結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−301285(T2007−301285/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2031633号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和60年9月9日に登録出願、「PRAIRIEDOG」の欧文字を横書きしてなり、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同63年3月30日に設定登録、その後、平成10年2月24日及び同19年10月16日の2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「第21類 かばん類、袋物、化粧用具」を取消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を以下のように述べた。
本件商標は、その指定商品中「かばん類、袋物、化粧用具」については継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実を見いだすことができない。よって、当該指定商品について本件商標が使用されていないことは、明白であると確信するので、請求の趣旨記載どおりの審決を求める。
(1)被請求人の主張について
被請求人は、本件商標を主に商品「袋物」について使用していると主張し、乙第1号証において「小銭入れ」の写真、乙第2号証において「財布」の写真を提示し、その各々において本件商標「PRAIRIEDOG」と社会通念上同一と認められる「PrairieDog」が使用されている旨主張している。
しかしながら、本件商標は、全て大文字の活字体で「PRAIRIEDOG」と一連に表されているのに対し、各々の商品に表されている文字は、変形書体で、なおかつ、「P」と「D」を大文字で表したものであり、この点において、既に両者間においては、大きな相違点を有している。さらに、各々の商品に表されている文字において「g」に相当する文字は、変形が著しく、これをもって「g」を表したものと容易に理解し得るものとはいえない。「プレーリードッグ」とは、「北米大草原に群居するリス科の動物」を意味し、英語の表記では「prairie dog」と表記される。すなわち、本件商標の「PRAIRIEDOG」は、「prairie dog」に由来するものであるが、それ自体は、造語である。「PRAIRIEDOG」と大文字で一連に表した造語商標において、社会通念上同一の商標と解し得る範囲は、「prairiedog」「Prairiedog」程度の変形使用までであり、中間部における「D」を大文字にした構成及び末尾の「g」を大きく変形した構成までを、社会通念上において同一の商標と認めることは、行き過ぎといわざるを得ない。
(2)取引事実を示す資料について
被請求人は、本件商標を付した商品を主に袋物を扱う小売店等に継続して販売していると主張し、その事実を証するものとして、乙第3号証及び乙第4号証を提出しているが、以下のとおり、これらの証拠によっては、到底、使用事実を認めるわけにはいかない。
ア 乙第3号証 株式会社プレリー(以下「プレリー」という。)の証明書、納品書(控)及び写真
納品書中における、「品番:NPZ0002 品名:プレリー コモノ(T)上代:3000円」は、「PRAIRIEDOG」の商標を付した小銭入れを示し、添付の写真は、当該商品であると主張している。
しかしながら、納品書中において「品番:NPZ0002 品名:プレリー コモノ(T)上代:3000円」として示される商品が「PRAIRIEDOG」の商標を付した小銭入れを指称していることを示す客観的な証拠は、何ら提出されていない。「品番:NPZ0002」で示される商品と「PRAIRIEDOG」の商標を付した小銭入れとを結びつけるものは、プレリーの証明書のみであり、客観的に事実関係を示す証拠資料は、存在しないというべきである。
イ 乙第4号証 プレリーの証明書、納品書(控)及び写真
納品書中における、「品番:NPZ0002 品名:プレリー コモノ(T)上代:5000円」は、「PRAIRIEDOG」の商標を付した財布を示し、添付の写真は、当該商品であると主張している。
しかしながら、納品書中において「品番:NPZ0002 品名:プレリー コモノ(T)上代:5000円」として示される商品が「PRAIRIEDOG」の商標を付した財布を指称していることを示す客観的な証拠は、何ら提出されていない。「品番:NPZ0002」で示される商品と「PRAIRIEDOG」の商標を付した財布とを結びつけるものは、プレリーの証明書のみであり、客観的に事実関係を示す証拠資料は、存在しないというべきである。
また、「品番:NPZ0002 品名:プレリー コモノ(T)」という商品識別表示が「小銭入れ」にも「財布」にも共通に使用されているが、これは、商品取引上において通常に行われることではない。「上代:3000円」と「上代:5000円」によって商品の相違を暗示しているようであるが、同一の商品における材質の相違に起因して上代が異なるというのであれば理解可能であるが、商品が異なるものにおいて「品番:NPZ0002 品名:プレリー コモノ(T)」という共通の商品識別表示を用いることは、あり得ないと思料する。
ウ プレリーについて
被請求人の取引相手であり、証明書発行者たるプレリーと被請求人とは、実質上同一の会社である。
