Trademark Appeal Case
「写真俳句」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−26411(T2007−26411/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「写真俳句」の文字を標準文字で書してなり、第41類に属する願書記載の役務を指定役務として平成18年5月1日に登録出願されたものであるが、その後、指定役務については、平成19年9月27日付けの手続補正書により、第41類「写真の撮影,書籍の制作,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,図書の貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,書画の貸与,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具の貸与」に補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『写真と俳句を組み合わせた作品』の意を表す語として使用されている『写真俳句』の文字を表してなるものであるから、これを本願指定役務中、例えば『セミナーの企画』等に使用するときは、『写真俳句に関するセミナーの企画』であること、即ち、役務の質、内容を普通に用いられる方法で表してなるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「写真俳句」の文字よりなるところ、該文字は、「写真と俳句を組み合わせた表現。絵画に漢詩や和歌、俳句などの賛をつけたものは昔からあったが、その現代版といえる。」(現代用語の基礎知識2008 自由国民社発行)の意味を有するものである。
そして、本願商標を構成する「写真俳句」の文字が、取引者、需要者において日常的に親しまれた語として普通に使用されていることは、以下のような新聞記事情報及びインターネット情報の掲載例をみても十分裏付けられるところである。
(1)2007年11月9日「西日本新聞」朝刊19頁
「福岡県/ガイド=昔・むかし展 ほか/ワイド北九州・京築」の見出しの下、「▼橋本俊吾 写真俳句展 11日(日)―18日(日)・・・。若松区在住の橋本さんが、静物や風景などの身近な写真に自作の俳句を添えて出版した写真俳句集『春苺』の掲載作品ほか、最近の作品をパネルで展示。」との記事。
(2)2007年11月4日「京都新聞」朝刊26頁
「『新美展』福知山で初開催 絵画 工芸 写真 写真俳句・川柳 書 流派にとらわれず個性を表現」の見出しの下、「流派にとらわれず、自由な立場で芸術活動に取り組む人たちの美術展『新美2007交流展/三和』が、福知山市三和町寺尾の三和荘多目的ホールで開かれている。絵画、工芸、写真、写真俳句・川柳、書の各部門に寄せられた百二十点が来場者の目を引いている。」との記事。
(3)2007年10月18日「毎日新聞」地方版/徳島27頁
「自然の四季風景写真展:県内の四季折々――徳島/徳島の見出しの下、「四季折々の県内の風景をとらえた『自然の四季風景写真展』(徳島風景写真協会主催)が17日、徳島市元町1の同市シビックセンターギャラリーで始まった。・・・大貝久義・同協会会長の個展『四季の思い出写真俳句集』も同時開催中(29日まで)。」との記事。
(4)2007年「毎日新聞」地方版/神奈川27頁
「このはな書展:厚木で始まる/神奈川」の見出しの下、「古希を迎えた田保さんは今回、自ら撮影した写真を基に俳句を作り、書にした『写真俳句』の作品も出展」との記事。
(5)2007年9月25日「中日新聞」朝刊18頁
「季節の写真と自作俳句合成 尾張旭で岩崎さん」の見出しの下、「【愛知県】季節の植物や風景の写真に自作の俳句を合成した写真俳句展『森林公園の四季』が十月八日まで、尾張旭市新居の県森林公園植物園で開かれている。」との記事。
(6)2007年9月5日「日本工業新聞」FujiSankei Business i.12頁
「【新商品】デジタル写真プリンター『プリン写ル PCP―1000』の見出しの下、「撮った写真に自作の俳句を添える『写真俳句』機能も充実。」との記事。
(7)2007年8月15日「北海道新聞」朝刊地方22頁
「四季の風景 生き生きと*名寄で写真俳句三人展」の見出しの下、「【名寄】市内の写真愛好家による写真俳句三人展が、二十日までJR名寄駅の駅ギャラリーで開かれている。」との記事。
(8)2007年5月22日「朝日新聞」大阪地方版/福井26頁
「(まちかど通信)津郷勇さん 小さな命、写真俳句で表現/福井県」の見出しの下、「自然の中で見せる小さな生き物の『瞬間の姿』に俳句を添えた『写真俳句』の作品が、越前市萱谷町の介護老人福祉施設『水仙園』2階ギャラリーで展示されている。」との記事。
(9)2005年4月21日「朝日新聞」大阪地方版/徳島29頁
「展覧会/徳島」の見出しの下、「◆大貝久義個展―四季折々の思い出写真俳句集―5月1日まで、JR徳島駅前の市シビックセンター5階で。」との記事。
(10)2001年9月7日「朝日新聞」東京地方版/新潟31頁
「新潟市で『写真俳句』展 新潟版俳壇選者の村山砂田男/新潟」の見出しの下、「美しい風景写真に、詠みためた俳句を配した『写真俳句』などを展示した『村山砂田男(さだお)俳句展』が、新潟市東堀前通7番町の第四銀行本店ロビーで開かれている。」との記事。
