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Trademark Appeal Case

引用商標の周知性立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900359(T2007−900359/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5042636号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5042636号商標(以下「本件商標」という。)は、「ジャック アンド ジョーンズ」及び「JACK & JONES」の文字を上下2段に横書きしてなり、平成18年10月27日に登録出願、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「女性用被服,男性用被服,スニーカー,その他の履物」を指定商品として、同19年4月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要旨

(1)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の関連会社である「Bestseller A/S」(以下「ベストセラー社」という。)の業務に係る商品「被服」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標「JACK&JONES」(以下「引用商標」という。)と類似する商標であって、商品も同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反する商標として、その登録を取り消されるべきである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、商品「被服」について我が国において著名な商標であり、本件商標をその指定商品に使用した場合には、その商品の需要者がこれを「ベストセラー社」の業務に係る商品であると混同するおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反する商標として、その登録を取り消されるべきである。

(3)商標法第4条第1項第19号について

商標権者は、外国において周知・著名な引用商標の存在を知りながら、不正の目的で、引用商標に類似する本件商標を出願し登録を受けたものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反する商標として、その登録を取り消されるべきである。

(4)商標法第4条第1項第7号について

商標権者は、引用商標の業務上の信用にフリーライドする意図をもって本件商標を出願し登録を受けたものであって、かかる商標の登録を認めるならば、公正な競業秩序の維持が図れなくなり、公序良俗に反するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反する商標として、その登録を取り消されるべきである。

(5)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第26号証(枝番号を含む。)を提出している。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第10号該当について

申立人は、引用商標はベストセラー社が商品「被服」について使用する商標として、我が国において周知・著名である旨主張し証拠を提出している。

そこで、申立人提出に係る証拠を以下に検討する。

(ア)甲第2ないし第5号証は、ベストセラー社のウェブサイト、ヨーロッパにおける直営小売店舗開店日リスト、ヨーロッパ等における年度別直営小売店舗数及び直営小売店舗リストにすぎない。

(イ)甲第6号証の1ないし19は、ヨーロッパの主要な国等における顧客リストにすぎない。

(ウ)甲第7号証のベストセラー社の会計責任者による宣誓書及び甲第8号証は、ヨーロッパ等における商品「被服」の販売数量の概算を示すにすぎない。

(エ)甲第9号証の1ないし5は、サウジ・アラビア宛インボイス発行履歴及びサウジ・アラビア宛インボイスと認められるが、引用商標が付された商品「被服」を使用しているか否か不明であり、しかも、該インボイスは、原文のみの記載である。

(オ)甲第10号証の1ないし28、甲第11号証の1ないし4、甲第12号証の1及び2は、宣伝用パンフレット、ベストセラー社発行のファッション雑誌及びその雑誌が販売された際のインボイスと認められるが、いずれもヨーロッパ等の外国における宣伝用パンフレット等であり、しかも、一部を除き原文のみの記載であり、引用商標の表示を確認できないものもある。

(カ)甲第13号証の1ないし9は、アメリカにおける自転車レースに関する結果及びこれに関する写真であると認められるが、該写真の一部に引用商標が付されたレーシングスーツを着ていることが認められるにすぎない。

(キ)甲第14号証の1ないし3は、ベストセラー社のウェブサイトと認められるところ、新作コレクションを紹介していることは認められるが、原文のみの記載である。

(ク)甲第15号証の1ないし6及び甲第16号証は、雑誌「スポーツウェア・インターナショナル」と認められ、該雑誌には、引用商標が付された商品「被服」に関する宣伝広告及び特集記事が紹介されていることは認められるが、いずれもヨーロッパ等の外国におけるものである。

(ケ)甲第17号証の1ないし4のウェブサイトによれば、前記雑誌「スポーツウェア・インターナショナル」の英語版及びヨーロッパ版が我が国においても販売されていると紹介しているが、その販売時期及び販売数量等の証拠が何ら示されていない。

(コ)甲第18号証は、ジェトロ・ウェブサイトは、ジェトロのビジネスライブラリーの消費財の分野において、前記雑誌「スポーツウェア・インターナショナル」の英語版が受け入れられていることを示すにすぎない。

(サ)甲第19号証の1及び2並びに同第20号証の1ないし42は、引用商標が各国で登録されていることを示すにすぎず、他国に商標登録が存在することをもって、直ちに引用商標が需要者の間で広く認識されたものとなっていたとは認められない。

(シ)以上のとおり、前記証拠をもって、引用商標が本件商標の登録出願時及び査定時に、我が国において需要者の間で広く認識されるに至っていたとまで認めることはできないものである。

したがって、本件商標は、引用商標と類似するものであるとしても、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当について

前記(1)のとおり、引用商標の周知性の程度を勘案すれば、本件商標の登録出願時及び査定時に、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、当該商品をベストセラー社あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品と誤認するとは認め難く、商品の出所について混同するおそれがあったと判断することはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(3)商標法第4条第1項第19号該当について

前記(1)のとおり、引用商標がヨーロッパを中心に商品「被服」について使用されていることは窺えるとしても、その周知性については必ずしも明らかでなく、そして、申立人の提出に係る甲第22号証によれば、本件商標の商標権者が被服等のファッション関連商品の輸入卸業務を行っていること及び主な仕入れ先として、フランス、イタリア、香港等が上げられていることが認められるものの、他に、商標権者が引用商標またはベストセラー社の存在を知っていたとする根拠や、ベストセラー社の国内参入を阻止する目的等を具体的に示す証左はない。

そうすると、本件商標は、商標権者がベストセラー社の国内参入を阻止し、不正の利益を得る目的、ベストセラー社に損害を加える目的等の不正目的をもって使用するものとはいい難い。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。

(4)商標法第4条第1項第7号該当について

申立人は、引用商標の著名性、商標権者の商標出願状況や業務内容に鑑み、本件商標は、引用商標の業務上の信用にフリーライドするものであり、公正な競業秩序が維持できず、公序良俗に反するものである旨主張するが、前記(1)のとおり、引用商標の周知性は認められないし、本件商標が引用商標の業務上の信用にフリーライドするものともいえないことに加え、前記1のとおりの構成からなる本件商標が直ちに公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものともいえないから、申立人の主張は採用することができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。

(5)結語

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものと認められないから、その登録は維持すべきものである。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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