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Trademark Appeal Case

菓子の品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−3310(T2007−3310/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ミロワール」の文字を標準文字で表してなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成18年1月23日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、『ミロワール』の文字を表してなるが、ミロワールは『薄く焼いた数枚のビスキュイの間にジャム又はムースを塗って積み重ね、上部にゼリーを一面に流し固めた』洋菓子を表すものである。そうとすれば、これを本願指定商品に使用しても、取引者・需要者は上記洋菓子を認識するに止まり、単に、商品の品質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「ミロワール」の文字よりなるところ、該文字は、菓子を取り扱う業界において、例えば、ビスキュイやスポンジ等にジャムやムース等を重ねた上部や表面をゼリーやチョコレートで流し固めてコーティングした洋菓子、ジャム等をのせた円形の洋菓子を表すものとして一般に使用されているところ、指定商品に含まれる「洋菓子」について、本願商標を構成する「ミロワール」の文字に接する取引者・需要者は、「ゼリーなどで上部を流し固めた洋菓子、あるいは、ジャムなどをのせた円形の洋菓子」程の意味合いを表す語として容易に理解し把握するというのを相当とする。

そして以上のことは、例えば、以下の菓子に関する文献やインターネットのホームページ情報等に記載された記事からも十分裏付けられるところである。

(1)「フランス菓子947製菓法」(1997年9月1日発行 有限会社モーリス・カンパニー 264頁及び265頁)に「ミロワール・オ・ミルティル(ブルーベリー)・・・仕上げ用のゼリーを型一杯まで注ぎ詰めて、再び、冷やします。」の記載があり、その他に、「ミロワール・ア・ロランジェ」「ミロワール・オ・フリュイ・ドゥ・ラ・パシオン」「ミロワール・オ・プリュノ」「ミロワール・オ・カシス」「ミロワール・オ・シトロン」「ミロワール・オ・フレーズ」「ミロワール・オ・フランボワーズ」の記載がある。

(2)株式会社ニコンのホームページ「kashi-kashi.com」に「サクサクのパートシュクレになめらかな口溶けのガナッシュとナッツの食感が生きているココアのビスキュイを詰め込んでいるから、コクがあるのにさっぱりとした味わい。別名である『タルト・ミロワール』はフランス語で“鏡”。顔が映りそうなほど美しい光沢で見た目は豪華だけれど、パートシュクレさえ焼いておけば、中は冷やすだけ。意外と手軽に作れるスイーツです。」の記載がある(http://www.kashi-kashi.com/recipe/p_cake/p_20080430.html)。

(3)株式会社エクシオジャパンのホームページに「今回の表紙ケーキはミロワールカシス。ミロワールとは、フランス語で「鏡のような〜」という意味です。艶やかな表面にたっぷり飾られたベリーたち。とても美しいケーキです。」の記載がある(http://www.berry-mag.com/sendai/cake/orangerie/index.html)。

(4)ぐるなびweddingのホームページに「アーモンドの風味豊かなダックワーズ生地に鏡のようにチョコレートをコーティングしたミロワールショコラや、風味の違う生地を幾層も重ねたオペラをベースにしたケーキなど、アイデアはぐっと広がります。」の記載がある(http://wedding.gnavi.co.jp/category/food/food05/)。

(5)La mure のホームページに「洋菓子教室 応用クラスご案内・・・9月 ぶどうのミロワール ・・・ジェノワーズとぶどうのムース、ぶどうのゼリーの組み合わせ。ミロワールは鏡という意味です 」の記載がある

(http://www.lamure.jp/cgi-bin/lamureHP/sitemaker.cgi?mode=pagepage=page4category=2)。

(6)ラフォセットのホームページに「『ミロワール・カシス』はカシスのカガミという意味。確かに表面が美しくかがやいており、ベリーが写しこまれています。・・そして最後はケーキをカガミのように美しく仕上げるコツ。」の記載がある(http://www.02.246.ne.jp/~hkawata/boudoir/lesson/20030420.html)。

(7)コム ラ フランスのホームページに「ミロワール・ショコラ ミロワールとは、フランス語で鏡という意味。まるでお化粧直しでも出来そうなほどの光沢が特徴の、まさに鏡のようなお菓子。」の記載がある(http://www.commelafrance.com/gateaux/index.html)。

