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Trademark Appeal Case

結合商標の称呼・観念

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−11187(T2007−11187/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成17年11月2日に登録出願された商願2005−103147号を原出願とする商標法第10条第1項に基づく新たな商標登録出願として、第36類「企業間の売買代金の支払いの代行」を指定役務として、平成18年5月11日に登録出願されたものである。

第2 引用商標

原審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第4918974号商標(以下「引用商標」という。)は、「

たよレ〜ル」の文字を書してなり、平成17年3月1日に登録出願、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入のあっせん,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」及び第42類「健康保険法に基づく健康保険の締結の媒介・健康保険の引受け・健康保険に関する手続の代理・代行・コンサルティング及びこれらに関する情報の提供」を指定役務として、平成18年1月6日に設定登録されたものである。

第3 当審の判断

1 本願商標と引用商標の商標の類否について

本願商標は、別掲のとおり図形と文字との組み合わせからなるものであるところ、該図形と文字部分とは視覚上分離して把握され、また、これらを常に一体のものとして認識しなければならない特段の事情を見いだし得ないものであるから、該図形部分と、「たよれーる」の文字部分はそれぞれ独立して自他役務識別標識としての機能を有するものというのが相当であって、これよりは文字部分に相応して「タヨレール」の称呼を生ずるものである。

ところで、本願商標の図形部分である漫画化した恐竜の背の部分に配されている極めて小さい「BUSINESS」の欧文字部分は、該恐竜の背のとげの部分を表したものと看取され、恐竜と一体となっているというのが相当であるから、これよりは特定の称呼を生じないというのが相当である。

他方、引用商標は、「たよレ〜ル」の文字よりなるものであるから、構成文字に相応して「タヨレール」の称呼を生ずるものである。

さらに、本願商標の構成中、「たよれーる」の文字部分と引用商標「たよレ〜ル」の文字とは、字体は異なるものの、共に「頼れる」の意味合いを直ちに想起させると言い得るものであるから、両商標は、共通の観念を生ずるというのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観は相違するとしても、「タヨレール」の称呼及び「頼れる」の観念を共通にする類似の商標というべきである。

2 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について

(1)引用商標の指定役務、第36類中の「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入のあっせん」(以下「引用商標の(1)指定役務」という。)について

特許庁商標課編・社団法人発明協会発行に係る「商品及び役務の区分解説」〔国際分類第8版対応〕中の「役務区分解説 第36類」の【注釈】によれば、「この類には、主として、財政業務及び金融業務において提供される役務及び全ての種類の保険契約に関連して提供される役務を含む。」とした上で、「財政業務及び金融業務に関する役務は、次のものを含む。」ものとして、(a)銀行業務を行う全ての機関又はこれに関連する両替商若しくは手形交換所のような機関の役務、(b)信用協同組合、金融会社、貸金業者等のような銀行以外の信用機関の役務、(c)持株会社の「投資信託」の役務、(d)株式及び資産の仲介業者の役務、(e)受託者の保証する金融業務に関連する役務、(f)旅行者用小切手及び信用状の発行に関連して提供する役務」を挙げており、指定役務の第36類には、「主として、財政業務及び金融業務において提供される役務及び全ての種類の保険契約に関連して提供される役務が含まれている」とされているものである。

そして、引用商標の(1)指定役務は、主として、財政業務及び金融業務において提供される役務のうち、「商取引で、取引相手に信用を供与すること。」(広辞苑 第6版)を意味する「与信」に基づく役務であって、「為替取引」、「決済」、その他、クレジットカード、割賦販売を取り扱う、主として銀行や信販会社の行う役務と言い得るものである。

また、引用商標の(1)指定役務のうちでも、信販会社が取り扱う「割賦購入のあっせん」とは、「商品の購入やサービス提供を受ける時に、小売商と消費者の間に介在し、割賦の取扱いを代行すること。」(参考:「アプラス:【クレジットの豆知識】クレジット用語集」の見出しのウェブサイトhttp://www.aplus.co.jp/kojin/yougo/ka.html )を意味する役務、いわゆるクレジット契約のことであって、消費者が商品等を購入した際に信販会社が消費者に代わって小売商に代金を一括して支払い(立替え払い)、その後、消費者は、信販会社に対し返済していくという、「決済」に関する役務ということができる。(参考:「割賦購入あっせん−意味・解説/ローン・キャッシング・クレジット用語集」の見出しのウェブサイトhttp://yougo.loan-guide.biz/yougo018.htm )

(2)本願商標の指定役務第36類「企業間の売買代金の支払いの代行」について

本願商標の指定役務「企業間の売買代金の支払いの代行」は、当審における平成19年6月22日付手続補正書に添付の甲第1号証として提出した、請求人のウェブサイトによれば、まず、顧客である企業(以下、単に「顧客」という。)が、請求人の「たよれーる振込代行サービスのシステム」へログインした後、振込明細のデータを作成し、複数の取引企業への振込金額を請求人指定の銀行口座に一括振り込みを行い、次に、請求人が、顧客に代わって、顧客が指定する複数の取引企業振込先への口座振り込みを行うという、口座振り込みの一括処理を内容とする、いわゆる、振込代行に関する役務と認められる。

