Trademark Appeal Case
全身機能強化磁気治療器の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−13151(T2005−13151/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「全身機能強化磁気治療器」の文字を標準文字で表してなり、第10類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年8月30日に登録出願、その後、指定商品については、同17年4月28日付け手続補正書により、第10類「磁気治療器」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、身体全身の機能を強化する磁気治療器であることを認識させるから、これを『磁気治療器』に使用するときは、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「全身機能強化磁気治療器」の文字を書してなるところ、これは、「全身」、「機能」及び「強化」の何れもよく知られた語と指定商品名である「磁気治療器」を結合したものであって、全体として、「身体全体の機能を強化する磁気治療器」程の意味合いを容易に認識させるものである。
ところで、「磁気治療器」とは、薬事法施行令別表第1(第1条関連)中の「医療用具」の項に掲載され、日本標準商品分類において「医療用機器」の一として分類されているものであり、「磁石そのものを人体に装着させその磁力により患部を治療する磁気治療器」と、「電磁石に交流電流を流して電気的に発生する交番磁場をつくりその磁力により患部を治療する磁気治療器」等が現在商品として流通している。
そして、この「磁気治療器」は、何れも装着部分の血液の循環を良くし、肩や腕等のこりをほぐす等の効果があるとされているが、近時、椅子型やシート状になったもの等、身体への接着点を広くし、全身の血行を良くし、全身のこりをほぐす他、貧血、冷え性、内臓疾患に対する効果・効能、免疫力・自然治癒力の強化についての効果・効能等を詠った商品が取引されている実情があることが、以下の新聞記事情報及びウェブページにより窺い知ることができる。
(1)1994年8月9日付け北海道新聞朝刊の19頁には、「〈かわかぜ〉浦臼町温泉保養センターのロビーにこのほど、新しい健康器具が登場し、入浴客の人気を呼んでいる」の見出しのもとに「▽今回、新しく導入されたのは『バイオビーム』という磁気治療器。磁極の変化によって発生する磁場を応用したもので、全身用としては道内三台目で、効用は肩こり、貧血、冷え性、内臓疾患など多岐にわたる―という。」との記載がある。
(2)カフェド・レストランファリヤーのウェブページでは、「磁気治療院紹介」の見出しのもと、「全身の血行をよくする磁気治療器(磁気シャワー)を体験して頂く場所です。創健メディカル株式会社が開発し、様々な方の健康に貢献してきた磁気治療器です。」との記載がある。(http://cafe-farrier.com/cgi-bin/cafe-farrier/siteup.cgi?category=4&page=0)
(3)株式会社コーセーのウェブページでは、「磁気治療器」の見出しのもと、「磁気治療器は、磁気の作用で全身のこり等をほぐし、血行を良くします。」との記載がある。(http://www.cose.co.jp/jiki.html)
(4)さくら接骨院のウェブページでは、「磁気治療器」の見出しのもと、「・コスミック 磁気を全身へシャワすることにより血行を促進し自然治癒力を高めます」との記載がある。(http://sakurasekkotsuin.com/index.php?%B3%C6%BC%EF%B0%E5%CE%C5%B5%A1%B4%EF)
(5)日本素材株式会社のウェブページでは、「免疫力・自然治癒力の強化」の見出しのもと、「磁気には自律神経の調整や血行促進だけでなく、免疫力を強化するパワーも秘めています。免疫とは、細菌やウィルスなど、外部から身体を守る防御機能のことです。」との記載がある。(http://www.totigi.net/therapy/index.html)
(6)有限会社磁気健康センター森川のウェブページでは、「新『MZ−3型』」の見出しのもと、「【効能・効果】肩こり、血行促進。磁気波が全身に作用し、血行をよくしコリをとります。交流磁気が全身を包んで治療します。」との記載がある。(http://www.morikawa1997.jp/mm001.html)
以上のとおり、上記の実情を総合勘案すれば、「全身機能強化」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「身体全体の機能を強化する磁気治療器」程の意味合いを理解、認識するものであり、その商品の品質、効能を表示するにとどまるものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、請求人は、本願商標が「全身」、「機能」、「強化」、「磁気」及び「治療器」に分けられ、個々の語は一般的に使用されている語であるから、原査定でいうような意味合いが想起される場合があるとしても、それが具体的に如何なる商品か判然としない旨主張している。
しかしながら、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、必ずしも要求されないものと解すべきである(東京高裁平成12年(行ケ)第76号)。」と判示されており、仮に「全身機能強化磁気治療器」なる語が造語であるとしても、本願商標からは前記のとおり、「身体全体の機能を強化する磁気治療器」との意味合いを認識させるものであり、これに接する取引者、需要者は、当該商品の品質、効能を表したものであると理解するにすぎないものとみるのが相当であるから、自他商品の識別標識としての機能を有するものということはできない。
また、請求人は、過去の登録例をいくつか挙げてもいるが、それらの登録例は、本件とは事案を異にするものであるから、請求人の挙げた登録例の存在によって認定判断が左右されるものではない。
よって、結論のとおり審決する。
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