sokuhyo

Trademark Appeal Case

語頭の相違と商標の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−685001(T2007−685001/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際商標登録第0865620号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際商標登録第865620号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、2005年(平成17年)9月6日を国際登録の日とし、第35類「Promoting the purchase of goods through the administration of an incentive awards program.」を指定役務として、平成18年10月27日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、次の3件の登録商標を引用しており、いずれも現に有効に存続している。

(1)登録第4464255号商標(以下「引用商標1」という。)は、「AADVANTAGE」の欧文字を書してなり、平成11年8月30日に登録出願、第35類「商品の販売促進及び役務の提供促進のためのポイントカードの発行及び管理」及び第39類「航空機による輸送」を指定役務として、同13年4月6日に設定登録されたものである。

(2)登録第4467835号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成11年10月29日に登録出願、第35類「商品の販売促進及び役務の提供促進のためのポイントカードの発行及び管理」及び第39類「航空機による輸送,旅行(宿泊に関するものを除く。)に関する情報の提供,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」を指定役務として、同13年4月20日に設定登録されたものである。

(3)登録第4864572号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成16年7月21日に登録出願、第16類「販売促進用パンフレット,雑誌,新聞,時刻表,料金表,はがき,ハンドブック,マニュアル」、第35類「商品若しくは役務の購入又は旅行に使用できる購入ポイントを付与する販売促進プログラムによる他人の商品又は役務の販売促進策の企画及び実施」及び第39類「航空会社、船舶による輸送会社及び車両の貸与会社により与えられる賞金を得られるプログラムを備えた旅客及び貨物の輸送」を指定商品及び指定役務として、同17年5月20日に設定登録されたものである。

以下、これらを一括していうときは「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標との相違は、語頭の一部について認められるにすぎない。両商標のこの程度の相違は、需要者・取引者が、同一の出所から提供される一連の役務・商品群について使用されるものであると誤認したり又は提供される役務・商品が互いに関連を有するものであると想起する程度の相違にすぎない。

また、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務とは、実質的に同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

引用商標は、「商品若しくは役務の購入又は旅行に使用できる購入ポイントを付与する販売促進プログラムによる他人の商品又は役務の販売促進策の企画及び実施」について、周知・著名な商標である。

本件商標と引用商標との相違は、語頭の一部について認められるにすぎないから、本件商標をその指定役務に使用するときは、申立人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号の規定に違反して登録されたものである

(3)商標法第4条第1項第19号について

本件商標の登録は、申立人が有する世界的に周知・著名な商標「AADVANTAGE」及び「AAdvantage」と類似する商標を冒用し、申立人に損害を与えたり、申立人の商標の価値を希釈化する不正目的をもってなされたものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録されたものである

(4)商標法第4条第1項第7号について

本件商標の登録は、申立人が有する世界的に周知・著名な商標「AADVANTAGE」及び「AAdvantage」と類似する商標を冒用し、申立人の有する商標の著名性を剽窃するものであるから、公序良俗に反するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号の規定に違反して登録されたものである

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第10号及び同第11号について

本件商標は、別掲(1)のとおり「ADJ ADVANTAGE」の文字よりなるところ、該構成文字は、同じ書体及び同じ大きさで、まとまりよく表されていることから、「ADJ」の文字と「ADVANTAGE」の文字との間に半文字程度の余白がある点を考慮したとしても、外観上一体的に把握し得るものである。また、その全体より生ずる「エーデージェーアドバンテージ」の称呼も、やや冗長であるとしても、一気一連に称呼し得るものである。

してみれば、本件商標は、その構成全体をもって不可分一体のものと認識し把握される、特定の観念を生じない造語であるとみるのが自然である。

そうとすれば、本件商標からは、全体の構成文字に相応して「エーデージェーアドバンテージ」の称呼のみを生ずるというのが相当である。

これに対し、引用商標1は、「AADVANTAGE」の文字よりなるところ、該構成文字は、同じ書体、同じ大きさ及び同じ間隔で表されていることから、外観上は一体に把握し得るものである。また、その構成全体より生ずると認められる「アアドバンテージ」又は「エーアドバンテージ」の称呼も、さほど冗長とはいえず一気一連に称呼し得るものである。

