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Trademark Appeal Case

商品区分の相違と不使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−300656(T2007−300656/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4678763号商標(以下「本件商標」という。)は、「トルン」の文字を横書きしてなり、平成14年4月8日に登録出願、第14類「キーホルダー,イヤリング,ネクタイ止め,ネクタイピン,ネックレス,ブレスレット,ペンダント,宝石,ブローチ,指輪,カフスボタン,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第16類「紙製包装用容器」及び第24類「フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,布製ラベル」を指定商品として同15年6月6日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、「第14類 全指定商品」を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

(1)請求の理由

請求人の調査するところによるも、本件商標は、その指定商品中、第14類の如何なる商品についても、継続して3年以上日本国内において、商標権者により使用されている事実は発見することができなかった。

また、本件商標について、専用使用権、通常使用権の登録もされておらず、これらの者による使用の事実もない。

よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、請求の趣旨のとおりの審決を求める。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標が取消請求に係る指定商品に使用されていることが立証されていない。

本件商標が使用されているとする商品中の「ストラップ」は、電気通信機械器具に属するものであるから、本件商標に係る第14類の指定商品に含まれていないことは明らかである。

次に、本件商標が使用されているとする商品中の「リングネックレス、リング、ループブレスレット、リング足首用、ネックレス、ブレスレット」に関しては、乙各号証に以下のように記述されている。

乙第2号証には、「遠赤外線とマイナスイオンとの複合パワー『トルン』」、「遠赤外線とは血行をよくしてからだ全体を温め、新陳代謝を活発にする働きがあるといわれております。マイナスイオンとはストレスなどでバランスを崩しがちな身体をリラックスさせ心でからだの調子を整える働きがあるといわれております。」、「マイナスイオンがコンピュータの電磁波からあなたを守ります。」と記載されており、乙第3号証には、「外谷製紙のシリコンゴム製健康器具『トルン・ループ』」と記載されており、乙第4号証には、「外谷製紙(株)・・・は新たな健康商品『トルン・ループ』のスポーツシリーズを開発した。」と記載されており、乙第7号証には、「トルン シリーズ トルマリン鉱石(電気石)とゼオライト鉱石(沸石)の複合パワー(特許出願)により、強い遠赤外線と多数のマイナスイオンを発生させる様々な健康器具『トルン』商品を販売しております。」、「トルンシリーズは天然鉱石のパワーをいかした健康器具です。」と記載されている。

これらの記述からみれば、本件商標が使用されている「リングネックレス、リング、ループブレスレット、リング足首用、ネックレス、ブレスレット」は、身につけて美しく見せるための身飾品ではなく、人の健康を増進することを目的とする医療用のリングネックレス、リング・ループブレスレット、リング足首用、ネックレス、ブレスレットであることは明らかである。

商標法上、これら医療用の商品は、第14類ではなく、第5類の商品である。このことは電子図書館における商品・役務リストからも明らかである。

そして、被請求人は、上記商品が取引上、身飾品として宝飾店等で販売されていることを何ら立証していない。身飾品としてのネックレス、ブレスレットは、専ら宝飾店等の店舗で販売されるものであって、被請求人の商品のように東急ハンズのような日用品店で販売されるものではない。

以上述べたことから明らかなように、本件商標が本件取消審判請求の予告登録前3年以内に取消請求に係る指定商品に使用されていたことは、立証されていない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。

被請求人は、平成15年6月6日の商標登録時より現在まで、本件商標を第14類に該当する商品に使用し続けている。

乙第1号証は、商品・商品パッケージ一覧表であり、乙第2号証は、商品販売用カタログとその請求書写し2点であり、乙第3号証及び乙第4号証は、平成11年6月8日付け及び平成13年11月13日付けの山陰中央新報社発行の雑誌「山陰経済ウイークリー」の写しであり、乙第5号証は、平成15年6月1日付け日本スキルバンクネットワーク社発行の雑誌「ブラボーさんいん」の写しであり、乙第6号証は、商品の取引書類(発注書とそれに対する納品書)2点の写しであり、乙第7号証は、Webページ写し及びURL4点であり、乙第8号証は、商品の店頭販売状況写真(東急ハンズ新宿店)である。

