sokuhyo

Trademark Appeal Case

著名商標「シェル」の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900184(T2007−900184/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5019270号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5019270号商標(以下「本件商標」という。)は、「シェルドゥー」の片仮名文字と「shelldo」の欧文字を上下2段に横書きしてなり、平成18年6月22日に登録出願、第9類、第35類、第36類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年1月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立の理由(要旨)

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(a)から(h)のとおりである。

(a)登録第3283238号商標は、「SHELL」の文字を書してなり、平成6年9月30日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年4月18日に設定登録されたものである。

(b)登録第4146987号商標は、「SHELL」の文字を書してなり、平成6年9月30日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年5月22日に設定登録されたものである。

(c)登録第4161778号商標は、「シェル」の文字を書してなり、平成6年9月30日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年7月3日に設定登録されたものである。

(d)登録第3109138号商標は、「シェル」の文字を書してなり、平成4年9月30日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年12月26日に設定登録されたものである。

(e)登録第4847701号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年6月24日に登録出願、第35類及び第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同17年3月18日に設定登録されたものである。

(f)登録第3342063号商標は、「シェル」の文字を書してなり、平成4年9月30日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同9年8月29日に設定登録されたものである。

(g)登録第4380838号商標は、「シェル」の文字を書してなり、平成10年7月14日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同12年5月12日に設定登録されたものである。

(h)登録第4412752号商標は、「シェル」の文字を書してなり、平成10年7月14日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同12年9月1日に設定登録されたものである。

以下、これらの商標を一括して「引用各商標」という。

(2)商標法第4条第1項第8号について

本件商標「シェルドゥー/shelldo」中、「シェル」ないし「shell」の部分が独立して認識され、本件商標は申立人の著名な略称を含むものであるにもかかわらず、出願人は本件商標の登録について申立人から何ら承諾を得ていない。

(3)商標法第4条第1項第10号について

申立人の商標「shell」は、申立人及びその関連会社の商標として世界的に周知著名である。そして、本件商標は、その申立人の商標と類似し、申立人の業務に係る商品と同一又は類似する商品について使用するものである。

(4)商標法第4条第1項第15号について

本件商標がその指定商品・役務に使用されれば、当該商品・役務はあたかも申立人の業務にかかわる商品・役務であるかの如く商品・役務の出所を誤認混同させるおそれがある。

(5)商標法第4条第1項第11号について

申立人の関連会社は「shell」、「シェル」等の登録商標を有するところ、本件商標「シェルドゥー/shelldo」は、「シェル」ないし「shell」の部分が独立した要部と認識されるため、申立人が所有する前記引用各商標と類似であって、その商標に係る指定商品・役務と同一もしくは類似の商品・役務について使用するものである。

(6)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきものである。

3 当審における取消理由通知

当審において、商標権者に対し、平成20年2月29日付で通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。

(1)登録異議申立人「シェル インターナショナル ペトロリウム カムパニー リミテッド(Shell International Petroleum Company Limited)」の主張及びその提出に係る甲第2号証ないし甲第68号証、さらには、商標法第43条の8において準用する同法第56条第1項により準用する特許法第150条第1項に基づく職権による証拠調べの結果(株式会社研究社1991年初版第1刷発行390頁「Shell シェル」の項の「世界第2位の国際石油グループRoyal Dutch/Shell Groupの略・通称,そのブランド」との記載、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」の「昭和シェル石油」の項の「略称 シェル」との記載、2000年[平成12年]7月7日付け毎日新聞東京朝刊9頁の「シェル、国内電力・ガスへ参入」との見出しの記載、1975年[昭和50年]5月1日付け日経産業新聞14頁の「シェルなど英3社、ソ連と科学技術協定調印。」との見出しの記載及び同年6月21日付け同新聞11頁の「造船・港湾計画では、シェルがイラン国営石油とタンカー建造するほか、イラン商戦艦隊増強を援助する。」との記載並びに同年7月9日付け同新聞3頁の「日本鋼管扇島製鉄所建設工事たけなわ、不等沈下対策にはシェルの技術を採用。」との見出しの記載) 等を総合すると、申立人は、英米の7社からなる、いわゆるメジャー(国際石油資本)の一つとして、世界的に有名なロイヤル・ダッチ/シェル グループの中核企業であることが認められる。

(2)そして、申立人は、我が国において、「昭和シェル石油株式会社」、「シェルケミカルズジャパン株式会社」等の多数の関連会社を有し、その事業の中心を占める石油、石油製品、各種化学製品、ガソリンステーション用装置の製造・販売や石油の精製、パイプラインによる石油の供給、石油の試掘等の役務の提供のみならず、その関連会社を含めてシェルグループ全体で多角経営的事業を展開しており、職権調査結果の一例を簡単に挙げれば、「太陽電池」(第9類)、「インターネット・情報技術・電子商取引の事業経営に関する指導及び助言」(第35類)、「電子商取引における決済代行,クレジットカードの発行の取次ぎ,コンビニ店などに設置されたCD機等の操作により顧客の預金口座からの現金引出しの取次ぎ」(第36類)及び「石炭・原子力又は代替エネルギー技術に関する研究開発」(第42類)等といった幅広い商品及び役務に関する事業活動を行っており、その商号の略称であり、かつ、代表的出所表示標識といえる「Shell」及び「シェル」の表示もまた関連会社を含めたシェルグループ全体で各種媒体を通じて長年にわたり大々的に広告宣伝し、使用してきた結果、本件商標の登録出願時には、該表示は、既に申立人らの略称及び業務に係る商品及び役務に使用される商標として周知・著名となっており、その状態は、登録査定時においても継続していたことが認められる。

(3)一方、本件商標は、英語の「shell」と「do」を結合し、それに表音の「シェルドゥー」を付記した構成よりなるところ、それが成語として一般に知られているものと解すべき特別な事情は見いだせず、両文字の結合度も弱いことから、本件商標に接する取引者、需要者は、上述(1)ないし(2)の実情よりして、本件商標の構成中、「シェル」及び「shell」の文字部分に強く印象付けられると見るのが相当である。

そうとすれば、本件商標は、申立人らの著名な略称を含む商標であって、かつ、その承諾を得たものとは認められないから、商標法第4条第1項第8号に該当するものである。

(4)そして、本件商標の指定商品及び指定役務中には、申立人らの展開する多角経営的事業に係る商品及び役務が含まれているところである。

かかる事情の下に、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、当該構成中の「shell」及び「シェル」の文字部分に着目し、著名な申立人の商標を連想し又は想起する場合が少なからずあり得るものということができ、その結果、当該指定商品及び指定役務があたかも申立人らと組織的又は経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかの如く、その出所について誤認・混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当する。

(5)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。

4 商標権者の意見

商標権者は、前記の取消理由に対し、指定した期間内に何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

本件商標についてした先の取消理由は、妥当なものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号の規定に違反して登録されたものといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。