sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標使用の範囲と不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−301308(T2007−301308/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4706790号商標中の「第9類 動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機,動画音声圧縮伸長機能を搭載した携帯情報端末機」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4706790号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成11年12月13日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年9月5日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品のうち「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機,動画音声圧縮伸長機能を搭載した携帯情報端末機」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)弁駁の理由

乙各号証からは、本件商標が、取消請求に係る指定商品「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機,動画音声圧縮伸長機能を搭載した携帯情報端末機」に使用していることは証明されていない。

(ア)乙第2号証について

乙第2号証の記載内容を読むと、「MPEG IMX」(本件商標を通常の形態で書したもの)は、録画方式を示す語句として使用されており、商品の名称として使用されていないことは明らかである。したがって、これによっては、本件商標が取消請求に係る指定商品に使用していることは証明されない。

(イ)乙第3号証及び乙第4号証について

乙第3号証及び乙第4号証に掲載しているビデオカメラは、カムコーダーであり、カムコーダーとは、ビデオカメラの一種で、撮影部(ビデオカメラ)と録画部(ビデオデッキ)を一体化したものをいう(甲第2号証:フリー百科事典「ウィキペディア」)。したがって、これに記載している商品は、電気通信機械器具に属する商品である。したがって、これによっては、本件商標が取消請求に係る指定商品に使用していることは証明されない。

なお、乙第3号証及び乙第4号証には、「MPEG IMX記録方式を採用した(中略)デジタルカムコーダー」の記載がある。このことから、「MPEG IMX」は、録画方式を示す語句であり、商品の名称でないことは明らかである。

(ウ)乙第5号証及び乙第6号証について

被請求人は、「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機」の中には、「周辺機器」も含まれる旨主張しているが、乙第5号証及び乙第6号証に記載されている商品は「ドライブ(ユニット)」であり、これ自体「電子計算機」とは別個の商品表示である(甲第3号証:特許庁電子図書館の「商品・役務名リスト」)。また、これに記載されている商品の価格は、それぞれ60万円(税抜)及び38万(税抜)と高額であることを考慮すると、これら商品は、「電子計算機」とは別個に取引される商品であることが伺われる。したがって、これに記載している商品は、「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機の周辺機器」にはあたらないから、これによっては、本件商標が取消請求に係る指定商品に使用していることは証明されない。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。

(1)証明に係る指定商品の範囲について

取消請求に係る指定商品は、「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機,動画音声圧縮伸長機能を搭載した携帯情報端末機」であって、本件商標の出願は平成11年12月13日であることから、改訂第8版の類似商品審査基準に基づいて判断されることになる。

そして、このことは「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機」の意味するところが「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)」である。すなわち、「動画音声圧縮伸長機能を有するソフトウェア」、「動画音声圧縮伸長機能を有するディスクドライブ」等も含まれている。

(2)証明に係る商標について

(ア)乙第2号証について

乙第2号証は2007年2月発行のプロフェショナルディスクシステム「XDCAM」のカタログの写し(ソニー株式会社発行)であり、その第2頁には、ソニーオリジナルの「動画音声圧縮伸長機能」の形式名称としてカラーで描かれた商標が使用されている。

(イ)乙第3号証及び乙第4号証について

乙第3号証及び乙第4号証は、ソニー株式会社の子会社であるソニーマーケティング株式会社発行の「MSW−970」(ビデオカメラ)の電子カタログの写しであり、カムコーダMSW−970の写真の左横にカラーで描かれた本件商標が使用されている。

(ウ)乙第5号証について

乙第5号証は、ソニー株式会社発行の子会社であるソニーマーケティング株式会社の「ノンリニア編集用のXDCAMドライブユニット」の「PDW−D1」の電子カタログ写しであり、そのカタログ第1頁の下方には「MPEG IMX記録メディアのDVCAM出力が可能です。」及び「付属のソフトウェアPDZ−1を用いて、メタデータの記録が可能です。」と記載されており、下方に本件商標が使用されている。

(エ)乙第6号証について

乙第6号証は、ソニー株式会社発行の子会社であるソニーマーケティング株式会社の「パソコンで再生可能なXDCAMドライブ」の「PDW−U1」の電子カタログの写しであり、そのカタログ第1頁の下方には「MPEG IMX〜に対応します。」及び「対応ソフトウェアにてパソコンでのプレビュー・簡易編集が可能」と記載されており、下方に本件商標が使用されている。

(オ)ドライブ(周辺装置)について

乙第5号証及び乙第6号証に係るドライブは、「パソコンで再生可能なXDCAMドライブ」と記載されているように電子計算機の周辺装置であると共に、ソニー独自のフォーマットに基づき動画音声圧縮伸長機能をもった周辺装置に該当するものである。

(3)まとめ

以上のとおり、乙第2号証ないし乙第6号証より商標権者であるソニー株式会社は本件商標「mpegIMX」を付した「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機」に含まれる「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機の周辺機器」について平成19年2月の時点で使用していた。

なお、被請求人は、さらに詳細な証拠を追って補充する予定であり、本件の審判事件の審理を証拠が出揃うまで猶予されたい。

4 当審の判断

被請求人提出の証拠(乙第2号証ないし乙第6号証)によれば、商標権者並びにソニーマーケティング株式会社によって本件審判請求の登録前3年以内の時期に、商品カタログないしはインターネット上でのカタログサイトにおいて、商標権者開発に係るプロフェショナルディスクシステムXDCAMとする商品、即ち、専ら映像制作及び編集用機材としての業務用ビデオカメラ及びその周辺機器に関して本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していることは認めることができる。

しかしながら、本件取消請求に係る指定商品は、本件商標の指定商品中の「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機,動画音声圧縮伸長機能を搭載した携帯情報端末機」についての登録の取消を求めているところ、被請求人は、乙第5号証及び乙第6号証に係るドライブは、「パソコンで再生可能なXDCAMドライブ」と記載されているように電子計算機の周辺装置である旨主張するが、乙第5号証及び乙第6号証のカタログ類は、その記載内容からして、専ら映像制作及び編集用機材としてのものであって、少なくとも(動画音声圧縮伸長機能を搭載した)電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器について使用するものと認めるのは困難である。

してみると、被請求人は、取消請求に係る指定商品についての使用あるいは不使用の正当理由を明らかにしたとはいえず、他に、これを認め得る証拠はないから、本件商標は、その指定商品中「動画音声圧縮伸長機能を搭載した電子計算機,動画音声圧縮伸長機能を搭載した携帯情報端末機」について、その登録の取消を免れないものである。

なお、被請求人は審理に関して、さらなる詳細な証拠が出揃うまでの間の猶予を求めているが、答弁書提出から相当の期間を経過するも何ら答弁、立証するところがなく、審理を遅滞させるような格別の事情も見いだせないから、これを待たずに結審する。

したがって、本件商標は、指定商品中「結論掲記の指定商品」について、商標法第50条に基づき、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。