結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2007−32608(T2007−32608/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「快感クール」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成18年9月25日に登録出願されたものである。
原査定は、「本願商標は、『気持ちのいい冷たさ』の意味合いを容易に看取させる『快感クール』の文字を標準文字で表してなるから、これをその指定商品中の『目薬,外皮用薬剤』等に使用しても『気持ちのいい冷たさの効果を有する目薬・外皮用薬剤』を認識させるにとどまり、自他商品を識別するための標識としての機能を有せず、単に商品の品質・効能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に相応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った。
本願商標は、「快感クール」の文字よりなるところ、「快感」及び「クール」の各文字を一連に書したものと容易に理解させるものである。
そして、「快感」の文字は、「気持ちのいい感じ。」の意味を、「クール」の文字は、「(温度・色などが)冷たいさま。涼しいさま。」の意味をそれぞれ有する語(株式会社三省堂 大辞林第2版)として一般に親しまれているものである。
ところで、「快感」、「クール」の各文字は、本願指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を表示する語として使用されていることが、以下の新聞記事情報及びインターネット情報によっても裏付けられる。
そうとすれば、本願商標は全体として「気持ちのいい冷たさ」程の意味合いを容易に理解、認識されるものである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、例えば「気持ちのいい冷たいさし心地の目薬,気持ちのいい冷たさの冷湿布剤」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認識、把握するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきであり、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するといわざるを得ない。
(1)「快感」の文字について
ア 1993年2月17日付け読売新聞 東京朝刊の9頁には「コンタクトの不快感を緩和する目薬を発売/大正製薬」の見出しの下に「大正製薬は、コンタクトレンズ装着時の不快感を和らげる目薬『アイリスCL−I』を、3月1日発売する。レンズの種類を問わず装着したまま点眼できる。1回分ずつこん包されているため、液に異物が混じる心配がない。30回分入り、1000円。」との記載がある。
イ 2005年4月11日付け読売新聞 東京朝刊の6頁には「[消費事情ランキング]目薬 機能性で勝負 販売数、年5%の伸び」の見出しの下に「◆花粉症対策/コンタクトに潤い 春−−。花粉やほこりが冬と比べて多くなりがちな季節だけに、目薬の需要も多い。メーカー側は、花粉症対策やコンタクトレンズを装着した際の不快感解消など、目薬の機能性を競っている。」との記載がある。
ウ 2006年9月27日付け日刊工業新聞の25頁には「参天製薬、眼精疲労改善など高機能な目薬を発売」の見出しの下に「参天製薬は眼疲労などを改善する高機能目薬『サンテメディカル10』を10月10日に発売する。目の疲れ、かゆみ、ハードコンタクトレンズ装着時の不快感緩和などに効果がある。」との記載がある。
エ 「コンタクトレンズと目薬。コンタクトレンズと涙とまばたきで触れたように、コンタクトレンズの装着時には涙が乾き易くなり、目にゴミが入ったような感覚や、レンズが目が滲みるような痛さと言った目が乾いたような感覚など、とにかく不快感を得る事が多くなります。こう言ったコンタクトレンズ装着時の涙の乾きによる不快感を解消するため、人工涙液型の目薬がしばしば利用されます。」との記載がある。(http://www.geocities.jp/contactlens_fetish/EyeDrops.html)
オ 「サンテ うるおいコンタクトa 使い捨てコンタクトレンズ装用時などの不快感・目のかわきにレンズがうるおう、有効成分ポビドン配合!!」との記載がある。(http://www.rakuten.co.jp/hb-navi/1915525/843713/843720/842923/)
カ 「『アスパラ目薬モイストCL』は、涙の成分である『塩化ナトリウム』と瞳の潤いを保つ高粘度成分『ヒプロメロース』を配合した涙液タイプの点眼薬で、ヒプロメロースがレンズ表面に膜をつくり、コンタクトレンズ装着時の目のかわきを抑えます。また、ハード、ソフトを問わず全てのコンタクトレンズに対応し、適度な粘性により不快感なくご使用いただけます。」との記載がある。(http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200707/227.html)