甲第1号証は両会社のインターネットホームページから抜粋したものであるが、次のような事実関係が認められる。
プレリーは、昭和48年5月に被請求人プレリーシミズ株式会社(以下「プレリーシミズ」という。)の販売部門として発足し、昭和55年5月に法人組織とされ、平成15年5月にプレリーに改称されたものであり、東京都中央区銀座1丁目14番4号に東京本社を置き、大阪市住吉区長居1丁目2番7号に大阪本社を置くものである。
一方、被請求人プレリーシミズは、昭和32年4月に創業を開始し、昭和44年2月に法人組織とされ、昭和51年1月にプレリーシミズと改称されたものであり、大阪市住吉区長居1丁目2番7号に大阪本社を置き、東京都中央区銀座1丁目14番4号に東京支店を置くものである。
すなわち、被請求人プレリーシミズとプレリーとは、その所在地を東京、大阪ともに共通にしており、後者は、前者の販売部門として位置づけられるもので、代表取締役は、前者が清水高徳、後者は清水利祐であり、所謂同族会社として相互に密接な関係にあり、実質上同一の会社と思料されるものである。
被請求人は本件商標を付した商品を主に袋物を扱う小売店等に継続して販売していると主張し、乙第1号証から乙第4号証の証拠を提出しているものであるが、仮に乙第1号証で示される「小銭入れ」、乙第2号証で示される「財布」が現実に存在していたとしても、これら商品を販売したとする相手は、実質上同一会社とみなされるプレリーであり、いわば自己取引を行っているにすぎず、到底、商標の使用義務を十全に全うしているとは、いえないものである。
しかも、「上代:3000円」と「上代:5000円」によって商品の相違を暗示しているだけの納品書しか存在せず、当該商品がそれぞれ「小銭入れ」と「財布」であると証明しているのは、実質上被請求人と同一会社とみなされるプレリーの証明書のみであり、到底、信憑性に乏しいものといわざるを得ない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
(1)請求人は、本件商標は、その指定商品中、第21類「かばん類、袋物、化粧用具」について、継続して3年以上日本国内において使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきであると主張しているが、かかる請求人の主張は、事実に反し失当である。
(2)被請求人である「プレリーシミズ」は、主として財布等の袋物やベルトを製造し販売するものであるが、本件商標の登録後、現在に至るまで、継続して本件商標を主に商品「袋物」について使用している。
(3)そこで、本件商標の使用態様の一例を示すと、乙第1号証の写真のとおりであるが、同写真は被請求人の取り扱う商品「小銭入れ」であり、その商品自体に本件商標「PRAIRIEDOG」と社会通念上同一と認められる態様で「PrairieDog」と表示している。
また、乙第2号証の写真は、被請求人の取り扱う商品「財布」であり、その商品自体に本件商標「PRAIRIEDOG」と社会通念上同一と認められる態様で「PrairieDog」と表示している。
(4)次に、被請求人である「プレリーシミズ」は、本件商標を付した商品を主に袋物を扱う小売店等に継続して販売しているが、その取引の事実を証するものとして、その一例を挙げると東京都中央区銀座1丁目14番4号に所在する「プレリー」より注文を受け、2007年1月6日、2007年6月21日、2007年7月11日に、本件商標を付した商品「小銭入れ」を同社に納品している(乙第3号証)。
さらに、東京都中央区銀座1丁目14番4号に所在する「プレリー」より注文を受け、2007年3月23日、2007年4月24日に、本件商標を付した商品「財布」を同社に納品している(乙第4号証)。
(5)以上のとおり、被請求人である「プレリーシミズ」は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件審判の取消請求にかかる指定商品「袋物」に属する商品「小銭入れ、財布」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用している。
したがって、このような本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定によって取消されるべきものではない。
本件商標は、「PRAIRIEDOG」の欧文字よりなり、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品とするものであるところ、本件審判の請求は、その中の「かばん類、袋物、化粧用具」について、登録の取消しを求めるものである。
商標法第50条第1項に規定された「商標登録の取消しの審判」にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録(本件の場合、平成19年10月23日)前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品又は指定役務についてその登録商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
乙第1号証は、商品「小銭入れ」の写真であり、「小銭入れ」の表側下部に、商標「PrairieDog」が刻印されている。
乙第2号証は、商品「財布」の写真であり、「財布」の表側右下部に、商標「PrairieDog」が刻印されている。
