Trademark Appeal Case
シェルとシエルの称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900149(T2007−900149/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1本件商標
本件登録第5012183号商標(以下「本件商標」という。)は、「シエルパワー21」の文字を横書きしてなり、平成18年3月27日に登録出願され、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類,陶磁器用釉薬,高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,写真材料,試験紙,人工甘味料,原料プラスチック,パルプ」を指定商品として、同18年12月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要旨
(1)本件商標は、登録異議申立人「シェル インターナショナル ペトロリウム カムパニー リミテッド(Shell International Petroleum Company Limited)」(以下「申立人」という。)の著名な略称である「シエル」の文字を含む商標であるにもかかわらず、商標権者は何ら申立人の承諾を得ることなく、本件商標の商標登録出願を行い設定登録を受けたものであるから、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。
(2)申立人の商標「Shell」は申立人及びその関連会社の商標として世界的に周知著名である。特に、本件商標に係る指定商品中「化学品」は、申立人の主要な商品の1つであり、同商品に関する「Shell」、「シェル」の著名性は顕著である。そして、本件商標はその申立人の商標と類似し、申立人の業務に係る商品と同一又は類似する商品について使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)申立人の商標「Shell」は、世界的に周知著名である。また、「シェルガス&パワー」、「シェルパワーマックス」など、申立人は、「シェル」と「パワー」という言葉を使用した商標を頻繁に使用している。したがって、本件商標が指定商品に使用されれば、当該商品はあたかも申立人の業務にかかわる商品であるかの如く商品の出所を誤認混同させるおそれがある。少なくとも、本件商標が使用された商品が申立人と組織的、経済的に何らかの関係性があると誤認されるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(4)申立人関連会社は、「SHELL」、「シエル」ないしこれに図形を結合させた登録商標〔登録第1392715号(別掲1)、同第2265413号(別掲2)、同第2375293号(別掲3)及び同第2375294号(別掲4)(これらをまとめて以下「引用各商標」という。〕を有するところ、本件商標「シエルパワー21」は、「シエル」の部分が独立した要部と認識されるため、申立人が所有する引用各商標と類似であって、その商標に係る指定商品と同一若しくは類似の商品について使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(5)本件商標の登録は、前記(1)ないし(4)の規定に該当するから、商標法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである。
3 取消理由通知
申立人の主張及び提出に係る証拠を総合すると、申立人は、英米の7社からなる、いわゆるメジャー(国際石油資本)の一つとして世界的に有名なロイヤル・ダッチ/シェルグループの中核企業であり、石油化学製品の分野にのいて国際的に著名な企業であることは、我が国でも知られているところであり、我が国において、「昭和シェル石油株式会社」、「シェルケミカルズジャパン株式会社」等の多数の関連会社を有し、石油・石油製品・化学製品工業を中心に幅広い営業活動を長年に亘り行っており、これらの関連会社の社名の一部に「シェル」の表示がされると共に、それらの社名の一部にこれらの企業が取り扱う商品や役務について貝の図形と共に「Shell」及び「シェル」の商標が長年使用されてきた結果、「Shell」及び「シェル」の表示は、申立人の略称及び商標として本件商標の登録出願時及び登録査定時には既に我が国において取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
してみると、本件商標は、「シエルパワー21」の文字を書してなるものであり、前記したように申立人がその取扱いに係る商品に使用し、取引者、需要者の間に広く認識されている「シェル」を容易に認識させる「シエル」の文字を有してなるものであるから、本件商標を申立人の主要な商品の一つである「化学品」を含むその指定商品について使用するときは、前記実情よりして、該商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定に基づいて、取り消すべきものと認められる。
4 当審の判断
本件商標は、申立人の商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている「シェル」を容易に認識させる「シエル」の文字を有してなるものであるから、これをその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者、需要者が、あたかも申立人又は申立人と何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生じさせるおそれがあるものとみるのが相当である。
そこで、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるとして、審判長は、本件に関し、商標権者に対し、平成19年11月7日付けで、前記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、商標権者からは何らの応答もなかった。
そして、前記3の取消理由は、妥当なものと認められるので、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものというのが相当であるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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