キ 「コンタクトの装着による我慢できない目の乾きや不快感。『アイボントローリ目薬ドライアイ』はそんな乾きや不快感を、コンタクトをしたまま解消いただけます。涙に近いとろっとした薬液が乾きがちな角膜表面にじんわり広がり、うるおいを与え、さらに角膜をじっくり保護します。」との記載がある。(http://www.eyebon.jp/products/torori.html)
ク 「カイゲンアイブルーCL アイブルーCLは、涙液タイプの目薬でコンタクトレンズを装着しているときの不快感を取り除きます。ソフト・O2・ハード・使い捨て等、どんなコンタクトレンズをつけたままでも点眼できます。目のかわき、目の疲れ、目のかゆみにも効果があります。」との記載がある。(http://www.megumiyakuraku.com/kaigen/aiburu-.htm)
ケ 「スマイルコンタクトは、レンズをしっとりさせ、瞳に栄養を与える1本で2つの働きで、コンタクトレンズ装着時の不快感を改善し、快適にします。大切な”瞳へのやさしさ”を考えた目薬です。」との記載がある。(http://www.seijonet.com/shop/commodity_param/ctc/010080/shc/0/cmc/4903301742364/backURL/http%28++www.seijonet.com+shop+main)
コ 「新エーゼットAは、花粉症などアレルギー性の眼疾患に効果のあるアズレンスルホン酸ナトリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、イプシロン‐アミノカプロン酸、充血を除去する塩酸テトラヒドロゾリン、さらに角膜保護作用のあるコンドロイチン硫酸ナトリウムを配合し、目のかゆみ、目の充血などの症状を改善します。また、花粉症などの不快感を軽減するために、クールタイプの目薬になっています。」との記載がある。(http://www.seijonet.com/shop/commodity_param/ctc/010007/shc/0/cmc/4987103035275/backURL/http(++www.seijonet.com+shop+main)
サ 「市販の貼付剤の効能は、消炎鎮痛剤の効果によるものなので、近年『温感』『冷感』のタイプが出ていますが、季節や好みなど各々が気持ちよく感じる方を選んで使えば問題は無いかと思います。皮膚が敏感な方など無理をして温感タイプを選んでヒリヒリするのに耐えているような話も聞く事がありますが、ナンセンスな事です。私もコリ性なのですが、私の場合は肌が強いので、冬は温感を貼ってポカポカし、夏は冷感タイプでス〜ッとするのが快感です。」との記載がある。(http://relaxense.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_0a53.html)
シ 「サロンパスで有名な久光製薬の『モーラス60』。ケトプロフェンという痛み止めが入っている湿布剤ですが、この商品のポイントはその大きさ。14cm×20cmと大きいでしょ。・・・・シャワーの後に貼ったのですが、ジワーッと冷たいようなしみるような、いかにも効いてきていますって感じの貼付感が快感〜」との記載がある。(http://creambell.air-nifty.com/suzu/2006/07/post_2971.html)
ス 「その他(湿布) かゆみや腫れがある場合は冷湿布が効果的です。冷やすことで、炎症を鎮めるとともに不快感も軽くします。15分ほどで交換し、2〜3回繰返します。」との記載がある。(http://www.sawayaka21.com/aroma/es_info/ar-recipe/recipe_mushi.htm)
(2)「クール」の文字について
セ 1999年6月9日付け化学工業日報の5頁には「田辺製薬、『アスパラ』ブランド一般用目薬3種を発売」の見出しの下に「『アスパラ目薬クールIC』は目の充血やかゆみ、疲れをとり除く成分を配合、冷たい刺激が持続する処方にしてあるため、とくに二十、三十歳代の若い層向けに訴求する。」との記載がある。
ソ 2000年5月25日付け化学工業日報の4頁には「ライオン、コンタクトレンズ目薬クールタイプ(いんふぉめーしょん)」の見出しの下に「ライオンは、コンタクトレンズ用目薬『スマイルコンタクト』にクールタイプを発売した。従来の目の乾きを防ぎ、瞳に栄養を与えて疲れを癒す機能に加え、冷たいさし心地で疲れた瞳を爽快にしリッラックスさせる。クールな使用感を実現する清涼成分がソフトコンタクトレンズに吸着しにくい処方。」との記載がある。
タ 2003年8月28日付け読売新聞 東京朝刊の11頁には「コンタクト疲れを軽減する目薬発売へ/ライオン」の見出しの下に「ライオンはコンタクトレンズ用の目薬『新スマイルコンタクトクール』を9月5日に発売する。角膜保護成分が、コンタクトレンズを装着した際に起こりやすい瞳のダメージを抑えて、疲れ目を改善。冷たいさし心地で、リフレッシュできるという。10ミリ・リットル、500円」との記載がある。
チ 「アスパラ目薬クールIC 【特長】冷たい刺激が持続して、目の疲れ・充血・目のかゆみを改善する7種の有効成分を配合したマルチパーパス処方の目薬です。」との記載がある。(http://www.mt-pharma.co.jp/aspara/asparacoolic.html)
