Trademark Appeal Case
欧文字3文字の称呼判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900535(T2007−900535/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5072658号商標(以下「本件商標」という。)は、青色の「SGI」の欧文字を書してなり、平成18年9月29日に登録出願、第1類ないし第12類及び第14類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年7月13日に登録査定され、同年8月24日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1906618号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和59年10月31日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年10月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされ、さらにその後、平成19年1月31日に第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
引用商標は、別掲のとおりの構成からして、その要部は「SGD」である。
そうすると、引用商標の要部「SGD」と本件商標「SGI」とは、欧文字3文字中「S」と「G」とにおいて同一であり、わずかに末尾の「D」と「I」とにおいて相違するにすぎないから、外観において類似するものである。
また、引用商標の要部「SGD」からは、「エスジーディ」の称呼が生じ、本件商標「SGI」からは、「エスジーアイ」の称呼が生ずる。
そして、本件商標より生じる「エスジーアイ」の称呼と引用商標の要部より生じる「エスジーディ」の称呼とを対比すると、両者は、「エ」「ス」「ジー」を共通にし、末尾の「ディ」と「アイ」とにおいて相異するが、共に母音を共通にするものである。
加えて、「ディ」も「アイ」も語尾にある音節であり、称呼の識別において重要な機能を果すものではない。
よって、本件商標「SGI」は、引用商標の要部「SGD」と称呼において類似する。
また、本件商標の指定商品中、第21類「ガラス製又は陶磁製の包装用容器」は、引用商標の指定商品と類似する。
したがって、本件商標は、その指定商品中、第21類「ガラス製又は陶磁製の包装用容器」について、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の引用商標及びその要部「SGD」は、同人がその製造販売にかかるガラス製容器に30年以来使い続けている商標で、日本を含む世界中において周知の商標である。
そして、本件商標は、引用商標の要部「SGD」と、外観において類似し、少なくとも、外観においてまぎらわしく、称呼において類似し、仮に称呼において類似しないとしても、少なくとも称呼においてまぎらわしい。
したがって、本件商標「SGI」がその商標権者により、ガラス製容器等に使用された場合は、取引者、需要者の間に、かかる商品の出所が申立人であるとの出所についての具体的な誤認混同を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は、その指定商品中、第21類「ガラス製又は陶磁製の包装用容器」について、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、商標法第43条の2第1号により、その登録を取り消すべきものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「SGI」の欧文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「エスジイアイ」の称呼を生ずるものである。
一方、引用商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるから、その構成中顕著に表されている「SGD」の文字部分より「エスジイデイ」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用商標の「SGD」の文字部分より生ずる称呼についてみるに、先ず、本件商標と引用商標構成中の「SGD」の文字は、共に欧文字3文字を羅列してなるものであり、また共に成語を形成するものではない。
そして、本件商標と引用商標の上記文字部分のように、単に欧文字3文字を羅列した場合における発音に際しては一気一連というよりも、一文字一文字を区切って明確に発音される場合が多いといえるから、本件商標が「エス」、「ジイ」、「アイ」、引用商標の上記文字部分が「エス」、「ジイ」、「デイ」のように、区切って明確に発音されるといえ、加えて、両者の語尾の「アイ」対「デイ」という音の差異を合わせ考えれば、両商標は称呼上相紛れることなく区別できるものというべきである。
また、両商標は、前記第1及び第2の1の構成よりみて外観上明らかに異なるものであり、観念においては比較できないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
2 商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲第3号証によれば、同人が属するサンゴバングループの日本法人のウエブページによれば、申立人がガラス製品を製造販売していることは認められるが、この甲第3号証によっては、引用商標又はその要部「SGD」のみの使用は見当たらない。また、甲第4号証のサンゴバングループの英語版には、「SGD」と円内に「S」「G」「D」が重なったマークが認められるが、我が国において引用商標又はその要部「SGD」が申立人がガラス製品に使用されていたとはこの甲第4号証によっては、認めることができないものである。さらに、甲第5号証の1ないし甲第5号証の8よりすると、中国を始めとした各国の登録証の写しであることは認められるが、これらをもってしては、引用商標及びその要部「SGD」がガラス製品を取り扱う我が国の業界においては、相当程度認識されていると認めるには不充分なものといわざるを得ない。
さらに、上記のとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品中、第21類「ガラス製又は陶磁製の包装用容器」について使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標及びその要部「SGD」を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
3 まとめ
したがって、本件商標は、登録異議申立てに係る指定商品、第21類「ガラス製又は陶磁製の包装用容器」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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