Trademark Appeal Case
称呼の類否と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900416(T2007−900416/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5054684号商標(以下「本件商標」という。)は、「プードゥルアクアリーブル」の片仮名文字及び「POUDRE AQUALIBRE」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成18年11月22日に登録出願され、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同19年4月24日に登録査定され、同年6月15日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用した登録商標は、次の(1)及び(2)のとおりである(以下、まとめて「引用商標」という。)。
(1)登録第4065722号商標は、「EAU LIBRE」の欧文字を横書きしてなり、平成5年5月28日に登録出願、第3類「せっけん類,芳香油,その他の香料類,おしろい,化粧水,クリーム,頭髪用化粧品,その他の化粧品,歯磨き」を指定商品として同9年10月9日に設定登録され、その後、同19年10月23日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(2)登録第4153278号商標は、「オーリーブル」の片仮名文字を横書きしてなり、平成5年5月28日に登録出願、第3類「せっけん類,芳香油,その他の香料類,おしろい,化粧水,クリーム,頭髪用化粧品,その他の化粧品,歯磨き」を指定商品として同10年6月5日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標と引用商標とは、観念を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」は引用商標の指定商品と類似するものである。よって、本件商標は、その指定商品中の上記商品について商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標は、申立人の製造販売に係る香水の商標として周知であり、引用商標と紛らわしい本件商標をその指定商品中少なくとも「化粧品」に使用するときは、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。よって、本件商標は、その指定商品中「化粧品」について商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、前記1のとおり、同一書体による片仮名文字と欧文字を上下二段にまとまりよく一体的に表してなるものであって、これより生ずると認められる「プードゥルアクアリーブル」の全体の称呼も比較的冗長に亘るものと言い得るものである。
ところで、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては比較的フランス語が使用されることを考慮すれば、本件商標の構成中の「POUDRE」の欧文字が「粉、粉末、おしろい」の意味を有するフランス語であり、「プードゥル」の片仮名文字がその表音として認識され、さらには、これらが商品の品質、形状等を表示するものとして認識し理解されることもあることは否定し得ない。
そうすると、本件商標にあっては、「POUDRE」の欧文字及び「プードゥル」の片仮名文字部分は自他商品の識別力が比較的弱く、「AQUALIBRE」の欧文字及び「アクアリーブル」の片仮名文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすことも少なくないというべきであり、これより単に「アクアリーブル」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。
しかしながら、当業界におけるフランス語の普及度に照らしても、「AQUALIBRE」の欧文字は、熟語として親しまれているものではなく、これから直ちに「自由な水」程の意味合いを理解できるものとはいい難いことからすると、該文字部分は一種の造語からなるものとして認識し把握されるものというべきである。
他方、引用商標は、前記2のとおりの構成からなるところ、それぞれの構成文字に相応して「オーリーブル」の称呼を生ずるものといえる。
そして、その構成中の「EAU」の欧文字が「水」を意味するフランス語であって、「eau de parfun」、「eau de toilette」等の如く用いられるとしても、引用商標中の「EAU LIBRE」の欧文字は、上記「AQUALIBRE」と同様、熟語として親しまれているものではなく、これから直ちに「自由な水」程の意味合いを理解できるものとはいい難いことからすると、該文字部分は一種の造語からなるものとして認識し把握されるものというべきである。まして、同書同大で一連に書された「オーリーブル」の文字からは特定の既成観念を想起し得ないものである。
しかして、本件商標から生ずる「プードゥルアクアリーブル」又は「アクアリーブル」の称呼と引用商標から生ずる「オーリーブル」の称呼とは、構成音数を異にするばかりでなく、相違する各音の音質の差等により、それぞれ明瞭に区別することができるものである。
そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、また、上記のとおり、いずれも親しまれた既成の観念を有しない一種の造語である以上、観念上両者を比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、商品「香水」について使用されており、この種業界においては、申立人の業務に係る商品を表示する商標としてある程度知られていることが認められる。
しかしながら、本件商標と引用商標とは、前記(1)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものであるから、本件商標をその指定商品中「化粧品」に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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