よって、請求人の主張を認めることはできない。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出に係る乙各号証及びその主張によれば、以下の事実を認めることができる。

乙第1号証は、「商品・商品パッケージ一覧表」と題する書面であり、発行日あるいは印刷日、作成者は記載されていないが、「商品名」の欄には、「トルン・リングネックレス」、「トルン・リング」、「トルン・ループブレスレット」、「トルン・リング足首用」、「PCトルン・ネックレス」、「PCトルン・ブレスレット」、「トルン・ストラップ」等の各種商品が掲載されており、各商品名の横には、それらの商品をパッケージした状態の写真や使用状態を示す写真が掲載されている。

そして、商品をパッケージした状態の写真には、いずれにも「TORUN」の商標が表示されている。

次に、乙第2号証についてみるに、乙第2号証として提出されている書証は4点あるので、以下、便宜上、カタログを「乙第2号証の1」と表示し、「PC−TOrUn」と題する小冊子を「乙第2号証の2」と表示する。

乙第2号証の1は、「遠赤外線とマイナスイオンの複合パワー『トルン』(「トルン」の文字にはマルアールの記号が付されている。)」と題するカタログであって、右肩には「TORUN」の商標が表示されており、「身につけているだけで、快適な毎日を。/天然鉱石トルマリン(電気石)と島根産ゼオライト(沸石)を細かな粒状にしてシリコンチューブに入れました。内部で二つの鉱石が空気に触れて摩擦し、遠赤外線と強いマイナスイオンを発生します。」等の説明書きがあり、「トルン・リング・ネックレス」、「トルン・リング」、「トルン・ループ・ブレスレット」、「トルン・ループ」、「トルン・リング足首用」等の各種商品が掲載されている。

また、裏面にも、「『トルン』で快適・爽快生活!(「トルン」の文字にはマルアールの記号が付されている。)」の見出しのもとに、各種商品の説明が記載されており、左肩には「TORUN」の商標が表示され、末尾には製造元として商標権者の住所、会社名が記載されている。

そして、このカタログ自体には、発行日や印刷日の記載はないが、綜合商品パンフ5万枚の印刷代として、綜合印刷株式会社から商標権者宛ての平成14年1月21日付請求書が添付されている。

乙第2号証の2は、「PC−TOrUn(やゝデザイン化されている)」と題する小冊子であり、右肩には「TORUN」の商標が表示され、「PCトルン・ネックレス」や「PCトルン・ブレスレット」についての商品説明や写真が掲載されており、末尾に製造元として商標権者の住所、会社名が記載されている。

そして、この小冊子にも、発行日や印刷日の記載はないが、「トルンシリーズ撮影費」として、有限会社ビー・グループから商標権者宛ての2002年10月31日付請求書が添付されている。

乙第3号証及び乙第4号証は、平成11年6月8日付け及び平成13年11月13日付けの山陰中央新報社発行の雑誌「山陰経済ウイークリー」であり、乙第5号証は、日本スキルバンクネットワーク社発行の雑誌「ブラボーさんいん 2003/6月号」であって、いずれにも「トルン」に係る製品等の紹介記事が掲載されている。

乙第6号証の1は、2007年(平成19年)4月6日付の有限会社ジョイアス(小原)から被請求人宛ての「PCトルンネックレス」についての発注書及び被請求人から有限会社ジョイアス(小原)宛の同商品についての納品・請求控であり、乙第6号証の2は、2007年(平成19年)5月29日付のイルカカレッジ有限会社から被請求人宛ての「PCトルン・ブレスレット」及び「PCトルン・ネックレス」についての商品注文書及び被請求人からイルカカレッジ有限会社宛の同商品についての納品・請求控である。

乙第7号証の1及び2は、被請求人のホームページであり、「トルンシリーズ」に係る製品の写真や商品説明等が掲載されており、製品の写真には「TORUN」の商標が表示されていることが認められる。

