報サービス株式会社 商品情報 写真・ビデオ撮影ビデオの企画・構成・編集や、カタログ・記録・マルチメディア用など各種写真撮影とDPEを行います。・カタログ用単品、集合写真撮影・製品紹介、展示会の記録ビデオ制作」との記載(富士電機情報サービス株式会社のウェブページ(http://www.fuji-web.com/service/photo_video.html))。
(3)販売部門について
映画やその映画に出演した芸能人などの一般の多くの人に見てもらうことを目的とした写真、ビデオ等の商品は、書籍や音楽CDなどと共に販売されていることが多く、特に近年は、実店舗だけでなく、インターネットの普及により、インターネットのサイト上の店舗において、例えば、株式会社文教堂が運営する「Jbook(http://www.jbook.co.jp/p/p.aspx)」のウェブページでは、書籍、CD、DVDの他、ホビーと分類して、フィギュアやプラモデル、アイドルのカード状の写真、映画ポスター等も販売しており、株式会社フロンティアワークスが運営するanimate tv 通信販売のウェッブページでも、DVD、CD、BOOK等の他、OTHERSと分類して、テレビ番組のヒーローのブロマイド等も取り扱っている(http://shop.frontierworks.jp/detail.asp?merchcd=CAFEO-0187)。また、アマゾンジャパン株式会社が運営するamazon.co.jpのウェブページでは、本、ミュージック、DVD等の他、おもちゃ&ホビーと分類して、アイドルのカード状写真などの取り扱いがあり(http://www.amazon.co.jp/b/ref=topnav__gw/503-9082271-3676766?%5Fencoding=UTF8&node=13299531)、HMVジャパン株式会社が運営するHMVのウェブページでも、DVD、書籍、ゲームなどの他、グッズと分類して、アイドルのブロマイドを販売している(http://www.hmvjapan.jp/product/detail/2723508)実情が見受けられる。さらに、以下の新聞記事情報でも、ブロマイド等の写真や録画済みビデオディスク等を一緒に販売している実際の店があることも見つけることができる。
新聞記事情報
(ア)「仙台でも『韓流』/専門店開業、『冬ソナ』ロケ地の観光客増加『ヨン様』人気ダントツ」の見出しのもと,「仙台市宮城野区榴岡2丁目にある「韓流Shop Sendai」。30平方メートルほどの店内にはCDやビデオ、DVD、アクセサリー、文房具など約60種類の商品が所狭しと並ぶ。お値段は、ブロマイドが250円から、人気のネックレスは1500円、Tシャツは3200円。」との記載(2004.8.19 河北新報)。
(イ)「宝塚の追っかけ(元気にあそぶ)【名古屋市】」の見出しのもと,「あこがれの宝塚ワールドに永遠の輝きを持たせるのが、宝塚グッズの数々だ。公式ショップは全国に6店。その一つ、『キャトルレーヴ名古屋』は名古屋市中区栄4丁目の中日ビル3階にある。約40平方メートルの店内には、ペンダントや指輪、コンパクト、香水、時計、ハンカチ、Tシャツなど宝塚スターのオリジナル商品をはじめ、ブロマイドやポストカード、写真集、専門誌、公演プログラム、CD、DVDなどが並ぶ。約5千種類にも及ぶ。月平均約4500人が来店。うち98%が女性。売れ行きベスト3は(1)舞台写真(2)公演ビデオ(3)ステッカー、メモ帳などの雑貨。」との記載(2003.2.20 朝日新聞名古屋朝刊25頁)
(ウ)「〈悠遊らんど〉アリ伝説脚光再び(2の2)*不屈の闘志は永遠*共感呼んだ聖火台点火」の見出しのもと,「アリ・グッズも人気だ。ユニホームやサイン入りのスポーツグッズを扱う『ワールドスポーツプラザ札幌』(札幌市中央区南一西三、札幌パルコ内)では、九六年の開店以来、アリのコーナーを常設している。イラスト入りのTシャツやブロマイドが並ぶ。売れ筋はアリ−フォアマン戦などのビデオ。」との記載。(1998.1.31北海道新聞夕刊 8頁)
(4)原材料について
原材料に通じる、元となるものは、ともに画像、映像である。
(5)用途について
記録する媒体が、紙又はフィルム、ビデオディスク及びビデオテープという相違はあるが、共に、趣味や娯楽として楽しむために用いるもので、用途は同じものというべきである。
(6)需要者の範囲について
商品「写真」及び「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」は、例えば、有名人や風景などが記録されたものの写真、またはそれらの映像や映画などをビデオディスクに記録されたものなど様々であるが、老若男女を問わず一般の多くの消費者が需要者であることは共通である。
そうとすれば、本願の指定商品である「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」と引用商標の指定商品「写真」は、生産部門及び販売部門を同じくする場合があり、原材料、用途、需要者の範囲を同じくするものであるから、これらの商品に、同一又は類似の商標を使用した場合には、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは類似の商品であるというのが相当である。
3 請求人(出願人)の主張について
商品の類似について請求人は、請求の理由において「本願商標の指定商品『録画済みビデオディスク及びビデオテープ』と引用商標の指定商品中『写真、写真立て』とは、原材料も品質も異なるものであり、原材料、品質が全く異なる両商品が、同一の生産部門で生産されることは考えられず、また、販売部門については、『録画済みビデオディスク及びビデオテープ』は、ソフトウェアのコーナーでまとめて販売されることが多いが、『写真、写真立て』は、書籍、文具コーナー又はカメラ機器本体に関連するコーナー付近に販売されるものであり、全く異なるものである。用途に至っては、『録画済みビデオディスク及びビデオテープ』は需要者の視聴に供されることを目的としたもので、鑑賞させるものではないが、『写真』などは鑑賞することを目的とするものであり、ポスターなどの印刷物、書画に近いものであるから、目的や用途が異なるものであるから、非類似の商品と認定されるべきと考える。」旨主張する。
しかしながら、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、生産部門、販売部門を同じくする場合があり、原材料、用途、需要者の範囲を同じくするものと認められることは、上述のとおりである。さらに、商品の類否に関しては、「指定商品が類似のものであるかどうかは、・・・商品自体が取引上誤認混同の虞があるかどうかにより判定すべきものではなく、・・・それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認される虞があると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互に誤認混同を生ずる虞がないものであっても、それらの商標は商標法・・にいう類似の商品の商品にあたると解するのが相当である。」(昭和33年(オ)第1104号判決 昭和36年6月27日判決言渡)、「両商品は互いに品質・形状・用途を異にするものであっても、それに同一または類似の商標を使用すれば同一営業主の製造または販売にかかる商品と誤認混同されるおそれがある場合には、これらの商品は、前記にいう類似の商品にあたると解すべきこと・・・は、すでに当裁判所の判例とするところである。(昭和39年(行ツ)第54号判決 昭和43年11月15日判決言渡)と判示されており、商品の属性で判断すべきとするのではなく、出所の混同という観点に立って判断されるものとしている。
そうとすれば、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、商品自体が互いに品質、形状を異にするものであっても、それらの指定商品に、同一または類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造または販売にかかる商品と誤認されるおそれがあるものといわざるを得ない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において類似する商標であり、かつ、その指定商品も互いに類似するものであるから、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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