(11)1996年4月24日「朝日新聞」東京地方版/茨城
「下館のよさ知って 市民が写真俳句集を共同出版/茨城」の見出しの下、「下館市の写真クラブ『シルエット・しもだて』(佐藤信二会長、会員三十七人)と下館俳句会(神原栄会長、会員三十人)は、写真俳句集『下館歳時記』を出版した。」との記事。
(12)1994年3月19日「河北新報」
「仙台市の俳人渡辺乃梨子さんが出版/写真俳句集『遙かなる旬と影』ロシアの旅情豊か」の見出しの下、「仙台市の俳人、渡辺乃梨子(本名典子)さん(58)が、写真俳句集『モスクワより 遙かなる旬と影』をこのほど出版した。薬剤師であり、主婦でもある渡辺さんが、モスクワ留学中に作った俳句と写真とを組み合わせて、芸術的に結晶させたもので、華麗な出来栄えの本である。」との記事。
(13)1990年8月17日「朝日新聞」名古屋朝刊23頁
「『白川郷』残した一徹人(世間)【名古屋】」の見出しの下、「吉田暁一郎のペンネームで、詩、小説、伝記、俳句、ルポルタージュと多彩な文筆活動を続けた犬山市犬山東古券、片山源吾さんが、先月、76歳で亡くなった。・・・死の直前に出版した写真俳句集『飛騨白川郷』は、1940年に出版した第1詩集から数えて、14冊目の著書だった。」との記事。
(14)毎日新聞のホームページ(http://www.mainichi.co.jp/syuppan/mook/news/20070307-192017.html)の「出版物のご案内」には、「パソコンですぐできる写真俳句」のタイトルの下、「さあ、素晴らしい『写真俳句』の世界を楽しみましょう。」との記載。
(15)YAHOO!JAPANブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/sbsqd696/folder/1554944.html)には、「写真俳句」のタイトルの下、多数の写真俳句が掲載されている。
(16)猿和の写真俳句のサイト(http://pub.ne.jp/ENWA/)には、多数の「写真俳句」が掲載されている。
(17)聡湖の写真俳句のサイト(http://rabbit.shashin-haiku.jp/)には、多数の「写真俳句」が掲載されている。
(18)Maky(牧紀)のホームページ(http://www7a.biglobe.ne.jp/~Maky-toshi/)には、「Maky(牧紀)の写真俳句ぺーじにようこそ!」との記載がり、多数の写真俳句が掲載されている。
(19)「写真俳句:谷戸の風」のサイト(http://sea.ap.teacup.com/inamuragasaki/400.html)には、「『秋』写真俳句」のタイトルの下、写真俳句が掲載されている。
以上よりすると、「写真俳句」の文字は、「写真と俳句を組み合わせた表現からなる作品」の意味を容易に認識させるものであり、たとえば、「写真俳句の展示会」及び「写真俳句集」等のように普通に使用されているということが認められる。
そうとすれば、「写真俳句」の文字よりなる本願商標を、本願指定役務中の「書籍の制作」、「技芸・スポーツ又は知識の教授」、「セミナーの企画」、「電子出版物の提供」及び「放送番組の制作」に使用しても、これに接する需要者、取引者は、「写真俳句を内容とする書籍の制作・知識の教授・セミナーの企画・電子出版物の提供」を理解するに止まり、結局、本願商標は、単に役務の質、内容を表示したにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を有し得ないものというのが相当であり、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
なお、請求人は、「『写真俳句』の語句は、『写真と俳句を組み合わせた作品』の意を表す語として従来から使用されていたものではなく、請求人が新らたに創造した造語であり、請求人が使用することによりはじめて認識されるようになった。」旨主張し、甲第1号証を提出している。
そこで、検討するに、「写真俳句」の文字が、請求人により使用されていることは認められるとしても、前記新聞記事等によれば、1990年及び1994年(本願商標出願以前)には、「写真俳句」の文字がすでに使用されていることからすれば、請求人が新たに創造した造語とは認めがたく、査定時においても、「写真俳句」の文字は、「写真と俳句を組み合わせた表現からなる作品」の意味を認識させる語として普通に使用されているものであるから、請求人のこの主張は採用できない。
また、請求人は、過去の商標登録例を挙げ、本願商標の登録性を主張しているが、登録出願に係る商標が自他商品及び役務の識別力を有するか否かの判断は、指定商品・役務等のそれぞれの取引の実情を考慮し、当該商標の全体の構成に基づいて、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであって、登録例に拘束されるものではないから、この点についても請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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