Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900510(T2007−900510/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5066906号商標(以下「本件商標」という。)は、「七福神おめでた」の文字を横書きしてなり、平成18年10月5日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年8月3日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4004283号商標(以下「引用商標1」という。)は、「七福神」の文字を横書きしてなり、平成6年12月16日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年5月30日に設定登録されたものである。
(2)登録第4271574号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成9年5月8日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年5月14日に設定登録されたものである。
(3)登録第4576030号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成13年7月12日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年6月14日に設定登録されたものである。
(引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは、以下、単に「引用商標」という。)
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成文字全体が既成の観念を有するものではなく、顕著に認識される「七福神」の文字部分より「シチフクジン」の称呼及び「七福神」の観念が生じ、外観上も「七福神」が認識されるものである。
一方、引用商標1は、その構成文字より「シチフクジン」の称呼及び「七福神」の観念が生ずるものである。また、引用商標2及び引用商標3は、その構成文字中、自他商品の識別機能を有する「七福神」の文字部分より「シチフクジン」の称呼及び「七福神」の観念が生じ、外観上も「七福神」が認識されるものである。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれの点においても類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、その業務に係る商品「あられ、おかき、せんべい」等に「七福神あられ」等「七福神」の文字を要部とする商標(以下「申立人使用商標」という。)を長年にわたって使用し、宣伝・広告をした結果、申立人使用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものである。
したがって、本件商標をその指定商品について使用した場合、その需要者が該商品を申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「七福神おめでた」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ・間隔で書してなるものであるから、外観上一体的なものとして看取されるばかりでなく、これより生ずると認められる「シチフクジンオメデタ」の称呼も、決して冗長というほどのものではなく、よどみなく称呼され得るものである。また、本件商標は、構成文字全体が親しまれた熟語的意味合いを有するものではないとしても、その構成中の「七福神」の文字(語)は、「七柱の福徳の神」の意味をもって、古来よりめでたいものの象徴の一つとされていたものであることは、我が国の国民の間に広く認識されているところであるから、該文字と後半の「おめでた」の文字とは、観念上も密接な関係を有するものとして捉えられるといえる。
してみれば、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと理解されるというのが相当であるから、その構成文字に相応して、「シチフクジンオメデタ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、全体として造語の一種を表したと理解されるとみるべきである。
したがって、本件商標より「七福神」の文字部分を分離、抽出し、これを前提として、本件商標と引用商標とが「シチフクジン」の称呼及び「七福神」の観念を同じくし、かつ、外観上も類似するとした申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、理由がない。
以上によれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
甲第4号証の1の1ないし甲第4号証の1の21の1、甲第51号証の1の1ないし甲第51号証の2の4、甲第61号証の1、甲第62号証の1の1ないし甲第62号証の1の7、甲第62号証の2の1ないし甲第62号証の3の2、甲第63号証の1の1及び甲第63号証の1の2、甲第63号証の3の1ないし甲第63号証の5の1、甲第64号証の1の1ないし甲第65号証の1の3、甲第67号証の1の1ないし甲第73号証の1の1、甲第73号証の2の1、甲第74号証の1の1及び甲第74号証の1の2を総合すれば、申立人は、その業務に係る商品「あられ」等(以下「申立人商品」という。)について、本件商標の登録出願前より申立人使用商標を使用し、群馬県を中心に宣伝・広告活動を行ってきたことが認められる。
しかし、申立人使用商標を表示した申立人商品が、関東一円をはじめ全国的なレベルで、あられ等菓子の分野の需要者の間に広く認識されていたと認めるに足る証拠は見出せず、したがって、申立人商品が本件商標の登録出願時に、群馬県という地域的範囲を超えて全国的なレベルで需要者の間に広く知られるようになっていたものとは認めることはできない。また、前記(1)認定のとおり、「七福神」の語は、古来より我が国において、めでたいものの象徴の一つとして国民の間に広く親しまれている語であり、該語自体、格別独創性の高いものとはいえないこと、及び、本件商標は、その構成中の「七福神」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではなく、引用商標とは非類似のものであるから、申立人使用商標とも類似する商標とはいえないことを併せ考慮すれば、本件商標に接する需要者が、これより直ちに申立人使用商標を想起又は連想するものとみることはできない。
したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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