ツ 「アイリス50クールは、ピント調節機能改善剤(メチル硫酸ネオスチグミン・ビタミンB12)のダブル配合に加え、新陳代謝を促進する活性型ビタミンB2、眼粘膜を保護するコンドロイチン硫酸ナトリウム、タウリンを配合。目のかすみ・つかれなどに優れた効果を発揮します。・目の不快な感じを和らげるクールなさし心地です。」との記載がある。(http://tenant.depart.livedoor.com/t/5151kenkoudo/item3500597.html)
テ 「サンテALクールIIは、抗ヒスタミン剤などがかゆみ・充血を効果的に抑えるだけでなく、炎症で傷ついた組織の修復を促す成分を配合した目薬です。さらに、スッキリとしたクールなさし心地で、目に爽快感を与えます。」との記載がある。(http://hitomi-sukoyaka.com/01/0128.html)
ト 「スマートアイクール 【特長】独自開発のサイドドロップ容器により、いままでのように持ち手がぶれて目薬を顔にこぼしたりすることも少なく、誰でも簡単に上手にさすことができる目薬です。しかもスリムなデザインで携帯にも便利です。目の疲れ、充血、かゆみに効果のある、冷たいさし心地の目薬です。」との記載がある。(http://www.mt-pharma.co.jp/smarteye/smarteyecool.html)
ナ 「エージーアイズ(クールタイプ) 花粉・ハウスダストによる目のアレルギー症状に。目のかゆみ、目の充血、目のかすみ、なみだ目などの症状を改善します。花粉症に。爽やかな清涼感のあるクールタイプの点眼薬です。」との記載がある。(http://www.drug.co.jp/products/p-9344.html)
ニ 「『マイティアクリーンクール』は、冷たいさし心地で『目の疲れ』『目のかゆみ』『結膜充血』を改善する目薬。栄養成分のタウリンが新陳代謝を促し、OA機器などによる目の疲れに効果を発揮します。」との記載がある。(http://www.igakujoho.net/db/07-080836-083612-774033-7711639072.html)
ヌ 「『冷感パップ スポーツマン−シップ クール 6枚*2袋』は、手のひらサイズの冷感シップ(冷湿布)薬です。打撲、ねんざなどの炎症によるはれ、痛みに対し、適度な冷感による湿布効果とサリチル酸グリコール、L−メントールなどの作用により痛みをやわらげます。」との記載がある。(http://store.shopping.yahoo.co.jp/kenkocom/x429540h.html)
ネ 「手のひらサイズのとっても貼りやすい冷感パップ剤『コリシートクール』」との記載がある。(http://tenant.depart.livedoor.com/t/kusuriya-honpo/item1318363.html)
ノ 「テイパップZ<クール> 特徴 冷湿布作用と鎮痛効果をあわせもった冷感パップ剤です。」との記載がある。(http://www.teikoku-pc.co.jp/shohin_judo/j3.html)
ハ 「『クールリフェンダー30枚』は、粘着力が強く、皮ふにピッタリ良くつく鎮痛・消炎冷感パップ剤です。高含水率の基剤を使用し、湿布効果に優れています。伸縮性タイプの不織布で関節部位の貼り付けにも便利です。保存に便利なチャック付。お肌にやさしい弱酸性。医薬品。」との記載がある。(http://www.kenko.com/product/item/itm_8858878072.html)
請求人は、「今回の証拠調べによって得られた証拠は、本願商標を構成する各文字の意味を記載した国語辞書及び各文字が指定商品との関係で使用されている新聞記事等であり、『快感クール』の表示が『取引者・需要者の間に商品の品質等を表示するものとして広く認識されている』と結論することには根拠がない。『気持ちのいい冷たさ』というような内容を表示するために『快感クール』等という表現は通常用いられない。これは、『不自然な表示』であって、一般的に用いられることが想定できない本願商標は『取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するもの』には該当せず、これを本願指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。」旨述べている。
本願商標は、前記1のとおり、「快感クール」の文字を標準文字で表してなるところ、構成各文字は、同書、同大、等間隔で、外観上、まとまりよく一体的に表されているものである。
そして、その構成中の「快感」の文字が、「気持ちのいい感じ。」の意味を、また、「クール」の文字が、「(温度・色などが)冷たいさま。涼しいさま。」の意味を有する語(株式会社三省堂 大辞林第2版)であることから、これらの文字を組み合わせた「快感クール」の文字よりは、原審説示の如く「気持ちのいい冷たさ」程の意味合いを暗示させる場合があるとしても、本願指定商品の品質を直接的かつ具体的に表示したものともいえないから、構成文字全体をもって一種の造語として認識し把握されるものとみるのが相当である。
さらに、当審において職権をもって調査したが、「快感クール」の文字が、本願指定商品を取り扱う業界において、その商品の品質を表示するものとして、取引上一般に使用されているという事実も見出すことはできなかった。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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