Trademark Appeal Case
光ハイブリッドの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900345(T2007−900345/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5042210号商標(以下「本件商標」という。)は、「光Hybrid」の文字を標準文字により表してなり、平成18年4月21日に登録出願、第16類「文房具類,シール,ステッカー,印刷物,ポスター」、第35類「広告,データベースの利用・インターネットへのアクセス利用に係る請求書の作成・送付の事務の代行」、第38類「IPアドレス(インターネットプロトコルアドレス)の割り当て及び管理,インターネットドメイン名の登録及び管理,インターネットドメイン名の登録及び管理に関する情報の提供」及び第42類「気象情報の提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守およびこれらに関する情報の提供,電子計算機用プログラムの提供,電子商取引における利用者の認証,ウェブサイトの作成または保守,デザインの考案,情報ネットワークシステムの設計・作成及びこれらに関するコンサルティング」を指定商品及び指定役務として平成19年4月20日に設定登録されたものである。
第2 本件商標に対する取消理由
当審において、商標権者に対して通知した平成20年3月3日付け取消理由は以下のとおりである。
(1)登録異議申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)島根県が平成10年11月に発行した「島根県地域情報化計画」において、「CATV網の整備促進」の項目下で「CATV網については、光ハイブリッド方式の普及や機器の性能向上により、双方向通信も可能となってきたことから、インターネット接続や画像転送などの通信サービスの提供が容易な、・・・・」との記述がされ、さらに「光ハイブリッド方式・・・光ファイバーと同軸ケーブルを組み合わせてCATV網を構築する方式」との脚注が付されている(甲第3号証)。
(イ)光ハイブリッド協議会のインターネットホームページには、光ハイブリッド技術及び光ハイブリッド方式についての解説があり、「光ハイブリッド・ネットワークとは?」の表題の下で、「ケーブルテレビが採用するHybrid Fiber Coax(HFC)のこと。光ケーブルと同軸(コアキシャル)ケーブルを組み合わせる仕組みです。」、「光ハイブリッド(HFC)は幹線伝送路に高品質光ケーブルを使用し、最寄の中継ポイントから宅内までの区間に同軸ケーブルを使用するネットワークです。・・・」と説明されている(甲第14号証の2)。
(ウ)日経産業新聞1996.05.23の記事において「・・・JR宇都宮駅東部と同南部、北西部に、光ファイバーと同軸ケーブルをつなぎ合わせた光ハイブリッド幹線を敷設する。」と報道されている(甲第2号証)。
(エ)株式会社上田ケーブルテレビジョンのインターネットホームページにおいて「光ハイブリッドとは?」として「お客様のご自宅の近くまで光ファイバーケーブルでお届けし、その先を同軸ケーブルでつなぐ方式です。」と説明されている(甲第15号証の13)。同様の説明は「秋田ケーブルテレビ」や「飯田ケーブルテレビ」のインターネットホームページにおいても記載されている(甲第15号証の10及び16)。
(オ)「ひょうごケーブルテレビ10周年記念シンポジウム ケーブルによるIT革命」(平成12年10月3日開催)、「総務省次世代IPインフラ研究会」(平成16年2月13日開催)、「モバイル学会」(平成13年2月開催)等の講演会や研究会において、「光ハイブリッド」の語が普通に使用されている(甲第4ないし第6号証)。
(カ)企業の商品カタログ、技術・製品情報、業務案内等において「光ハイブリッドアクセスシステム」、「光ハイブリッド伝送システム」、「HFC(同軸.光ハイブリッド)システム設計」等の記載がされ、その説明がされている(甲第7ないし第9号証)。
(キ)2006年8月8日ないし同年11月25日に三重県内で発行された情報誌「名張Times」において、ケーブルテレビ・インターネットの株式会社アドバンスコープによる「光ハイブリッド」サービスについて記述され、その広告も行われている(甲第10号証の1ないし6)。同社の「光ハイブリッドプラン」については同社発行の「ケーブルテレビ番組ガイド」においても紹介されている(甲第11号証)。
(ク)KDDI株式会社の「KDDIニュースリリース」(平成18年12月14日及び同19年3月26日発表)において、複数のケーブルテレビ会社が「光ハイブリッド・インターネット」のサービス開始予定であることが告知されている(甲第13号証の1及び2)。また、2007年1月18日付け日本経済新聞において「全国のCATV(ケーブルテレビ)各社が光ファイバーを利用したブロードバンド(高速大容量)サービスを共同で販売促進する」旨が報道されている(甲第14号証の1)。
(ケ)各ケーブルテレビ関連会社のインターネットホームページにおいて「光ハイブリッドシステム工事例」、「光ハイブリッドの大容量回線を利用したインターネット接続サービス」、「光ファイバーと同軸ケーブルを使用した『光ハイブリッド』方式のインターネットサービス」、「光ハイブリッド!インターネット」、「光ハイブリッド160メガコース」、「160M光ハイブリッドプラン」等と記載し、その説明を行っている(甲第15号証の1ないし17)。
(2)以上の認定事実によれば、「光ハイブリッド」の文字は、「光ファイバーと同軸ケーブルを繋ぎ合わせた回線ないしは方式」を意味する語として、広く一般に認識し理解され、普通に使用されているものと認められる。
また、「光Hybrid」の文字は、上記「光ハイブリッド」の語の後半の「ハイブリッド」の文字を欧文字により表したものとして容易に理解することができるものである。
そして、上記回線ないしは方式、すなわち、「光ハイブリッド(光Hybrid)」を用いたケーブルテレビ放送やインターネット接続、通信サービス等が行われ、それに関連した印刷物等が発行されていることも明らかである。
さらに、これらケーブルテレビ放送やインターネットにおいては、広告をはじめ、気象情報の提供や各種情報の提供が行われていることも周知の事実である。
そうすると、上記「光ファイバーと同軸ケーブルを繋ぎ合わせた回線ないしは方式」すなわち「光ハイブリッド」と上記第1のとおりの本件商標の指定商品及び指定役務とは、少なからぬ関係を有するものといえる。
(3)かかる事情の下において、本件商標をその指定商品及び指定役務中の「光ファイバーと同軸ケーブルを繋ぎ合わせた回線ないしは方式」に照応する商品・役務について使用しても、単に商品の品質(内容)、役務の質、提供の用に供する物、提供の方法等を表示するものとして認識されるに止まり、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
また、本件商標を上記商品・役務以外の指定商品又は指定役務について使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
(4)したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。
第3 商標権者の意見
商標権者は、上記第2の取消理由通知に対して、指定した期間内に意見を述べていない。
第4 当審の判断
本件商標は、上記第2で述べたとおりの取消理由があるものと認められるので、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであるから、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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