sokuhyo

Trademark Appeal Case

著名商標と結合商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900545(T2007−900545/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5073155号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5073155号商標(以下「本件商標」という。)は、平成18年11月14日に登録出願、「シェルショット」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第7類「金属加工機械器具,動力付き手持工具,プラスチック加工機械器具,ゴム製品製造機械器具,業務用攪はん混合機,業務用皮むき機,業務用切さい機,修繕用機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,管路洗浄機」を指定商品として、同19年8月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第67号証を提出した。

(1)引用商標

申立人が引用する登録第4146987号商標(以下「引用商標1」という。)は、平成6年9月30日に登録出願、「SHELL」の欧文字を横書きしてなり、第7類「金属加工用機械,鉱山用機械」を指定商品として、同10年5月22日に設定登録、その後、同20年4月15日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

同じく、登録第4161778号商標(以下「引用商標2」という。)は、平成6年9月30日に登録出願、「シェル」の片仮名文字を横書きしてなり、第7類「金属加工用機械,鉱山用機械」を指定商品として、同10年7月3日に設定登録されたものである。

以下、これらを一括して「引用商標」という。

(2)申立人について

申立人は、英米の7社からなる、いわゆるメジャー(国際石油資本)の一つとして世界的に有名な「ロイヤル・ダッチ/シェル グループ」(以下「シェルグループ」という。)のブランドを管理する会社であって、シェルグループが国際的に著名であることは我が国で広く知られている。

そして、シェルグループは、我が国において100年を超す営業活動を行い、現在、昭和シェル石油株式会社等多数の関連会社を有し、それらの社名の一部に「シェル」の表示を使用し、それらの会社の取り扱う商品・役務に、貝の図形と共に「シェル」してきたことから、「シェル」の表示が申立人及びその関連会社の略称並びにそれらの会社が取り扱う商品・役務の商標として継続して使用されてきたことは明らかである。

(3)申立人の「シェル」の表示について

「シェル」の表示は、申立人の略称及び商標として、本件商標の出願日の

はるか以前から、我が国において周知著名であったことは疑いなく、このことは、複数の辞書に「シェルは申立人の名前」として紹介されていることからも明らかであり、また、多数の商標登録異議の決定及び審決においても認められている。

(4)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、申立人の著名な略称「シェル」を含むものであるにもかかわらず、商標権者は、本件商標の登録について申立人から承諾を得ていない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(5)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、申立人の所有する著名な商標である「シェル」をその構成中に含むものであるから、これをその指定商品について使用するときは、当該商品があたかも申立人あるいはその関連企業によって取り扱われている商品であるかのごとく、商品の出所について、混同混同するおそれが高い。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(6)商標法第4条第1項第11号について

引用商標からは明らかに「シェル」の称呼を生ずるのに対し、本件商標は、「シェル」の語を顕著に有しているから、本件商標は、引用商標に類似し、指定商品も同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(7)結び

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録を取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記のとおり「シェルショット」の片仮名文字からなるところ、該文字は、標準文字で外観上まとまりよく一体に表してなるものであり、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、その構成中の前半の「シェル」の文字が「貝殻」の意味で親しまれた外来語であるのに対し、後半の「ショット」の文字もまた「射撃」の意味で親しまれた外来語であるから、本件商標にあっては、両文字が軽重の差がなく結合し、新たな造語を形成しているものとみるが自然であり、本件商標からは、「シェルショット」の称呼のみを生ずるものというべきである。

他方、引用商標は、それぞれの構成に照らして、「貝殻」の観念及び「シェル」の称呼を生ずるものである。

そこで、本件商標から生ずる「シェルショット」の称呼と引用商標から生ずる「シェル」の称呼とを比較すると、両称呼は、「ショット」の音の有無という明らかな相違により、それぞれを一連に称呼した場合であっても十分に聴別し得るものである。

また、観念においても、本件商標は格別の観念の生じない造語からなるものであるから、両商標に比較すべきところがなく、さらに、両商標は、外観上も明らかに区別し得るものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念の何れからみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標である。

なお、申立人は、本件商標中の「ショット」の部分は、洗浄方式の名称である旨主張し、甲第65号証ないし甲第67号証を提出している。しかしながら、これらの証拠からは、ショットの文字がショット材、ショットブラスト法などのように他の文字と結合して使用されていることは確認できるとしても、「ショット」の文字単独で商品の品質等を表示するものとして、その商品の需要者に認識され、使用されているとまでは認めることができない。 そして、本件商標は、上記のとおり、一体不可分の造語と捉えるのが自然であるから、本願商標中需要者に注意深く看取されるのは「シェル」の部分にあるとする申立人の主張は、採用することができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人から提出された証拠は、その大半が登録異議の申立てについての決定謄本であるから、これらの証拠によっては、直ちに申立人の商標「SHELL」又は「シェル」が、申立人及びその関連会社の商標として、本件商標の出願時及び査定時において、世界的に周知・著名であることを立証したものと認めることはできないが、仮に、申立人の商標が石油・石油製品・化学製品等の分野において世界的に著名な商標であるとしても、本件商標は、上記(1)で認定したとおり、「シェルショット」の称呼を生ずる一体不可分の造語であって、引用商標と何ら紛れることのない別異の商標であるから、これをその指定商品について使用しても、申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の需要者が商品の出所について混同するおそれはない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものでもない。

(3)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、構成中の「シェル」の文字部分のみを分離して看取しなければならない特段の理由は存しないものであり、また、前記(1)及び(2)のとおり認定、判断し得るものであるから、例え、本件商標がその構成中に「シェル」の文字を含むとしても、そのことをもって申立人の著名な略称を含む商標ということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号にも該当しない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。