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Trademark Appeal Case

商標使用の権限と態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−301339(T2007−301339/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4810822号商標(以下「本件商標」という。)は、「Sirena」の欧文字を標準文字により表してなり、第14類「貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾り品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」を指定商品として、平成15年10月10日登録出願、同16年10月15日設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「身飾り品,宝玉,宝玉の模造品」についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び弁駁を次のように述べた。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中「身飾り品,宝玉,宝玉の模造品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから取り消されるべきものである。

(2)弁駁の理由

(ア)使用者について

被請求人は、株式会社ギリオン(以下「ギリオン社」という。)が使用権限を有することの証拠として、業務委託契約書(乙第1号証)を提出しているが、当該業務委託契約書冒頭の記載からも明白なように、ギリオン社が受託業務を有限会社ビットプレス(以下「商標権者」という。)に委託するというものであり、使用権限を与えるものではない。

したがって、雑誌「NHKためしてガッテン秋号」(乙第2号証、乙第3号証)及び同「ミセス」(乙第4号証ないし乙第6号証)は、ギリオン社が本件商標を使用する権限を有して使用していることを示す証拠とはならない。

(イ)使用商標について

被請求人は、本件商標の使用を示す証拠として、雑誌「NHKためしてガッテン秋号」の背表紙(乙第3号証)及び同「ミセス」の奥付(乙第5号証)を提出しているが、これに掲載されている商標は、欧文字「Sirena」「CONCH SHELL CAMEO」を上下2段に併記してなる商標として捉えられるべきものであり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるといえない。

(ウ)問合せ先表記について

上記の雑誌「NHKためしてガッテン秋号」の背表紙(乙第3号証)及び同「ミセス」の奥付(乙第5号証)に掲載されている問合せ先「GIRION CO.,LTD.」と「ギリオン社」との対応関係は客観的に証明されていない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。

(1)使用者について

商標権者はギリオン社と業務委託契約を結んでいる(乙第1号証)。当該業務委託契約書の第2条のとおり、商標権者はギリオン社の知的財産権の管理を行っており、本件商標はギリオン社が使用している。

(2)使用商標について

2007年9月15日に発行された雑誌「NHKためしてガッテン秋号」の背表紙(乙第3号証)にはブローチとペンダントトップに関する広告として本件商標「Sirena」が使用されている。

(3)問合せ先表記について

上記の雑誌「NHKためしてガッテン秋号」の背表紙(乙第3号証)及び同「ミセス」の奥付(乙第5号証)に掲載されている問合せ先は、「GIRION CO.,LTD.」と表記されており、これはギリオン社の英文表記である。

(4)使用時期について

雑誌「NHKためしてガッテン秋号」(乙第2号証、乙第3号証)は、2007年9月15日に発行されたものである。

なお、「ミセス」11月号(乙第4号証ないし乙第6号証)は、2007年11月7日に発行されたものであり、審判請求日よりも後に発行された雑誌ではあるが、本件商標が継続的に使用されていることを示すものとして提示する。

4 当審の判断

本件商標は、「Sirena」の欧文字を標準文字により表してなり、その指定商品は上記したとおりである。

そこで、被請求人が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標を取消請求に係る指定商品中の「ブローチ,ペンダントトップ」について使用していたとして、その使用の事実を証明するものとして提出した乙各号証を検討する。

(1)使用者について

業務委託契約書(乙第1号証)によれば、業務委託契約の内容及び当事者の住所「山梨県甲府市青葉町18−20」が同所にあることからして、商標権者とギリオン社とは密接な関連会社であると推認でき、かつ、第2条(業務内容)において「(3)特許関連 商標の貸与・管理・・・」の記載からしても、商標権者がギリオン社に対し本件商標についての使用を許諾しているとみるのが自然であり、ギリオン社は通常使用権者といって何ら差し支えないものである。

よって、これらの点に関する請求人の主張は採用できない。

(2)使用商標について

2007年9月15日に発行の雑誌「NHKためしてガッテン秋号」の背表紙(乙第3号証)の右上部には、大小の横顔女性の浮き彫りを施した貝殻様の装身具と共に「Sirena」の欧文字が表示されており、さらにその下段に小さく「CONCH SHELL CAMEO」の欧文字が表示されていることが認められる。

してみると、この表示された「Sirena」の欧文字自体は本件商標(標準文字)と社会通念上同一と認められる商標であるということができる。

また、その貝殻様の装身具はブローチの一種(カメオ)を表したものと容易に認識でき、さらに下段の各文字はそれぞれ「CONCH」が「(大形の)巻き貝やその貝殻」、「SHELL」が「貝殻」及び「CAMEO」が「浮き彫りを施しためのうや貝殻細工(カメオ)」の意味を有するところから、その貝殻様の装身具の材料や商品名ほどを表したものと理解されるというのが相当である。

この点を請求人は、「Sirena」の欧文字と「CONCH SHELL CAMEO」の欧文字とを上下2段に併記してなる商標として捉えられるべきものであり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるといえない旨述べている。しかし、その使用文字における両文字の大きさや文字態様の差異、また、両文字間において一体的な意味合いが生じ難いこと及び両文字を一連に称呼するには冗長になることからしても、その両文字間の外観、観念及び称呼における結合状態が常に一体不可分なものとしてのみ認識しなければならない格別の事情もないというべきであるから、これらの点に関する請求人の主張は採用できない。

(3)問合せ先表記について

請求人は、上記の雑誌「NHKためしてガッテン秋号」の背表紙(乙第3号証)及び同「ミセス」の奥付(乙第5号証)に掲載されている問合せ先「GIRION CO.,LTD.」と「ギリオン社」との対応関係は客観的に証明されていない旨述べている。しかし、請求人が日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないと主張する以上は、その前後に表示された電話番号やインターネットのアドレス(http://www.girion.co.jp)等の調査から自ずとその対応関係は明らかになるものであって、これに齟齬があれば別として、近時のインターネットの普及及び商取引状況からして、敢えて被請求人にこれを求めるまでもなく、当該問合せ先「GIRION CO.,LTD.」は「ギリオン社」の英文表記ということができ、その対応関係は容易に確認し得るものであるから、これらの点に関する請求人の主張を採用するまでもないと判断した。

(4)使用商品及び時期について

上述(2)のとおり、雑誌「NHKためしてガッテン秋号」(乙第2号証、乙第3号証)は、日本国内において本件審判請求の登録前3年以内である2007(平成19)年9月15日に発行されたものと認められる。

そして、その背表紙(乙第3号証)にはブローチとペンダントトップに関する広告として本件商標と共にその右上部には、横顔女性の浮き彫りを施した貝殻様の装身具が表示されており、その貝殻様の装身具はブローチの一種(カメオ)であって、取消請求に係る商品中「身飾り品」に属するものと認められものである。

(5)まとめ

以上を総合勘案すれば、本件商標は、通常使用権者といえるギリオン社によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る指定商品中の「身飾り品」に属するものと認められる「貝殻様の装身具であるカメオ」について使用されていたといわなければならない。

してみれば、本件商標は、商標法第50条の規定により、指定商品中の請求に係る商品「身飾り品,宝玉,宝玉の模造品」について、その登録を取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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