(8)シェあなぐまのホームページに「☆ ミロワール・カシス ☆ ☆ 300YEN ☆ カシスのムースとババロワの二つを組み合わせた『ミロワール・カシス』。ミロワールとは『鏡』の意味で『ミラー』フランス語解釈です。ふんわりまろやか〜なババロアとカシスの甘酸っぱい酸味を感じさせる秋の大人のムースです。表面にはカシスのジュレを流し、デコレーションは、いちじく、ブルーベリー、イチゴ、チョコレート、金箔、チョコレートは、ヒレのような、羽根を思わせるような動きのある飾りです。」の記載がある(http://www.chez-anaguma.com/new_items/index.htm)。

(9)フランス菓子 ラ・フォセットのホームページに「ミロワールショコラ チョコレートソースがかかったミルクチョコムースです。」の記載がある(http://www.ric3.biz/lafossette/cake.html#osusume)。

(10)ロワイヤルのホームページに「ミロワール 1,785円〜 チョコレートクリームが艶やかで鏡のようなケーキです。」の記載がある(http://www.royal-r.jp/hallcake.html)。

(11)ABCクッキングスタジオのホームページに「ミロワール・オ・カシス」の記載がある(http://www.abc-cooking.co.jp/course/cake_abc.html)。

(12)「暮しの設計210号」(1997年8月30日2版 株式会社中央公論社 133頁)に「ミロワール フランス菓子によくあるねちっとした複雑な歯ざわり。表面の艶を鏡のように仕上げることが大事・・・」の記載がある。

(13)「お菓子の基本大図鑑 ガトー。・マルシェ」(2001年3月9日2刷 株式会社講談社 290頁)に「もう一つは円形にしてジャムをのせたミロワール。バトン・マレショーはフランス語で元帥の杖、ミロワールは鏡、・・・」の記載がある。

(14)アトリエクツミ・メゾンドレザンのホームページに「ショコラフィグ・ミロワール(ガトードヴォヤージュ) クーベルチュールを練り込んだフィナンシェ生地にいちじくの赤ワイン漬けを混ぜ込んだ、フリアンディーズと杏ジャムの酸味とシシリー産のアーモンドが絶妙の乾き菓子、飾り鏡のような形に作り込む、ミロワール」の記載がある(http://www.quatre.net/Event/Kutsumi/Canpain.html)。

(15)嵯加露府のホームページに「【ミロワール】157円(税込)アーモンドプードルを中味として柑橘系の香りのする洋酒入り。アプリコットジャム中心に周囲をアーモンドナッツで焼き上げた焼き菓子。」の記載がある(http://add.find1.jp/sakarofu/yakikasi.html)。

(16)フランス菓子 ポワブリエールのホームページに「チュイル,バトン,ミロワール 香ばしく上品に焼き上げたクッキーの数々です。」の記載がある(http://www.poivriere.com/osusume.html)。

(17)有限会社ビートアップのホームページに「ケーキ用語集・・・【ミロワール】仏語miroir 鏡。または、菓子の表面にゼリーを流したもの。クッキーにジャムを絞り入れたもの。」の記載がある(http://www.cakepia.info/cooking/word/index.html)。

そうすると、本願商標をその指定商品中の「洋菓子」に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、「ミロワール」の文字より「ゼリーなどでコーティングして鏡のようにつやを出した、あるいは、鏡のように形取った洋菓子」の意味合いを表す語として、商品の品質を表示したと認識するにとどまり、自他商品の識別標識とは理解し得ないものというべきであり、かつ、指定商品中、前記商品以外の商品に使用するときは、その品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。

なお、請求人(出願人)は、過去の登録例を挙げて、本願商標と同一の語源から生じたもので実質的に同一の語であること、また、その商標登録の存在を理由として拒絶された事実がある。そして、本願商標は、指定商品の品質を表示するものとして認識されていないと主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断基準時は、査定時又は審決時であり、また、過去の登録例に関わらず、個別具体的に判断されるべきものである。そして、本審決時においては本願商標が自他商品識別力を有しないものとの認定、前記のとおりである。

よって、請求人(出願人)のいずれの主張も採用できない。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

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