Trademark Appeal Case
不正目的出願の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90576(T2006−90576/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4980317号商標(以下「本件商標」という。)は、「DOPOD」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年1月26日に登録出願され、「携帯電話,テレビ電話,携帯情報端末装置,ハンドヘルドパーソナルコンピューター」を含む第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年8月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし同第22号証(枝番号を含む。)を提出した。
商標権者による本件商標の日本での出願は、商標「Dopod」が申立人のスマートフォンのブランドとして、アジア各国において取引者、需要者の間に広く認識されていることを知った上で、申立人の将来の営業活動、とりわけ、日本への「Dopod」商品の輸出や日本国内での「Dopod」商品の営業・販売を妨げるという不正の目的をもってなされたものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 取消理由通知
当審において、平成19年7月27日付けで、商標権者に対し通知した取消理由は、次のとおりである。
(1)申立人より提出された証拠によれば、以下のことが認められる。
(ア)申立人は、2002年に台湾の法律下で設立された法人であり(甲第3号証)、中国国内において2002年4月頃より、モバイル端末用のOSを援用したスマートフォンに商標「Dopod」を付して製造・販売をはじめたこと(甲第4号証)。
(イ)申立人が引用する「Dopod」商標(以下「引用商標」という)は、携帯電話機、スマートフォンなどについて、中国、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシアにおいて本件商標が出願される前から、現在に至るまで使用されてきたこと(甲第6号証ないし同第18号証(枝番号を含む。))、また、引用商標は、本件商標の登録出願時までには既に、上記のアジア諸国において、出願し、又は登録を受けていること(甲第5号証の1ないし6)。引用商標を付した商品の販売国は、その後、中国の他、シンガポール、マレーシア、インドネシアへと展開をみせており、これら各国のメディアへの広告宣伝やメディアによる多数の紹介記事が掲載されたこと。
(2)上記の事実により、請求人は、本件商標の登録出願時までに、台湾、中国、インド、香港及びシンガポールにおいて、指定商品を「携帯電話機、スマートフォン」などとする商標「DOPOD」の商標権を取得若しくは出願(甲第5号証の1ないし6)するとともに、前記した国を含め、マレーシア、インドネシアなどアジアの国々において、携帯電話機、スマートフォンなどに引用商標を使用し、これらの国においては、取引者・需要者の間に広く認識されるに至ったものとみるのが相当である。特に、台湾においては、引用商標を付した携帯電話機、スマートフォンが同市場でトップシェアを占めていることからも肯定し得るものである(甲第18号証の1及び2)。
また、本件商標は、「DOPOD」の欧文字よりなり、他方、引用商標は、「Dopod」の欧文字よりなるところ、両商標は、大文字と小文字の相違を有するものの、共に「ドゥーポッド」の称呼を同じくする類似の商標というべきである。
さらに、本件商標は、本件商標権者の商号とは何ら関係のない造語と認められる「DOPOD」の欧文字よりなるところ、これに対し、引用商標は、申立人の著名な略称とも認められるものであり、申立人と何らの資本関係のない商標権者が、引用商標と類似する本件商標を偶然の一致で採択したということも認め難い。
加えて、香港における申立人の出願商標「DOPOD」に対し、商標権者が、2005年10月19日付にて異議申立を行っていること(甲第22号証)からすれば、申立人の使用に係る引用商標を、商標権者は、本件商標の登録出願前に既に知っていたと推認し得るところである。
してみると、商標権者による本件商標の日本での登録出願は、申立人の携帯電話機、スマートフォン等の商標として、台湾及び香港などのアジア各国において取引者、需要者の間に広く認識されていることを知悉していながら、日本で「Dopod」商標が登録されていないことを奇貨として、申立人の日本への引用商標を付した商品の輸出及び日本国内での「Dopod」商品の営業・販売を妨げる等といった不正の目的をもってなされたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
上記の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。
5 当審の判断
本件商標についてした先の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録したといわざるを得ないから、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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