Trademark Appeal Case
称呼の類似性と語尾音
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900531(T2007−900531/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5071195号商標(以下「本件商標」という。)は、「BIOSIS」の欧文字と「バイオシス」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成19年2月13日に登録出願、第1類及び第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年7月11日に登録査定、同年8月17日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第3297392号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成6年6月9日に登録出願、第5類「歯科用材料」を指定商品として、同9年4月25日に設定登録され、その後、同19年3月20日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)理由の要点
本件商標は、「BIOSIS/バイオシス」の欧文字及び片仮名文字を上下二段に書してなり、下段の片仮名文字から「バイオシス」の称呼が生ずると考えるが自然である。
一方、引用商標は、「biosil」の欧文字からなり、「バイオシル」の称呼が生ずる。
本件商標、引用商標の両商標は、5音構成中「バイオシ」の4音(前半)が共通であり、違いは語尾に位置する「ス」と「ル」の音にすぎない。しかも語尾音は母音「u」を共通していることから、全体をそれぞれ一連に称呼した場合は、語感が相似たものとなり互いに聞き誤るおそれがあるといえる。
したがって、本件商標、引用商標の両商標は、外観、観念を論及するまでもなく、称呼上類似する商標である。
(3)以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、第5類「歯科用材料」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、上記のとおり、「BIOSIS」の欧文字と「バイオシス」の片仮名文字を上下二段に書してなるものであり、下段の片仮名文字が上段の欧文字の表音を表したものと無理なく認識できるものであるから、下段の片仮名文字に相応して「バイオシス」の称呼のみが生じ、特定の観念が生じない造語というのが相当である。
一方、引用商標は、別掲のとおり、黒地の横長長方形内に「biosil」の欧文字を白抜き(語頭の「b」は、やや図案化している。)で表したものである。そして、その構成中の「biosil」の欧文字は、親しまれた既成の観念を有しない造語よりなるものと認められるものであって、我が国において、一般に親しまれている英語風発音に倣うと、「バイオシル」の称呼を生ずるというのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「バイオシス」の称呼と、引用商標より生ずる「バイオシル」の称呼とを比較すると、両称呼は、共に5音という短い音構成からなり、語尾において、「ス」と「ル」の音の差異を有するものであるところ、前者の「ス」の音は、舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦子音「s」と母音「u」との結合した音であって、弱く発音されるのに対し、後者の「ル」の音は、舌面を硬口蓋に近づけ舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音「r」と母音「u」の結合した音であって、響きの強い弾音として発音されることから、両者は、たとえ母音「u」を共通にするとしても、その調音位置、調音方法が異なるものであり、該「ス」と「ル」の音は、明瞭に発音、聴取されるとみるのが相当である。
そうすると、該差異音がそれ程冗長ではない両称呼に及ぼす影響は大きく、両称呼は、それぞれを一連に称呼しても全体の音感・音調が異なり、互いに相紛れるおそれのないものである。
さらに、本件商標と引用商標は、前記した構成からみて外観上明確に区別し得るものであり、観念においてはいずれも造語よりなることから、比較することができない。
してみると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても何ら相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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