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Trademark Appeal Case

ありふれた氏の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−28715(T2006−28715/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「みながわ」の平仮名文字を筆字風に縦書きしてなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成17年11月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、ありふれた氏の一つである『皆川』に通じる『みながわ』の平仮名文字を多少の意匠化が認められるものの普通に用いられる方法で書してなるものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。確かに、出願人が主張するように、人の名前を使った商標が商標登録されている場合があるが、全国的な範囲で独占的に、かつ長期間の使用により著名になり、自他識別力を取得した場合に限られる(商標法第3条第2項適用)。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記1のとおり、「みながわ」の文字を筆字風に縦書きしてなるものであるところ、日常の商取引において、氏を表す場合、必ずしも漢字のみに限らず、平仮名文字で表す場合も決して少なくないものである。

そして、「皆川」の文字は、「大辞林第二版(株式会社三省堂発行)」及び「広辞苑第五版(株式会社岩波書店発行)」の「皆川」の項において、いずれも、第一番目の意味として、「姓氏の一。」と記載されている。

また、例えば、NTT東日本発行の「ハローページ 東京都23区個人名全区版・下巻」(平成13年3月発行)によれば、「皆川」姓の同誌掲載者が約600名に及ぶこと、及び、佐久間英「日本人の姓」(六藝書房発行)によれば、人口約35000人であることがそれぞれ記載されている。

以上の事情を併せて考慮すれば、「皆川」は、我が国において、広く知られた氏の一つであると理解され認識されているものであり、「みながわ」の文字に接する取引者・需要者は、ありふれた氏である「皆川」を平仮名文字で表したものと容易に理解するというのが相当である。

また、本願商標を構成する筆字風に表された「みながわ」の文字は、該文字を表したものと容易に把握できるものであり、極めて特徴のある文字にデザイン化された商標ということはできないものである。

したがって、本願商標は、ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

ところで、請求人は、「『みながわ』に限らず、人の名前を使った商標はほかにもある(例「ホンダ」「松下」)ため商標登録は可能だと考えられる。」と主張するものである。

しかしながら、商標法第3条第1項第4号に該当すると認められるありふれた氏は、これに接する取引者、需要者が、多数存在するそのありふれた氏のいずれの者の業務に係る商品であるかを認識、理解できないものであるばかりでなく、多数存在するありふれた氏は、そのいずれもの者が、その商品について使用を欲するものであるから、特定人に独占して登録することは、適当でないというべきである。そして、ありふれた氏であっても、例えば、永年にわたり、ある商品について使用された結果、そのことにより自他商品の識別力を有するに至ったもの等については、商品の出所表示標識としての機能を有すると認められる場合があるが、本願商標については、そのような事情は認められないものである。

また、登録出願に係る商標が登録され得るものであるか否かの判断は、当該商標の構成に基づき、個別具体的に検討、判断されるべきものであり、本願商標とはその構成文字が相違する氏による商標の存在に拘束されるべき理由はない。

したがって、請求人の主張は採用することができない。

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第4号に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論の通り審決する。

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