してみれば、引用商標1は、その構成全体をもって不可分一体のものと認識し把握される、特定の観念を生じない造語であるとみるのが自然である。

そうとすれば、引用商標1からは、全体の構成文字に相応して「アアドバンテージ」又は「エーアドバンテージ」の称呼を生ずるというのが相当である。

引用商標2は、別掲(2)のとおり、「AAdvantage」の文字を表示するとともに、1番目の「A」の文字と2番目の「A」の文字の間に、2つの黒塗り略平行四辺形が交差してなる図形を描いてなるものであるところ、当該文字部分と当該図形部分とを一体として把握しなければならないとする格別の事情は認められないから、当該文字部分は当該図形部分と独立して自他商品識別標識としての機能を有するというべきである。

そして、「AAdvantage」の文字は、同じ書体及び同じ間隔で表されていることから、外観上は一体的に把握し得るものである。また、その構成全体より生ずると認められる「アアドバンテージ」及び「エーアドバンテージ」の称呼も、さほど冗長とはいえず、一気一連に称呼し得るものである。

そうとすれば、引用商標2は、その構成全体をもって不可分一体のものと認識し把握される、特定の観念を生じない造語であるとみるのが自然である。

してみれば、引用商標2からは、全体の構成文字に相応して「アアドバンテージ」又は「エーアドバンテージ」の称呼を生ずるというのが相当である。

引用商標3は、別掲(3)のとおり、「AAdvantage Retail」の文字を表示するとともに、1番目の「A」の文字と2番目の「A」の文字の間に、2つの黒塗り略平行四辺形が交差してなる図形を描いてなるものであるところ、当該文字部分と当該図形部分とを一体として把握しなければならないとする格別の事情は認められないから、当該文字部分は当該図形部分と独立して自他商品識別標識としての機能を有するというべきである。

そして、「AAdvantage Retail」の文字部分は、同じ書体で、まとまりよく表されていることから、「AAdvantage」の文字と「Retail」の文字との間に半文字程度の余白がある点を考慮したとしても、外観上一体的に把握し得るものである。また、その全体より生ずる「アアドバンテージリテール」又は「エーアドバンテージリテール」の称呼も、やや冗長であるとしても、一気一連に称呼し得るものである。

してみれば、引用商標3は、その構成全体をもって不可分一体のものと認識し把握される、特定の観念を生じない造語であるとみるのが自然である。

そうとすれば、引用商標3からは、全体の構成文字に相応して「アアドバンテージリテール」又は「エーアドバンテージリテール」の称呼を生ずるというのが相当である。

しかして、本件商標より生ずる「エーデージェーアドバンテージ」の称呼と引用商標より生ずる「アアドバンテージ」、「エーアドバンテージ」、「アアドバンテージリテール」又は「エーアドバンテージリテール」の称呼とは、構成音数、音構成に著しい差異を有していて、明確に聴別し得るものであるから、本件商標は、引用商標と称呼において類似するものではない。

また、本件商標と引用商標は、外観においては明らかに相違し、観念においては、共に造語と認められるため比較することができない。

したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれもが相違する非類似の商標である。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標の使用状態を示すために提出された甲第6号証は、申立人のウエブサイトの一部であるところ、係る証拠のみによっては、引用商標の著名性を認めることはできない(なお、申立人は、本件登録異議の申立てに対し、商標登録異議理由補充書を平成19年4月17日に提出し、その中で、引用商標の周知・著名性についても述べているが、当該理由補充書は、商標法第43条の4第2項に規定する期間経過後の提出であるから、採用しない。)。

また、本件商標と引用商標とは、(1)で述べたとおり、十分に識別し得る別異の商標であるから、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者、取引者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められない。

したがって、本件商標は、これを商標権者がその指定役務に使用しても、その役務が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の役務であるかのごとく混同を生ずるおそれのある商標であるとはいえない。

(3)商標法第4条第1項第19号及び同第7号について

(1)で述べたとおり、本件商標と引用商標は、十分に識別し得る別異の商標であり、また、請求人が提出した証拠によっては、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的など不正の目的をもって使用するものであるとはいえず、また、引用商標の著名性を冒用又は剽窃する公序良俗に反する商標であるということもできない。

(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。