Trademark Appeal Case
著名商標「POLO」の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成4年審判第19413号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「POLOCROSSE SPORTS」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成3年3月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、出願人とは他人であるアメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識として本願出願時には、既に著名に至っていた『POLO』の文字を含んで成るものであるから、このような商標をその指定商品について使用するときは、その商品が上記他人と何らかの関係がある商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、その出願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)株式会社講談社(昭和53年7月20日)発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッティング(昭和58年9月28日)発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。
アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、かばんなどのデザインをはじめ、紳士物全般に拡大し、1971年には婦人服の分野にも進出した。1970年と1973年に服飾業界で最も名誉とされる「コティ賞」を受賞し、1974年に、映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロパート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことからアメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。この頃から、その名前はわが国の服飾業界においても広く知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各標章が使用され、これらは「ポロ」の略称で呼ばれるようになった。
(2)株式会社洋品界(昭和55年4月)発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/POLO」の項及びボイス情報株式会社(昭和59年9月)発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85]の「ポロ.バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述、及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、わが国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、販売をしたことが認められる。
(3)また、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士用品については、株式会社スタイル社(1971年7月)発行「dansen男子専科」をはじめ、前記「男の一流品大図鑑」、株式会社講談社(昭和54年5月及び同55年6月)発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、「世界の一流品大図鑑’80年版」、株式会社チャネラー(昭和54年5月)発行「別冊チャネラー ファッション・ブランド年鑑’80年版」、婦人画報社(昭和55年12月)発行「MEN’S CLUB1980,12」などにおいて「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題のもとに紹介されていることが認めらる。
(4)上記(1)ないし(3)で認定した事実を総合すれば、「POLO」、「ポロ」、「Polo」の各標章及びこれより生ずる「ポロ」の称呼は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される標章として、遅くとも昭和55年頃までには、わが国において取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その認識の度合いは現在においても継続しているというのが相当である。
他に、これを覆すに足りる証拠は見当たらない。
(5)本願商標は、前記構成よりなるものであるところ、構成全体をもって、わが国において親しまれたスポーツの名称、もしくは熟語的意味合いを表すものとは認められないばかりでなく、その構成中、看者の注意を強く惹く語頭部分に、前記(4)で認定したラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、婦人服等の被服などに使用され、わが国においても広く取引者、需要者に認識されている標章と同一綴り文字よりなる「POLO」の文字を有しているものである。
してみると、本願商標は、これをその指定商品である「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」について使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、「POLO」の文字部分に強く印象付けられ、該商品がラルフ・ローレン、もしくはその関連会社の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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