乙第7号証の3は、楽天のホームページにおけるショップページであって、「PCトルン・ブレスレット」、「PCトルン・ネックレス」をはじめとする「トルン」製品が紹介されており、乙第7号証の4は、出雲のけんこう館のホームページであって、そのショップページにも、「PCトルン」をはじめとする「トルン」製品が紹介されている。

乙第8号証は、東急ハンズ新宿店の外観及びトルン販売風景を撮影した写真であり、その撮影年月日等は明らかではないが、「トルマリンで身体をリラックス」の見出しを掲げたコーナーにおいて「PC−TOrUn」等の製品が販売されている状態が撮影されている。

(2)上記において認定した事実によれば、乙第1号証の「商品・商品パッケージ一覧表」には発行日あるいは印刷日が記載されておらず、乙第2号証の1のカタログは、平成14年1月当時に印刷されたものと推認され、乙第2号証の2の小冊子は、2002年(平成14年)10月当時に作成・印刷されたものと推認されるものであるから、いずれも、本件審判請求の予告登録(平成19年6月6日)前3年以内に作成・印刷されたものとは認められない。

しかしながら、被請求人のホームページ(乙第7号証の1及び2)には、「トルンシリーズ」の商品が紹介されており、ここに掲載されている「PCトルン・ネックレス」の写真は、乙第1号証の「商品・商品パッケージ一覧表」に掲載されている写真や乙第2号証の2の小冊子に掲載されている写真と符合しており、「トルン・リング(手首用)」の写真は、乙第1号証に掲載されている写真や乙第2号証の1のカタログに掲載されている写真とも符合していることが認められる。

そして、該ホームページは、そのニュースリリースの欄において、「2006年10月4日に外谷製紙株式会社自社公式ホームページアップ」と記載されていることからみれば、この時点において閲覧できる状態にあったものと推認し得るものである。

また、乙第6号証の1の取引書類や乙第6号証の2の取引書類によれば、2007年(平成19年)4月から5月にかけて、「PCトルン・ブレスレット」や「PCトルン・ネックレス」が販売されていた事実が認められるところであり、乙第7号証の4「出雲のけんこう館」のホームページ(更新情報の欄に「2007/03/19 館長健康録更新しましたと記載されている)においても「PC−トルン」や「PCトルン」が掲載されており、乙第8号証「東急ハンズ新宿店の外観及びトルン販売風景」は、その撮影年月日等が明らかではないが、乙第1号証や乙第2号証の2に掲載されている「PCトルン」が販売されている状態を窺うことができる。

そうとすれば、乙第1号証の「商品・商品パッケージ一覧表」や乙第2号証の1のカタログ及び乙第2号証の2の小冊子は、本件審判の要証期間内に、印刷・発行されたものではないとしても、本件審判の要証期間内においても、引き続き取引に供されていたものとみるのが自然である。

また、乙第6号証の1及び2において取引された「PCトルン・ネックレス」や「PCトルン・ブレスレット」は、乙第1号証の「商品・商品パッケージ一覧表」や乙第2号証の2の小冊子に掲載されていた商品とみるのが自然である。

(3)以上を総合してみれば、被請求人(商標権者)は、乙第1号証の「商品・商品パッケージ一覧表」や乙第2号証の1の「カタログ」及び乙第2号証の2の「小冊子」を作成・頒布するとともに、「トルンシリーズ」の商品紹介を被請求人のホームページにも掲載し、該「商品・商品パッケージ一覧表」や「小冊子」に掲載されている「PCトルン・ネックレス」や「PCトルン・ブレスレット」を本件審判の要証期間内である2007年(平成19年)4月6日(乙第6号証の1の1及び2)及び同年5月29日(乙第6号証の2の1及び2)の時点で、各取引書類に記載の顧客に対して販売したものと認めることができる。

そして、乙第1号証の「商品・商品パッケージ一覧表」、乙第2号証の1の「カタログ」、乙第2号証の2の「小冊子」、乙第7号証の1及び2の被請求人のホームページには、マルアールの記号が付された「トルン」の商標ばかりでなく、ローマ字で「TORUN」と表記された商標も表示されており、「PCトルン・ネックレス」や「PCトルン・ブレスレット」等の表示をもって商品が紹介されている。