乙第3号証は、プレリーの代表取締役社長清水利祐のプレリーシミズ宛の平成19年11月27日付証明書であるが、そこには、「納品書(控)は、プレリーの注文によって、被請求人から、2007(平成19)年1月6日、同年6月21日及び同年7月11日にそれぞれ商品の納品を受けた際に発行された納品書(控)である。なお、同書中、『品番:NPZ0002 品名:プレリー コモノ(T)上代:3000円』は『PRAIRIEDOG』の商標を付した小銭入れを示すものである。」とあり、「写真は、プレリーが納品を受けた商品であり、前記納品書(控)中『品番:NPZ0002 品名:プレリー コモノ(T)上代:3000円』と示されている商品である。」とあり、2007(平成19)年1月6日付、同年6月21日付及び同年7月11日付納品書(控)写し及び写真が添付されている。
乙第4号証は、乙第3号証と同様の証明書であるが、異なるところは、納品日が「2007(平成19)年3月23日及び同年4月24日」であることと、納品されたとする商品が「上代:5000円」とするものであり、同様の納品書(控)写し及び写真が添付されている。
(1) 使用に係る商品について
乙第1号証の写真は、商品「小銭入れ」と認められ、乙第2号証の写真は、商品「財布」と認められ、いずれも請求に係る指定商品中、「袋物」に属するものと認められる。
(2) 使用に係る商標について
本件商標が「PRAIRIEDOG」であるのに対し、乙第1号証及び乙第2号証の使用に係る商品に付されている商標の構成は、「PrairieDog」(末尾の「g」の文字がやや図案化してなる。)であるところ、大文字か小文字かの差異はあるものの、同一の構成文字(アルファベット)よりなるものであるから、同一の称呼及び観念が生じ、社会通念上同一の商標の使用であるというべきである。
(3) 使用の時期について
乙第3号証の5頁に添付されている写真は、乙第1号証の写真と同一のものと認められる。乙第3号証の2頁ないし4頁に添付されている納品書(控)写しの日付は、それぞれ2007(平成19)年1月6日、同年6月21日及び同年7月11日であり、本件審判請求の登録前3年以内のものと認められる。
乙第4号証の4頁に添付されている写真は、乙第2号証の写真と同一のものと認められる。乙第4号証の2頁及び3頁に添付されている納品書(控)写しの日付は、それぞれ2007(平成19)年3月23日及び同年4月24日であり、本件審判請求の登録前3年以内のものと認められる。
(4) 小活
乙第3号証の2頁に添付されている2007(平成19)年1月6日付けの納品書(控)写し及び乙第3号証の5頁に添付されている写真を総合すれば、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、被請求人プレリーシミズ(商標権者)がプレリーに本件商標を付した商品「小銭入れ」を納品していたものと認められる。
乙第3号証の3頁に添付されている2007(平成19)年6月21日付けの納品書(控)写し及び乙第3号証の5頁に添付されている写真を総合すれば、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、被請求人プレリーシミズ(商標権者)がプレリーに本件商標を付した商品「小銭入れ」を納品していたものと認められる。
乙第3号証の4頁に添付されている2007(平成19)年7月11日付けの納品書(控)写し及び乙第3号証の5頁に添付されている写真を総合すれば、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、被請求人プレリーシミズ(商標権者)がプレリーに本件商標を付した商品「小銭入れ」を納品していたものと認められる。
乙第4号証の2頁に添付されている2007(平成19)年3月23日付けの納品書(控)写し及び乙第4号証の4頁に添付されている写真を総合すれば、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、被請求人プレリーシミズ(商標権者)がプレリーに本件商標を付した商品「財布」を納品していたものと認められる。
乙第4号証の3頁に添付されている2007(平成19)年4月24日付けの納品書(控)写し及び乙第4号証の4頁に添付されている写真を総合すれば、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、被請求人プレリーシミズ(商標権者)がプレリーに本件商標を付した商品「財布」を納品していたものと認められる。
請求人が提出した甲第1号証によれば、プレリーは、プレリーシミズの販売部門として発足した「ヌーベル商会」を前身とし、その後、現名称に改称しているが、プレリーとプレリーシミズとでは、所在地を東京及び大阪のいずれにおいても同一の住所に置いているが、両法人は独立した別法人と認められるから、所在地が同一であることのみをもって、自己取引にすぎないということはできない。
以上のとおり、被請求人提出の証拠によって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者によって、本件審判の請求に係る指定商品中の「袋物」に属する「小銭入れ」及び「財布」について使用したことが認められる。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、請求に係る指定商品「かばん類、袋物、化粧用具」についての登録を取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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