ところで、ここでいう「振込代行」は、企業間の取引の際、顧客は商品を受け取る代わりに、代金を支払う債務を負う一方、取引企業は、顧客から代金を受け取る債権を持つことになるところ、顧客に代わって請求人が、顧客が請求人指定の銀行口座に一括振り込みした金銭を基に、顧客の取引企業指定の銀行口座に金銭を振り込むことによって、債務・債権を解消する、いわゆる、上記(1)でいうところの「決済」の範疇に属する役務の代行と言い得るものであり、その前提には、当然、当事者間の信用の下、すなわち、「与信」に基づいてなされるものである。

そして、本願商標の指定役務は、「代行」業務とはいえ、金融機関等が提供する「決済」等に関連する専門的な事務に関する「代行」の役務といい得るものであり、財政業務及び金融業務において提供される役務と判断するのが相当である。

(3)ところで、本願商標の指定役務である、「企業間の売買代金の支払いの代行」と、引用商標の(1)指定役務の中でも、特に「割賦購入のあっせん」との類否については、以下のとおりである。

ア 目的、提供手段

本願商標の指定役務に関しては、事業者が、顧客とその取引企業との間に、また、「割賦購入のあっせん」なる役務に関しては、事業者が、販売会社と消費者間に介在し、共に、双方の債権、債務を解消するという、「決済」に関する点において、その目的を共通にするものである。

さらに、「割賦購入のあっせん」は、インターネットバンキングなどインターネット上で銀行の口座を介して提供されているものも認められるところから、コンピュータ等を利用しインターネット上で銀行の口座を介して提供される本願商標の指定役務とは、共に、金銭そのものや銀行口座等が関連し、インターネットという提供手段において共通するといえるものである。

イ 需要者の範囲

本願商標の指定役務の需要者は、企業であり、「割賦購入のあっせん」の需要者にも、個人だけでなく、当然に企業をも含むものであるから、需要者を共通にすることが多いといえる。

ウ 事業者

本願商標の指定役務は、一企業が提供するものであるが、「割賦購入のあっせん」については、信販会社が提供するものである。

ところで、特別に規制する法律もない本願商標の指定役務については、信販会社も一企業である以上、当然に、事業者となり得るところから、両者は、事業者において一致するとまではいかなくも、共通にすることが多いといえる。

してみれば、本願商標の指定役務と、引用商標の(1)指定役務中「割賦購入のあっせん」とは、たとえ、業種、規制する法律が異なるとしても、上記したとおり、金銭そのものや銀行口座等に関連し、共にその目的、提供手段において共通にし、また、需要者、事業者を共通にすることが多い類似する役務といえるものである。

(4)以上のとおり、本願商標の指定役務と、引用商標の(1)指定役務中「割賦購入のあっせん」とは、類似する役務といえるものであって、かつ、本願商標の指定役務が、「代行」に関する役務であるとしても、本願商標の指定役務と、「割賦購入のあっせん」の役務を含む引用商標の(1)指定役務とは、上記(1)及び(2)のとおり、共に「与信」に基づいてなされる「決済」に関連する役務とみて差しつかえないものであるから、結局、本願指定役務と、引用商標の(1)指定役務とは、これらの役務に、同一又は類似の商標を使用したときは、その役務の出所について混同するおそれのある、互いに類似する役務といわざるを得ない。

3 請求人主張について

請求人は、同一又は類似の商標が付された異なる役務が類似するか否かを判断する場合には、取引者・需要者によって同一営業主による役務の提供であると誤認混同されるおそれがあるか否かによって判断されるべきであるとし、その判断要素として、(a)提供の手段、目的又は場所(b)提供に関連するサービス(c)需要者の範囲(d)業種(e)規制法(f)事業者を挙げ、いずれの要素においても、両者は一致する点はない。また、本願商標の役務は、銀行口座が利用されるが、これは単に役務の手段として、さらに、銀行の1ユーザーとして利用しているにすぎず、銀行のように自ら他人の口座を管理しているわけではない、すなわち、本願商標の役務は、あくまで引用商標の役務の需要者側であることからすると、当然に、両者は類似するとはいえない。したがって、取引者・需要者が、本願商標の役務と引用商標の役務とが同一営業主による役務の提供であると誤認混同することはなく、その指定する役務は同一・類似でない旨主張する。

しかしながら、本願商標の指定役務「企業間の売買代金の支払いの代行」と引用商標の(1)指定役務とは、上記2で認定したとおり、その役務の出所について混同するおそれのある、互いに類似する役務と判断するのが相当であって、また、本願商標の役務が、常に、引用商標の役務の需要者側であるということもいえないから、請求人の主張は採用の限りでない。

(4)むすび

以上のとおり、本願商標と引用商標とは、外観上の差異を考慮しても、なお、「タヨレール」の称呼及び「頼れる」の観念を共通にする類似の商標というべきであり、かつ、本願商標の指定役務と上記引用商標の(1)指定役務とは、同一又は類似するものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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