Trademark Appeal Case
称呼・外観の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900468(T2007−900468/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5058639号商標(以下「本件商標」という。)は、「ガジィー」及び「GUZZY」の文字を上下2段に横書きしてなり、平成18年11月27日に登録出願、第21類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年6月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1278568号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、昭和47年5月23日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同52年6月21日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(2)理由の要旨
(ア)商標法第4条第1項第11号について
引用商標の要部「guzzini」と本件商標の要部「GUZZY」を比較すると、「guzz」の需要者・取引者に強い印象を与える語頭部が共通し、相違は、末尾の「Y」と「ini」の相違にすぎない。加えて、両者からは、そのローマ文字に照らして、それぞれ、「グッジィー」と「グッジィーニ」の称呼が生じうるが、この称呼の相違点は、末尾の「ニ」の弱音の有無の相違であるにすぎない。
このように、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼においてきわめて近似する類似商標である。本件商標と引用商標とは、その指定商品において抵触するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反する商標として、その登録は取り消されるべきである。
(イ)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、イタリアの本国はもとより、我が国においても十分に周知・著名な商標となっている。本件商標は、その指定商品に「包装用容器、なべ類、やかん、食器類」等々、申立人の取り扱いにかかる商品を指定商品としており、引用商標にきわめて近似する本件商標が、これら商品に使用されれば、その商品は、申立人の提供にかかる商品であると、取引者・需要者にその出所につき誤認混同の生じるおそれが十分にあるものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反する商標として、その登録は取り消されるべきである。
(ウ)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
引用商標は、イタリアで使用されてきた周知・著名商標であり、我が国でもよく知られているものである。
これに対して、本件商標は、引用商標の末尾「ini」を単に「Y」の一文字に置き換えただけにすぎず、その外観・称呼において、きわめて近似する類似商標というべきものである。
そのような商標を、引用商標の使用にかかる商品と同一の商品に使用し、商標登録しようとする行為は、外国の周知・著名商標である引用商標の人気及び信用を不当にフリーライドしようとするものである。よって、かかる本件商標を登録するのは、国際信義、ひいては公序良俗に反するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反する商標として、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、前記1のとおりの構成からなるものであるから、該文字に相応して「ガジィー」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。
他方、引用商標は、別掲のとおり図形と文字との組合せからなるところ、全体として特定の観念を有するものとはいえず、常に不可分一体のものとして捉えるべき格別の理由は見いだせないものであるから、引用商標は、これに接する需要者が「guzzini」の欧文字部分に着目して取引に当たる場合も決して少なくないといわざるを得ず、該文字部分に相応して「グッチーニ」又は「ガッチーニ」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。
そうすると、本件商標より生ずる「ガジィー」の称呼と、引用商標より生ずる「グッチーニ」又は「ガッチーニ」の称呼とは、それぞれ構成音数、構成音が明らかに異なる称呼上類似しない商標というべきである。
また、本件商標を構成する「GUZZY」の欧文字部分と引用商標の構成中の「guzzini」の欧文字部分とは、語尾部の文字において「Y」と「ini」の差異を有するものであり、しかも、全体の文字において大文字であるか小文字であるかの相違を有するものであるから、本件商標と引用商標とは、通常の注意力をもってすれば、その差異は明らかに認識し得るもので見誤るおそれはないものである。
さらに、観念においては、共に造語と認められるから、比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念、外観のいずれの点よりみても、類似しない商標といわざるを得ない。
他に、本件商標が引用商標に類似するとすべき理由は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当について
申立人提出の甲第3号証ないし甲第7号証のインターネット情報によれば、引用商標が付された「家庭用品」等が紹介されていることは認められるが、それらの証拠は、その商品の使用の期間、範囲、規模、宣伝広告の事実等が必ずしも明らかでなく、使用時期等を特定することができないものであり、また、甲第8号証の商品カタログは、2007年のものであり、該カタログに掲載されている商品についても使用の期間、範囲、規模、宣伝広告の事実等が必ずしも明らかでないから、該証拠をもって、引用商標が本件商標の登録出願時に、我が国において需要者の間で広く認識されるに至っていたとまで認めることはできないものである。
そうすると、上記(1)のとおり、本件商標は、引用商標とは別異の商標であって、著名とは認められないことから、本件商標の登録出願時に、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品と誤認することは認め難く、商品の出所について混同するおそれがあったと判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号該当について
本件商標は、その構成自体において、矯激あるいは卑猥等公序良俗を害するおそれがあるものでないこと明らかであるうえ、その出願の過程において著しく社会的妥当性を欠くなどの事情も見いだし得ないものである。さらに、これを指定商品に使用したとしても、直ちに社会一般の道徳観念に反するものということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当するものではない。
(4)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものと認められないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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