Trademark Appeal Case
商標の称呼・観念の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900082(T2007−900082/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5003227号商標(以下「本件商標」という。)は、「漢字文化検定」の文字を標準文字で書してなり、平成18年4月30日に登録出願、第9類、第16類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成18年11月17日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当し商標登録を受けることができないものであるから、同法第43条の2第1項により取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第167号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人の商標「漢字検定」は、申立人「財団法人日本漢字能力検定協会」が実施する役務「漢字能力の検定」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標であるから、これと類似する本件商標が、前記1の商品及び役務について使用された場合、申立人の業務に係る指定役務と出所の混同を生ずるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、申立人の所有に係る「漢字検定」の文字を書してなり、平成9年12月26日に登録出願され、第41類「漢字に関する能力の検定」を指定役務として、平成16年3月5日に設定登録された登録第4753002号商標(以下「引用商標」という。)とは、互いに類似する商標であって、かつ、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務とは互いに類似する。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類似性について
本件商標は、前記1のとおり、「漢字文化検定」の文字よりなるところ、その構成各文字は、同書・同大・等間隔に、全体としてまとまりよく一体的に表されているものである。
ところで、「漢字」の文字は、大辞林第二版(三省堂)によれば、「中国で作り出され、今日も用いられている表意文字」を意味するものである。
他方、「漢字文化」の文字は、例えば、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」によれば、「漢字文化(かんじぶんか)とは、文章語に漢字を使用することを受容することによって、形成された文化体系をさす。」と解説され、また、新聞情報によれば、「福井市出身で・・・白川静さんが・・・『漢字文化講座・基礎編』」が24日、福井市の県立図書館で開講した。・・・参加した男性(62)は『明』という字は、夜に月の光で明るいということを意味しているなど、興味深い話しが聞けた。」(2008年5月25日読売新聞大阪朝刊)との記事や、「『書は世界的公約数』−−漢字文化への関心高く」のサブタイトルの下、「北陸書道院・・・『心』という文字を古代文字からさまざまな書体で書いて漢字の成り立ちを説明したり、・・・」(2008年3月19日毎日新聞地方版/富山)との記事が示すとおり、「漢字文化」の文字は、「漢字の語源、漢字の成り立ちなどに関すること」を意味するものと認められるから、単に「漢字」の文字が有する意味とは、別異の観念を有するものと判断するのが相当である。
なお、甲第33号証によれば、他の団体によっても全国規模の漢字検定が実施されていることがわかる。
さらに、「文化検定」の文字についても、「第3回きもの文化検定」(2008年6月5日読売新聞大阪朝刊)、「みやざき観光・文化検定」(2008年3月15日朝日新聞西武地方版/宮崎)、「鎌倉観光文化検定」(2008年2月29日毎日新聞地方版/神奈川)、「京都・観光文化検定」(2008年2月28日毎日新聞東京朝刊)など、「○○文化検定」の文字が、近年、地域の歴史や文化に関する知識を問う検定試験として全国に広がる中で、頻繁に使用されている実情があることからすれば、本件商標に接する取引者・需要者が、これを殊更「漢字」、「文化」、「検定」の各文字に分離し、「文化」の文字だけを省略した上で、「漢字検定」であると理解・認識すべき特段の理由はないものと判断するのが自然である。
むしろ、「漢字文化検定」の文字からは、「漢字文化(語源・成り立ちなど)に関する検定」ないし「漢字の文化に関する検定」程の意味合いを観念させるものであって、かつ、その構成文字に相応して、「カンジブンカケンテイ」の一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、「漢字検定」の文字よりなるから、これより「カンジケンテイ」の称呼を生ずるものと認められ、「漢字に関する検定」程の意味合いを観念させるものである。
そこで、本件商標から生ずる「カンジブンカケンテイ」の称呼と、引用商標から生ずる「カンジケンテイ」の称呼とを比較するに、本件商標は10音、引用商標は7音と、その構成音数に明らかな差異が認められるのに加え、中間部において「ブンカ」の音の有無という顕著な差異があるから、明らかに区別できるものである。
また、観念については、本件商標が「漢字の文化に関する検定」のごとき意味合いを看取させるのに対し、引用商標が「漢字に関する検定」のごとき意味合いを看取させることから、明確な差異を有するものであり、かつ、外観についても、それぞれ前記のとおりの構成であるから、十分に区別できる差異を有するものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
前記(1)で認定したとおり、本件商標は、申立人の商標「漢字検定」とは、十分に区別し得る別異の商標というべきであるから、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、申立人の商標「漢字検定」を連想又は想起させるものではなく、その商品又は役務が申立人又は申立人と経済的、組織的に関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品又は役務の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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