しかして、本件商標は、前記したとおり「トルン」の片仮名文字を書してなるものであるところ、被請求人の使用に係る商標中、「トルン(マルアールの記号付)」の表示は、本件商標そのものの使用と認められる。

また、ローマ字で「TORUN」と表記された商標は、「トルン」の称呼のみを生ずるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標の使用といえるものであり、「PCトルン・ネックレス」や「PCトルン・ブレスレット」の表示についても、その要部は、「トルン」の文字部分にあるものといえるから、本件商標と社会通念上同一の商標の使用と認められる。

そして、本件商標の使用に係る商品のうち、少なくとも、「PCトルン・ネックレス」や「PCトルン・ブレスレット」は、乙第2号証の2に掲載されている写真や商品説明に照らしてみれば、電磁波からの防御という機能を有するばかりでなく、装飾性をも兼ね備えた商品とみるのが相当であるから、取消請求に係る第14類の指定商品中の「ネックレス」や「ブレスレット」の範疇に属する商品と認められる。

そうとすれば、被請求人(商標権者)は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、少なくとも、取消請求に係る指定商品中の「ネックレス、ブレスレット」について、本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものということができる。

(4)請求人の主な反論について

請求人は、本件商標が使用されている「リングネックレス、ループブレスレット、リング足首用、ネックレス、ブレスレット」等の商品は、カタログ等の記載からみれば、身飾品ではなく、人の健康を増進することを目的とする医療用の商品(第5類の商品)である旨主張している。

確かに、乙第2号証の1及び2や乙第7号証等には、「遠赤外線とマイナスイオンとの複合パワー『トルン』」、「マイナスイオンがコンピュータの電磁波からあなたを守ります。」、「トルンシリーズは天然鉱石のパワーをいかした健康器具です。」等と記載されており、これらの記載からみれば、被請求人が本件商標を使用しているとしている商品は、健康器具としての色彩が強いことは否定できない。

しかしながら、不使用取消審判においては、登録商標が使用されている商品の実質に則して、それが真に二つの分類に属する二面性を有する商品であれば、当該二つの分類に属する商品について、登録商標が使用されているものと扱っても取消審判制度の趣旨に反することにはならないものと解されている。

これを本件商標が使用されている「PCトルン・ネックレス」や「PCトルン・ブレスレット」についてみるに、乙第2号証の2によれば、上記したとおり、「マイナスイオンがコンピュータの電磁波からあなたを守ります。」と記載されている一方、「アクセサリー感覚でコーディネートを楽しむデザインを追求しました。」、「機能性+ファッション性のおしゃれなネックレスとブレスレット。ライフステージにあわせて自由にコーディネートをおたのしみください。」と記載されており、6色のネックレスとブレスレットも掲載されている。

そして、使用状態を示すモデルの写真からみれば、該商品は、機能性ばかりでなく、装飾性をも充分に兼ね備えた商品とみることができる。

そうとすれば、本件商標が使用されている商品のうち、少なくとも、「PCトルン・ネックレス」と「PCトルン・ブレスレット」は、取消請求に係る第14類の指定商品中の「ネックレス」や「ブレスレット」の範疇に属する商品と認めて差し支えないものというべきである。

また、請求人は、身飾品としてのネックレスやブレスレットは、専ら宝飾店等の店舗で販売されるものであって、被請求人の商品のように、東急ハンズのような日用品店で販売されるものではない旨反論している。

しかしながら、一概に身飾品といっても、高価なものから比較的廉価なものまで幅広い価格帯の商品が存在しており、高価なものは、宝飾店等の店舗で販売されているとしても、比較的廉価なもの(これも第14類の「身飾品」の範疇に入る商品であることに変わりはない。)は、量販店においても販売されていることについては、周知の事実といえることであり、このことは、ネックレスやブレスレットにおいても例外ではないから、この点についての請求人の主張も採用できない。

(5)まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る第14類の指定商品中の「ネックレス、ブレスレット」について使用していたことを証明したものということができる。

したがって、本件商標の指定商品中、取消請求に係る第14類の全指定商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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